“ばば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
54.7%
祖母12.9%
婆々10.6%
馬場7.1%
7.1%
老婆1.8%
1.2%
老母0.6%
0.6%
0.6%
女房0.6%
産婆0.6%
老女0.6%
老媼0.6%
馬々0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
平生へいぜい私の処にく来るおばばさんがあって、私の母より少し年長のお婆さんで、お八重やえさんと云う人。今でもの人のかおを覚えて居る。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
……兄が台治荘たいじそう滕県城とうけんじょうで戦死してから、祖父じじ祖母ばばがあまり淋しがるので、こちらへ帰って来ましたの……もう二年になりますわ。
生霊 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
更にその際の唱えごととして「隣の婆々ばばをひった」という類の下品な言葉があり、またふふらのふんというような鼻の音の声色をはやしにしている。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
秋骨君が言う処おおいにわが意を得たものである。こはただちに移して代々木よよぎ青山あおやまの練兵場または高田たかた馬場ばば等に応用する事が出来る。
一対のばばが、背後うしろで見張るようにも思われたし、縄張の動く拍子に、矢がパッと飛んで出そうにも感じたのである。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
せわしげに老婆ばばが問うに源太かろく会釈して、まあよいわ、遠慮せずと此方こちへはいりゃれ、わざわざ夜道を拾うて来たは何ぞ急の用か、聴いてあげよう、と立ち戻れば、ハイハイ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
其れから明治廿九年乃木中将が台湾たいわん総督そうとくとなる時、母堂が渡台の御暇乞に参内さんだいして、皇后陛下の御問に対し、ばばは台湾の土にならん為、せがれ先途せんどを見届けん為に台湾にまいります
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
もう一度生きのびられるものだったら、今度こそはお老母ばばにもそむくまい、どんな孝行でもしてみせる。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お老母ばばっ、お老母っ……」
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ばばあが人の上に乗つかつてるからにやあ、このばばあめ、てつきり人を乗りまはすを知つてるにちげえねえだよ!」
旅ほどかか可愛かわゆうておもしろい事はないぞ、いまだに其頃そのころを夢に見て後での話しに、この間もばばに真夜中ごろ入歯を飛出さして笑ったぞ、コレ珠運、オイ是はたり
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
栄華をたれと共に、世も是迄これまでと思い切って後妻のちぞいもらいもせず、さるにても其子何処どこぞと種々さまざま尋ねたれどようやくそなたを里に取りたる事あるばばより、信濃しなのの方へ行かれたといううわさなりしと聞出ききいだしたるばか
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
『うちの女房ばばが、きょうは住吉の縁家までまいって留守じゃ。よしよし遺書かきおきをして参ろうか。数右衛門、暫時しばらく、失礼申すぞ』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お前の生れる時に我身おりゃ夜中よなかにこの横町よこちょう産婆ばばさんの処に迎いに行たことがある、その産婆さんは今も達者にし居る、それからお前が段々大きくなって
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
しかるに国にっては、ちょうどわがくに上方かみがたで奈良の水取みずとりといって春の初めにかえって冷ゆるごとく、暖気一たび到ってまた急に寒くなる事あり。仏国の東南部でこれを老女ばば次団太じだんだと呼ぶ。
後にはその御骨を持ちのぼりなさいました。かくて還り上られて、その老婆を召して、場所を忘れずに見ておいたことを譽めて、置目おきめ老媼ばばという名をくださいました。
『漢書』に、亀茲きゅうじ王が漢に朝し、帰国後衣望服度宮室を、漢の風に改めたが、本物通りに出来ず。外国胡人皆あざけって驢々ろろにあらず、馬々ばばにあらず、亀茲王のごときは騾という物じゃといったと見ゆ。