“老女”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
としより30.8%
ろうじょ10.3%
らうぢよ7.7%
トジ7.7%
おうな5.1%
とじ5.1%
ひと5.1%
おば2.6%
おみな2.6%
ろうによ2.6%
おばあ2.6%
ばば2.6%
らうじよ2.6%
らうぢょ2.6%
をさめ2.6%
をみな2.6%
アツパア2.6%
トシ2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
『無い筈はないでせう。もつと此辺このへんでは、戸籍上の名とうちで呼ぶ名と違ふのがありますよ。』と、健はくちを容れた。そして老女としより
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
石見守いわみのかみはらでは、吹針ふきばり試合しあいではしょせんあの老女ろうじょ勝目かちめはないと考えていたので、この出来事できごとはもっけのさいわいと思った。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『おまへ亞尼アンニーとかつたねえ、なんようかね。』とわたくししづかにふた。老女らうぢよむしのやうなこゑで『賓人まれびとよ。』と暫時しばしわたくしかほながめてつたが
事實、大抵、女部屋の老女トジたちが、引つたくつて渡させなかつた。さうした文のとりつぎをする若人ワカウド—若女房—を呼びつけて、荒けなく叱つて居る事も、度々見かけられた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
警吏は直ちに來りて、そが夥伴なかまなる三人を捕へき。われはその車上に縛せられてまちに入るを見たり。市の門にはフルヰアの老女おうな立ち居たり。
事実、大抵、女部屋の老女とじたちが、引ったくって渡させなかった。そうした文のとりつぎをする若人—若女房—を呼びつけて、荒けなく叱って居る事も、度々見かけられた。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
私はこの老女ひと生母ははおやをたった一度見た覚えがある。谷中やなか御隠殿ごいんでんなつめの木のある家で、蓮池はすいけのある庭にむかったへやで、お比丘尼びくにだった。
「先生、渡辺の老女おばさんがお待ちなされてです」と呼ばれる大和の声に、彼は沈思のおもてを揚げて「其れは誠に申訳がありませんでした」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
ここに須佐の男の命、その河上に人ありとおもほして、ぎ上り往でまししかば、老夫おきな老女おみなと二人ありて、童女をとめを中に置きて泣く。ここに「汝たちは誰そ」と問ひたまひき。
知らず、その老女ろうによは何者、狂か、あらざるか、合力ごうりよくか、物売か、はたあるじ知人しりびとか、正体のあらはるべき時はかかるうちにも一分時毎にちかづくなりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「それに先生、お花さんとやらに、老女おばあさんに、お二人までらつしやるので、何程どんなににぎやかとも知れませんよ、殿方ばかりのおうちは、何処どことなくおさびしくて、お気の毒で御座いましてネ」渡辺の老女はホヽ笑みつゝ「大和さん、貴郎あなたもマア、お勝手の方を ...
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
しかるに国にっては、ちょうどわがくに上方かみがたで奈良の水取みずとりといって春の初めにかえって冷ゆるごとく、暖気一たび到ってまた急に寒くなる事あり。仏国の東南部でこれを老女ばば次団太じだんだと呼ぶ。
勿論もちろんこく因縁いんねんなどはしんぜられぬが、老女らうじよ最後さいご一言いちごん
さア、やれ、よるよ、くろづくめのきものた、るから眞面目まじめな、嚴格いかめしい老女らうぢょどの、はやをしへてたも、清淨無垢しゃうじゃうむくみさをふたけたこの勝負しょうぶける工夫くふうをしへてたも。
使ひ老女をさめしろ鷺
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
汝は誰やし老女をみなぞ、何すれど参来つると問はしければ、赤猪子まをしけらく、その年その月に天皇の命を被りて今日まで大命を仰ぎ待ちて、八十歳を経にけり、今は容姿かほすでに老いて更に恃みなし。
枕物狂 (新字旧仮名) / 川田順(著)
此中心になる大主前ウシユメイと言はれる老夫——老女アツパアを伴ふ——が時々立つて、訓戒・教導・祝福などを述べるのであります。其間に、眷属どもの芸尽しがあります。
翁の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
事實、大抵、女部屋の老女トシたちが、引つたくつて渡させなかつた。さうした文のとりつぎをする若人ワカウド—若女房—を呼びつけて、荒けなく叱つて居る事も、度々見かけられた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)