“少時”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しばらく71.3%
しばし20.3%
しばら3.0%
せうじ1.7%
しょうじ0.8%
すこし0.8%
すこしのま0.8%
しば0.4%
ちょっと0.4%
やや0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
また或時あるとき、市中より何か買物かいものをなしてかえけ、鉛筆えんぴつを借り少時しばらく計算けいさんせらるると思ううち、アヽ面倒めんどうだ面倒だとて鉛筆をなげうち去らる。
これらのことばを聞ける時のわがさまに及ばじ、わが愛こと/″\く神に注がれ、ベアトリーチェはそがために少時しばし忘られき 五八—六〇
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
磯は少時しばら此店ここの前を迂路々々うろうろしていたが急に店の軒下に積である炭俵の一個ひとつをひょいと肩に乗て直ぐ横の田甫道たんぼみちそれて了った。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
僕は少時せうじ国芳くによし浮世絵うきよゑにこの話の書いたのを見てゐたから、「吉原八景よしはらはつけい」だの「黒髪」だのよりも「石の枕」に興味を感じてゐた。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
抽斎が岡西氏とくうませた三人の子のうち、ただ一人ひとり生き残った次男優善は、少時しょうじ放恣ほうし佚楽いつらくのために、すこぶる渋江一家いっかくるしめたものである。優善には塩田良三しおだりょうさんという遊蕩ゆうとう夥伴なかまがあった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
と云つて、ラフアエルの聖母マドンナの様なのは、てんでありやしないし、つた所が日本人とは云はれないから、其所そこで里見さんをわずらはす事になつたのさ。里見さんもう少時すこしですよ
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ましてや往来ゆきゝの人は通身みうち雪にいられて少時すこしのま半身はんしんゆきうづめられて凍死こゞえしする㕝、まへにもいへるがごとし。
つぶし互ひに顏を見合せて少時しば言葉ことばなかりしが大膳は吉兵衞に向ひ我こそは赤川大膳とてすなはち山賊の棟梁とうりやうなりまたこれなるは藤井左京とて近頃此山中に來りて兄弟のえん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「まア、真実ほんとに油断がならないね。大丈夫私は気を附けるが、お徳さんもられそうなものは少時ちょっとでも戸外そと放棄うっちゃって置かんようになさいよ」
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
座を立った武蔵が、少時ややあってともない来ったのは、都甲金平とこうきんぺいという藩士であった。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)