うま)” の例文
などと、いつも悪体あくたいをつくのです。母親ははおやさえ、しまいには、ああこんなならうまれないほうがよっぽどしあわせだったとおもようになりました。
そしてちちのつもりでは、私達わたくしたち夫婦ふうふあいだ男児だんしうまれたら、その一人ひとり大江家おおえけ相続者そうぞくしゃもらける下心したごころだったらしいのでございます。
あめのつれ/″\に、ほとけをしへてのたまはく、むかしそれくに一婦いつぷありてぢよめり。をんなあたか弱竹なよたけごとくにして、うまれしむすめたまごとし。
妙齢 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
駄目だめ、私たちのからだは太陽の光を見たらいっぺんに駄目になってしまいます。私たちの眼はうまれつき細く弱くできているのです」
もぐらとコスモス (新字新仮名) / 原民喜(著)
その頃雜誌ざつし青鞜せいたう」はうまれ、あたらしい女といふことが大分だいぶやかましくなつてまゐりました。けれど私達は初めからそれを白眼はくがんでみました。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
いま苦勞くらうこひしがるこゝろづべし、かたちよくうまれたる不幸ふしやはせ不相應ふさうおうゑんにつながれていくらの苦勞くらうをさすることあはれさのまされども
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「それはわしほうからいふ言葉ことばでさあ。こうして此處こゝうまれて此處こゝでまた俺等わしらです。一つたび土産みやげはなしでもきかせてくれませんか」
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
そもそも私の酒癖しゅへきは、年齢の次第に成長するにしたがっのみ覚え、飲慣れたとうでなくして、うまれたまゝ物心ものごころの出来た時から自然に数寄すきでした。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
一休いっきゅうさんは、応永元年おうえいがんねんがつ一日ついたち将軍義満しょうぐんよしみつが、その義持よしもちしょくをゆずったとし南朝なんちょう後小松天皇ごこまつてんのうちちとし、伊予局いよのつぼねははとしてうまれました。
先生と父兄の皆さまへ (新字新仮名) / 五十公野清一(著)
とうさんのうちではよく三郎さぶらううはさをします。三郎さぶらう木曾きそはうはなしもよくます。あの木曾きそやまなかとうさんのうまれたところなんですから。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
そのおうちが、わたしうままれたいえです。どこへいったかえりでも、この白壁しらかべにはいると、わたしは、もうおうちへかえったようながしました。
白壁のうち (新字新仮名) / 小川未明(著)
彼はむしうまる可き時を誤った人間である。借金棒引きを迫って、一揆の頻発した時代だ。天下既に大変革を待って居たのである。
応仁の乱 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
これまた、御本尊ごほんぞん羅刹らせつに申上て候。今日ほとけうまれさせまします時に、三十二の不思議あり、此事、周書異記云文しうしよいきといふふみにしるしけり。
此間このあひだうまれたすゑをとこが、ちゝ時刻じこくたものか、ましてしたため、ぞく書齋しよさいけてにはげたらしい。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
夫婦ふうふあひだうまれたもの幾人いくにん彼等かれらあひだ介在かいざいしてた。有繋さすが幾人いくにん自分じぶん父母ふぼばれるのでにがわらひんでひかへてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
我その魚沼郡の塩沢しほさはうまれ、毎年十月のころより翌年よくとしの三四月のころまで雪をみるすでに六十余年、近日このごろ雪譜せつふを作るも雪に籠居こもりをるのすさみなり。
蛇がからを脱ぐ如く、人は昨日きのうの己が死骸を後ざまに蹴て進まねばならぬ。個人も、国民も、永久に生くべく日々死して新にうまれねばならぬ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「あなたがたあかちやんがもうぢきうまれるといふのに、子守歌こもりうたならひもしないで、そんな暢氣のんきなことをつていらつしやる。」
お母さん達 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
「されば、武門の中では、めずらしい異材でもあり、うまぞこないでもあると、正直、賞めたりくさしたりしておるわけです」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
見るは此御白洲がはじめてなり一言も有のないのと言るゝは如何なる事やと空嘯そらうそぶいてたりしかば無量庵は然樣で有う人間にんげんうまれておんを知らぬを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かの子 ただ何となく垢抜あかぬけした感じがします。あれは散々さんざん今の新しさが使用しつくされた後のレベルから今いちだん洗練をた後にうまれた女です。
新時代女性問答 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
わたしがこのくにうまれたものでありますならば、お宮仕みやづかへもいたしませうけれど、さうではございませんから、おれになることはかなひますまい」
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
「お豊さん、お前はいったん死んだ体、わしもいったん地獄を見て来た体、うまかわり同士がこうして一緒になるのも三輪の神様のお引合せだね」
あいちやんはなんともひませんでした、うまれてからいままでに斯麽こんな無愛想ぶあいさうことはれたことがなかつたので、あいちやんははなは面白おもしろからずおもひました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
まちをつと末男すゑをは、偶然ぐうぜんにも彼女かれとおなじ北海道ほくかいだううまれたをとこであつた。彼女かれはそれを不思議ふしぎ奇遇きぐうのやうによろこんだ。
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
翁が祖父おほぢの其の祖父すらもうまれぬはるかの往古いにしへの事よ。此のさと一五二真間まま手児女てごなといふいと美しき娘子をとめありけり。
さうですよ、江戸えどうまれたんですよ。○「江戸えどへんでございますか。女「うまれは日本橋にほんばしの近所ですが観音様くわんおんさまのうしろに長い間ゐたことがありますよ。 ...
萬有ばんいうはゝたる大地だいぢその墓所はかどころでもあり、またその埋葬地まいさうちたるものがその子宮こぶくろでもある、さてその子宮こぶくろより千べつ兒供こどもうまれ、そのむねをまさぐりてふやうに
いやもう、浮世うきよのことは、なにをおいてもおんな大事だいじ。おいらも今度こんどにゃァ、いぬになってもおんなうまれてることだ。——はッくしょい。これァいけねえ。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
一日はたらいて一日おくれば、それがひと一生涯いつしやうがいである、ときひとうまれて、ねむときひとぬるのである。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
さぁこれからは西洋せいよう品物しなものでなく、わたしどものうまれた日本につぽんくにふる時代じだい品物しなもの、そのおはなしをするのです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
これはすでに十ねんからまへことで、其後そのゝちうまれた最早もはや八歳はつさいになりますが、さて、わたくし日頃ひごろのぞみは、自分じぶんうして、海外かいぐわい一商人いつしやうにんとしてつてるものゝ
... 春琴はその第二女にして文政ぶんせい十二年五月二十四日をもってうまる」とある。またいわく、「春琴幼にして穎悟えいご、加うるに容姿端麗ようしたんれいにして高雅こうがなることたとえんに物なし。 ...
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
けつして不眞面目ふまじめではなかつた。かれ實際じつさいまつ正直しやうぢきに「天子樣てんしさま御奉公ごほうこうする」つもりで軍務ぐんむ勉強べんきやうしてゐたのである。が、かれうまれつきはどうすること出來できなかつた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
しかわたくしうまれた其日そのひより今日迄こんにちまでえず苦痛くつうめてゐるのです、其故それゆゑわたくし自分じぶん貴方あなたよりもたかいもの、萬事ばんじおいて、よりおほ精通せいつうしてゐるものとみとめてるです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
いへのうちにゐて、その内外ないがい樣子ようすむといふところから、景色けしきうたうまれてるのであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
ひん(一四)阿鄄あけんあひだうまる。ひんまた孫武そんぶ後世こうせい子孫也しそんなり孫臏そんびんかつ龐涓はうけんとも兵法へいはふまなぶ。
抽斎が岡西氏とくうませた三人の子のうち、ただ一人ひとり生き残った次男優善は、少時しょうじ放恣ほうし佚楽いつらくのために、すこぶる渋江一家いっかくるしめたものである。優善には塩田良三しおだりょうさんという遊蕩ゆうとう夥伴なかまがあった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
斑猫「あらまあ、あんなことを、おなじねこでもをんなになんぞうまれてはつまりませんわ」
何だかこの往来、この建物の周囲まわりには、この世にうまれてから味わずにしまった愉快や、泣かずに済んだ涙や、意味のないあこがれや、あての知れぬ恋なぞが、靄のようになって立ちめているようだ。
いつしかにうまれてゐたるいなご等はわが行くときに逃ぐる音たつ
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
貴女あなた……わたしきにうまれてたやうなもので御います………それもわたし不運ぶうんと存じては居りますが………まだいつしよで居りました時に信太郎と云ふ男の子が一人御座いましたので……丁度今年で六つで御座ございます
夜汽車 (新字旧仮名) / 尾崎放哉(著)
老いにし「慾情」と「よる」よりうまるゝけがれし女。
眠れ、眠入ねいらで、日のまたもうまるる前に……
カンタタ (旧字旧仮名) / ポール・クローデル(著)
われはきく、うまれざる、はかりしれざる
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
桃太郎もゝたらうは、かはながれしもゝよりうまれて
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
まさしくうまかはつた心地こゝちである。
「まあうまんようにするのじゃな」
急行十三時間 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
うまれて 四方しほうの志あり
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
うまながらに水潛みづくゞ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)