“すこし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
26.7%
少許17.2%
15.5%
14.7%
些少5.2%
寸毫2.6%
少量2.6%
暫時2.6%
毛頭2.6%
少時1.7%
毫末1.7%
多少0.9%
少小0.9%
一寸0.9%
少分0.9%
0.9%
0.9%
秋毫0.9%
輕少0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
独逸風どいつふうにしますと白ソースの中へケッバスといって小さい木の実とホンのすこしの酢を加えますが、下手にこしらえると乳が寄っていけません。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
それからお吉はまた、二人が余りおとなしくして許りゐるので、店に行つて見るなり、少許すこし街上おもてを歩いてみるなりしたら怎だと言つて
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
それ來りてこの報知しらせを聞く者甚だまれなり、高く飛ばんために生れし人よ、汝等すこしの風にあひてかく墜ちるは何故ぞや 九四—九六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
神の台前に出ることに何の関係もないことです、教会の皆様を思ふ私の愛情は、すこしも変はることが出来ないです、老女おばさんは何時いつまでも老女さんです
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
左の肋骨などは、宛然鶏を料理するように、殆んど一本一本丁寧に×り×してあって、やっと、皮膚と些少すこしの筋で継がっている状態だった。
双面獣 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
喋りながらも寸毫すこしの隙なく詰寄せてくる太刀に気は苛立ちながら、押され押されして次第に追込まれる。軒下に焚物の枯松葉が積んであったが其処まで押つけられてしまった。
鍵屋の辻 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
それと、油の這入つた瓶と羽根はねも見つけて、鍵と錠前に油を引いた。私は水を少しとパンを少量すこしとつた。
昨日きのふも今日も時雨しぐれの空に、田町の姉より頼みの長胴着が出来たれば、暫時すこしも早う重ねさせたき親心、御苦労でも学校まへの一寸のに持つて行つてくれまいか、定めて花も待つてゐようほどに
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
つゞいて借金の話しも聞ましたが、今が今私しのうちから立換へようとは言はなかつた筈、それはお前が何ぞの聞違へ、私は毛頭すこしも覺えの無き事と、これが此人の十八番とはてもさても情なし。
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
みな少時すこしもくしてゐる。院長ゐんちやうしづかまたつゞける。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
唐桟揃とうざんぞろいの淡泊あっさりづくりに住吉張りの銀煙管おとなしきは、職人らしき侠気きおいの風の言語ものいい挙動そぶりに見えながら毫末すこしも下卑ぬ上品だち、いずれ親方親方と多くのものに立てらるる棟梁株とうりょうかぶとは
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
それも多少すこしは祖母を引うけた家から扶助みついでもらって僅かに糊口くらしを立てていたので、お秀の給料と針仕事とでは三人の口はとても過活すぐされなかった。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
それも月の十日と二十日は琴平の縁日で、中門を出入ではいりする人の多少すこしは通るが、実、平常ふだん、此町に用事のある者でなければ余り人の往来ゆききしない所である。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
夫婦は心をあはせて貫一の災難をかなしみ、何程のつひえをもをしまず手宛てあての限を加へて、少小すこしきずをものこさざらんと祈るなりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「もう二度と私はお目には掛りませんから、今日のところはどうとも堪忍して、つなり、たたくなり貫一さんの勝手にして、さうして少小すこしでも機嫌きげんを直して、私のおわびに来た訳を聞いて下さい」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
お島に聞いたら、あれはおどかしだと言ったが、お父さんは大分怒ってるようだ。乃公見たいな者はっとして坐っていれば宜い。一寸すこし身体を動かして何かするとそれが直ぐ悪戯になる。厄介な生来うまれつきだ。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
予の鮫崇拝論は近い内『人類学雑誌』へ出すが、少分すこしは六年前七月の同誌に載せた「本邦における動物崇拝」なる拙文に書き置いたからそれに譲るとして、竜と鮫の関係につきここに述ぶるは
初鮏は光り銀のごとくにしてすこしあをみあり、にくの色べにをぬりたるがごとし。仲冬の頃にいたればまだらさびいで、にくくれなうすし。あぢもやゝおとれり。
表に御記被成候六条ハ、小、西、両氏及老兄、龍等も御同席ニて談論セシ所ニて、すこしも相違無之候。後来といへども決して変り候事無之ハ、神明の知る所ニ御座候。
ト今まで黙想していた文三が突然無茶苦茶に高笑を做出しだしたが、勿論もちろん秋毫すこし可笑おかしそうでは無かッた。シカシ少年の議論家は称讃しょうさんされたのかと思ッたと見えて
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
取出とりいだし始て參上仕さんじやうつかまつり内々御聞申度事御座るに付是にてさけさかな御買下おかひくださるべし輕少すこしながら御土産おみやげなりと申故權三も一向に樣子やうす了解わからねば辭退じたいするを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)