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生
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うま
ふりがな文庫
“
生
(
うま
)” の例文
などと、いつも
悪体
(
あくたい
)
をつくのです。
母親
(
ははおや
)
さえ、しまいには、ああこんな
子
(
こ
)
なら
生
(
うま
)
れない
方
(
ほう
)
がよっぽど
幸
(
しあわせ
)
だったと
思
(
おも
)
う
様
(
よう
)
になりました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
そして
父
(
ちち
)
のつもりでは、
私達
(
わたくしたち
)
夫婦
(
ふうふ
)
の
間
(
あいだ
)
に
男児
(
だんし
)
が
生
(
うま
)
れたら、その
一人
(
ひとり
)
を
大江家
(
おおえけ
)
の
相続者
(
そうぞくしゃ
)
に
貰
(
もら
)
い
受
(
う
)
ける
下心
(
したごころ
)
だったらしいのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
雨
(
あめ
)
の
日
(
ひ
)
のつれ/″\に、
佛
(
ほとけ
)
、
教
(
をし
)
へてのたまはく、
昔
(
むかし
)
某
(
それ
)
の
國
(
くに
)
に
一婦
(
いつぷ
)
ありて
女
(
ぢよ
)
を
生
(
う
)
めり。
此
(
こ
)
の
婦
(
をんな
)
恰
(
あたか
)
も
弱竹
(
なよたけ
)
の
如
(
ごと
)
くにして、
生
(
うま
)
れし
女
(
むすめ
)
玉
(
たま
)
の
如
(
ごと
)
し。
妙齢
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
駄目
(
だめ
)
、私たちのからだは太陽の光を見たら
一
(
いっ
)
ぺんに駄目になってしまいます。私たちの眼は
生
(
うま
)
れつき細く弱くできているのです」
もぐらとコスモス
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
その頃
雜誌
(
ざつし
)
「
青鞜
(
せいたう
)
」は
生
(
うま
)
れ、
新
(
あたら
)
しい女といふことが
大分
(
だいぶ
)
やかましくなつてまゐりました。けれど私達は初めからそれを
白眼
(
はくがん
)
でみました。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
▼ もっと見る
今
(
いま
)
の
苦勞
(
くらう
)
を
戀
(
こひ
)
しがる
心
(
こゝろ
)
も
出
(
い
)
づべし、
斯
(
か
)
く
形
(
かたち
)
よく
生
(
うま
)
れたる
身
(
み
)
の
不幸
(
ふしやはせ
)
、
不相應
(
ふさうおう
)
の
縁
(
ゑん
)
につながれて
幾
(
いく
)
らの
苦勞
(
くらう
)
をさする
事
(
こと
)
と
哀
(
あは
)
れさの
増
(
まさ
)
れども
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「それは
俺
(
わし
)
の
方
(
ほう
)
からいふ
言葉
(
ことば
)
でさあ。こうして
此處
(
こゝ
)
で
生
(
うま
)
れて
此處
(
こゝ
)
でまた
死
(
し
)
ぬ
俺等
(
わしら
)
です。一つ
旅
(
たび
)
の
土産
(
みやげ
)
はなしでもきかせてくれませんか」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
抑
(
そもそ
)
も私の
酒癖
(
しゅへき
)
は、年齢の次第に成長するに
従
(
したがっ
)
て
飲
(
のみ
)
覚え、飲慣れたと
云
(
い
)
うでなくして、
生
(
うま
)
れたまゝ
物心
(
ものごころ
)
の出来た時から自然に
数寄
(
すき
)
でした。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
一休
(
いっきゅう
)
さんは、
応永元年
(
おうえいがんねん
)
一
月
(
がつ
)
一日
(
ついたち
)
、
将軍義満
(
しょうぐんよしみつ
)
が、その
子
(
こ
)
義持
(
よしもち
)
に
職
(
しょく
)
をゆずった
年
(
とし
)
、
南朝
(
なんちょう
)
の
後小松天皇
(
ごこまつてんのう
)
を
父
(
ちち
)
とし、
伊予局
(
いよのつぼね
)
を
母
(
はは
)
として
生
(
うま
)
れました。
先生と父兄の皆さまへ
(新字新仮名)
/
五十公野清一
(著)
父
(
とう
)
さんの
家
(
うち
)
ではよく
三郎
(
さぶらう
)
の
噂
(
うはさ
)
をします。
三郎
(
さぶらう
)
が
居
(
ゐ
)
る
木曾
(
きそ
)
の
方
(
はう
)
の
話
(
はなし
)
もよく
出
(
で
)
ます。あの
木曾
(
きそ
)
の
山
(
やま
)
の
中
(
なか
)
が
父
(
とう
)
さんの
生
(
うま
)
れたところなんですから。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
そのおうちが、
私
(
わたし
)
の
生
(
うま
)
まれた
家
(
いえ
)
です。どこへいった
帰
(
かえ
)
りでも、この
白壁
(
しらかべ
)
が
目
(
め
)
にはいると、
私
(
わたし
)
は、もうおうちへ
帰
(
かえ
)
ったような
気
(
き
)
がしました。
白壁のうち
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼は
寧
(
むし
)
ろ
生
(
うま
)
る可き時を誤った人間である。借金棒引きを迫って、一揆の頻発した時代だ。天下既に大変革を待って居たのである。
応仁の乱
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
是
(
これ
)
また、
御本尊
(
ごほんぞん
)
十
羅刹
(
らせつ
)
に申上て候。今日
佛
(
ほとけ
)
、
生
(
うま
)
れさせまします時に、三十二の不思議あり、此事、
周書異記云文
(
しうしよいきといふふみ
)
にしるし
置
(
お
)
けり。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
此間
(
このあひだ
)
生
(
うま
)
れた
末
(
すゑ
)
の
男
(
をとこ
)
の
子
(
こ
)
が、
乳
(
ちゝ
)
を
呑
(
の
)
む
時刻
(
じこく
)
が
來
(
き
)
たものか、
眼
(
め
)
を
覺
(
さ
)
まして
泣
(
な
)
き
出
(
だ
)
したため、
賊
(
ぞく
)
は
書齋
(
しよさい
)
の
戸
(
と
)
を
開
(
あ
)
けて
庭
(
には
)
へ
逃
(
に
)
げたらしい。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其
(
そ
)
れ
等
(
ら
)
の
夫婦
(
ふうふ
)
の
間
(
あひだ
)
に
生
(
うま
)
れた
者
(
もの
)
も
幾人
(
いくにん
)
か
彼等
(
かれら
)
の
間
(
あひだ
)
に
介在
(
かいざい
)
して
居
(
ゐ
)
た。
有繋
(
さすが
)
に
其
(
そ
)
の
幾人
(
いくにん
)
は
自分
(
じぶん
)
の
父母
(
ふぼ
)
が
喚
(
よ
)
ばれるので
苦
(
にが
)
い
笑
(
わらひ
)
を
噛
(
か
)
んで
控
(
ひか
)
へて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
我その魚沼郡の
塩沢
(
しほさは
)
に
生
(
うま
)
れ、毎年十月の
頃
(
ころ
)
より
翌年
(
よくとし
)
の三四月のころまで雪を
視
(
みる
)
事
已
(
すで
)
に六十余年、
近日
(
このごろ
)
此
雪譜
(
せつふ
)
を作るも雪に
籠居
(
こもりをる
)
のすさみなり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
蛇が
衣
(
から
)
を脱ぐ如く、人は
昨日
(
きのう
)
の己が死骸を後ざまに蹴て進まねばならぬ。個人も、国民も、永久に生くべく日々死して新に
生
(
うま
)
れねばならぬ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「あなた
方
(
がた
)
は
赤
(
あか
)
ちやんがもうぢき
生
(
うま
)
れるといふのに、
子守歌
(
こもりうた
)
を
習
(
なら
)
ひもしないで、そんな
暢氣
(
のんき
)
なことを
言
(
い
)
つていらつしやる。」
お母さん達
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
「されば、武門の中では、めずらしい異材でもあり、
生
(
うま
)
れ
損
(
ぞこ
)
ないでもあると、正直、賞めたりくさしたりしておるわけです」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
見るは此御白洲が
始
(
はじ
)
めてなり一言も有のないのと言るゝは如何なる事やと
空嘯
(
そらうそぶ
)
いて
居
(
ゐ
)
たりしかば無量庵は然樣で有う
人間
(
にんげん
)
と
生
(
うま
)
れて
恩
(
おん
)
を知らぬを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
かの子 ただ何となく
垢抜
(
あかぬ
)
けした感じがします。あれは
散々
(
さんざん
)
今の新しさが使用し
尽
(
つく
)
された後のレベルから今
一
(
いち
)
だん洗練を
経
(
へ
)
た後に
生
(
うま
)
れた女です。
新時代女性問答
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「
私
(
わたし
)
がこの
國
(
くに
)
で
生
(
うま
)
れたものでありますならば、お
宮仕
(
みやづか
)
へも
致
(
いた
)
しませうけれど、さうではございませんから、お
連
(
つ
)
れになることはかなひますまい」
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
「お豊さん、お前はいったん死んだ体、わしもいったん地獄を見て来た体、
生
(
うま
)
れ
更
(
かわ
)
り同士がこうして一緒になるのも三輪の神様のお引合せだね」
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
何
(
なん
)
とも
云
(
い
)
ひませんでした、
生
(
うま
)
れてから
今
(
いま
)
までに
斯麽
(
こんな
)
無愛想
(
ぶあいさう
)
な
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
はれたことがなかつたので、
愛
(
あい
)
ちやんは
甚
(
はなは
)
だ
面白
(
おもしろ
)
からず
思
(
おも
)
ひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
まち
子
(
こ
)
の
夫
(
をつと
)
の
末男
(
すゑを
)
は、
偶然
(
ぐうぜん
)
にも
彼女
(
かれ
)
とおなじ
北海道
(
ほくかいだう
)
に
生
(
うま
)
れた
男
(
をとこ
)
であつた。
彼女
(
かれ
)
はそれを
不思議
(
ふしぎ
)
な
奇遇
(
きぐう
)
のやうに
喜
(
よろこ
)
んだ。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
翁が
祖父
(
おほぢ
)
の其の祖父すらも
生
(
うま
)
れぬはるかの
往古
(
いにしへ
)
の事よ。此の
郷
(
さと
)
に
一五二
真間
(
まま
)
の
手児女
(
てごな
)
といふいと美しき
娘子
(
をとめ
)
ありけり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
さうですよ、
江戸
(
えど
)
で
生
(
うま
)
れたんですよ。○「
江戸
(
えど
)
は
何
(
ど
)
の
辺
(
へん
)
でございますか。女「
生
(
うま
)
れは
日本橋
(
にほんばし
)
の近所ですが
観音様
(
くわんおんさま
)
のうしろに長い間ゐたことがありますよ。 ...
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
萬有
(
ばんいう
)
の
母
(
はゝ
)
たる
大地
(
だいぢ
)
は
其
(
その
)
墓所
(
はかどころ
)
でもあり、
又
(
また
)
其
(
その
)
埋葬地
(
まいさうち
)
たるものが
其
(
その
)
子宮
(
こぶくろ
)
でもある、さて
其
(
その
)
子宮
(
こぶくろ
)
より千
差
(
さ
)
萬
別
(
べつ
)
の
兒供
(
こども
)
が
生
(
うま
)
れ、
其
(
その
)
胸
(
むね
)
をまさぐりて
乳
(
ち
)
を
吸
(
す
)
ふやうに
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
いやもう、
浮世
(
うきよ
)
のことは、
何
(
なに
)
をおいても
女
(
おんな
)
が
大事
(
だいじ
)
。おいらも
今度
(
こんど
)
の
世
(
よ
)
にゃァ、
犬
(
いぬ
)
になっても
女
(
おんな
)
に
生
(
うま
)
れて
来
(
く
)
ることだ。——はッくしょい。これァいけねえ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
一日
働
(
はたら
)
いて一日
送
(
おく
)
れば、それが
人
(
ひと
)
の
一生涯
(
いつしやうがい
)
である、
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
る
時
(
とき
)
に
人
(
ひと
)
は
生
(
うま
)
れて、
眠
(
ねむ
)
る
時
(
とき
)
に
人
(
ひと
)
は
死
(
し
)
ぬるのである。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
さぁこれからは
西洋
(
せいよう
)
の
品物
(
しなもの
)
でなく、
私
(
わたし
)
どもの
生
(
うま
)
れた
日本
(
につぽん
)
の
國
(
くに
)
の
古
(
ふる
)
い
時代
(
じだい
)
の
品物
(
しなもの
)
を
見
(
み
)
、そのお
話
(
はなし
)
をするのです。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
これは
既
(
すで
)
に十
年
(
ねん
)
から
前
(
まへ
)
の
事
(
こと
)
で、
其後
(
そのゝち
)
に
生
(
うま
)
れた
兒
(
こ
)
も
最早
(
もはや
)
八歳
(
はつさい
)
になりますが、さて、
私
(
わたくし
)
の
日頃
(
ひごろ
)
の
望
(
のぞみ
)
は、
自分
(
じぶん
)
は
斯
(
か
)
うして、
海外
(
かいぐわい
)
に
一商人
(
いつしやうにん
)
として
世
(
よ
)
に
立
(
た
)
つて
居
(
を
)
るものゝ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
... 春琴はその第二女にして
文政
(
ぶんせい
)
十二年五月二十四日をもって
生
(
うま
)
る」とある。また
曰
(
いわ
)
く、「春琴幼にして
穎悟
(
えいご
)
、加うるに
容姿端麗
(
ようしたんれい
)
にして
高雅
(
こうが
)
なること
譬
(
たと
)
えんに物なし。 ...
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
決
(
けつ
)
して
不眞面目
(
ふまじめ
)
ではなかつた。
彼
(
かれ
)
は
實際
(
じつさい
)
まつ
正直
(
しやうぢき
)
に「
天子樣
(
てんしさま
)
に
御奉公
(
ごほうこう
)
する」
積
(
つも
)
りで
軍務
(
ぐんむ
)
を
勉強
(
べんきやう
)
してゐたのである。が、
彼
(
かれ
)
の
生
(
うま
)
れつきはどうする
事
(
こと
)
も
出來
(
でき
)
なかつた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
然
(
しか
)
し
私
(
わたくし
)
は
生
(
うま
)
れた
其日
(
そのひ
)
より
今日迄
(
こんにちまで
)
、
絶
(
た
)
えず
苦痛
(
くつう
)
を
嘗
(
な
)
めてゐるのです、
其故
(
それゆゑ
)
私
(
わたくし
)
は
自分
(
じぶん
)
を
貴方
(
あなた
)
よりも
高
(
たか
)
いもの、
萬事
(
ばんじ
)
に
於
(
おい
)
て、より
多
(
おほ
)
く
精通
(
せいつう
)
してゐるものと
認
(
みと
)
めて
居
(
を
)
るです。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
家
(
いへ
)
のうちにゐて、その
内外
(
ないがい
)
の
樣子
(
ようす
)
を
詠
(
よ
)
むといふところから、
景色
(
けしき
)
の
歌
(
うた
)
が
生
(
うま
)
れて
來
(
く
)
るのであります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
臏
(
ひん
)
は
(一四)
阿鄄
(
あけん
)
の
間
(
あひだ
)
に
生
(
うま
)
る。
臏
(
ひん
)
も
亦
(
また
)
孫武
(
そんぶ
)
の
後世
(
こうせい
)
の
子孫也
(
しそんなり
)
。
孫臏
(
そんびん
)
嘗
(
かつ
)
て
龐涓
(
はうけん
)
と
倶
(
とも
)
に
兵法
(
へいはふ
)
を
學
(
まな
)
ぶ。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
抽斎が岡西氏
徳
(
とく
)
に
生
(
うま
)
せた三人の子の
中
(
うち
)
、ただ
一人
(
ひとり
)
生き残った次男優善は、
少時
(
しょうじ
)
放恣
(
ほうし
)
佚楽
(
いつらく
)
のために、
頗
(
すこぶ
)
る渋江
一家
(
いっか
)
を
困
(
くるし
)
めたものである。優善には
塩田良三
(
しおだりょうさん
)
という
遊蕩
(
ゆうとう
)
夥伴
(
なかま
)
があった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
斑猫「あらまあ、あんなことを、おなじ
猫
(
ねこ
)
でも
女
(
をんな
)
になんぞ
生
(
うま
)
れてはつまりませんわ」
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
何だかこの往来、この建物の
周囲
(
まわり
)
には、この世に
生
(
うま
)
れてから味わずにしまった愉快や、泣かずに済んだ涙や、意味のないあこがれや、
当
(
あて
)
の知れぬ恋なぞが、靄のようになって立ち
籠
(
こ
)
めているようだ。
痴人と死と
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
いつしかに
生
(
うま
)
れてゐたる
蝗
(
いなご
)
等はわが行くときに逃ぐる音たつ
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
せ
貴女
(
あなた
)
……
妾
(
わたし
)
は
泣
(
な
)
きに
生
(
うま
)
れて
来
(
き
)
たやうなもので御
座
(
ざ
)
います………それも
妾
(
わたし
)
の
不運
(
ぶうん
)
と存じては居りますが………まだ
一
(
いつ
)
しよで居りました時に信太郎と云ふ男の子が一人御座いましたので……丁度今年で六つで
御座
(
ござ
)
います
夜汽車
(新字旧仮名)
/
尾崎放哉
(著)
老いにし「慾情」と「
夜
(
よる
)
」より
生
(
うま
)
るゝ
汚
(
けが
)
れし女。
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
眠れ、
眠入
(
ねい
)
らで、日のまたも
生
(
うま
)
るる前に……
カンタタ
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
われはきく、
生
(
うま
)
れざる、はかりしれざる
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
桃太郎
(
もゝたらう
)
は、
河
(
かは
)
に
流
(
なが
)
れし
桃
(
もゝ
)
より
生
(
うま
)
れて
武
(
ぶ
)
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
余
(
よ
)
は
正
(
まさ
)
しく
生
(
うま
)
れ
替
(
かは
)
つた
心地
(
こゝち
)
である。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
「まあ
生
(
うま
)
んようにするのじゃな」
急行十三時間
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
我
生
(
うま
)
れて
四方
(
しほう
)
の志あり
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
生
(
うま
)
れ
乍
(
なが
)
らに
水潛
(
みづくゞ
)
る
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
“生”を含む語句
生活
先生
生長
畜生
平生
生々
蘇生
生死
衆生
生業
生暖
根生
生命
生存
存生
生出
後生
生温
生計
生身
...