“可愛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かわい37.2%
かあい20.5%
かはい9.0%
かわゆ7.6%
かわ6.4%
かあ3.2%
かはゆ2.4%
いと2.0%
かは2.0%
いとし1.7%
かあゆ1.5%
めんこ1.0%
イト0.7%
かあひ0.5%
かわえ0.2%
かわひ0.2%
まがな0.2%
いたい0.2%
おかし0.2%
かあいく0.2%
かえい0.2%
かえぇ0.2%
かな0.2%
かわいい0.2%
かわいゝ0.2%
かわゆい0.2%
かわゆく0.2%
ははひ0.2%
めん0.2%
0.2%
カナ0.2%
カワイ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いつでもねこ可愛かわいがりに愛されていて、身体こそ、六尺、十九貫もありましたが、ベビイ・フェイスの、だ、ほんとに子供でした。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
それは畑のまめの木の下や、林のならの木の根もとや、また雨垂あまだれの石のかげなどに、それはそれは上手に可愛かあいらしくつくってあるのです。
カイロ団長 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
成金のお客は勿論、当の薄雲太夫にした所で、そんな事は夢にもないと思つてゐる。もつともさう思つたのも可愛かはいさうだが無理ぢやない。
南瓜 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
本のしおりに美しいといって、花簪はなかんざしの房を仕送れば、ちいさな洋服が似合うから一所に写真を取ろうといって、姉に叱られる可愛かわゆいのがあり。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
だが笑うまゆがちょっぴり下ると親の身としては何かこの子に足らぬ性分があるのではないかと、不憫ふびん可愛かわゆさが増すのだった。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
可愛かあいい芽は一日一日と育ってゆきました。青い丸爪まるづめのような葉が、日光のなかへ手をひろげたのは、それから間もないことでした。
ロミオ あゝ、彼等かれらにん、二十にんけんよりも、それ、そのそもじまなこにこそひところちからはあれ。たゞもう可愛かはゆをしてくだされ、彼等かれらにくまれうとなんいとはう。
重ねたが、真底から可愛いとしいと思われたのは、偶然にお逢いしたこの方ばかり。……それだのにこのお方死なれるのかしら?
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
われら父上も、……あの可愛かはいい妹も生きておぢやるてや。……ま白い象も棲んでおぢやるてや。嘘ぢや。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
しかも世を捨てし其人は、命を懸けて己れを戀ひし瀧口時頼。世を捨てさせし其人は、可愛いとしとは思ひながらも世の關守せきもりに隔てられて無情つれなしと見せたる己れ横笛ならんとは。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
そばには可愛かあゆちご寐姿ねすがたみゆ。ひざの上には、「無情の君よ、我れを打捨て給ふか」と、殿の御声おこゑありあり聞えて、外面そともには良人をつともどらん、更けたる月に霜さむし。
軒もる月 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そうれまんだきもべ焼けるか。こう可愛めんこがられても肝べ焼けるか。可愛めんこ獣物けだものぞいわれは。見ずに。いんまになら汝に絹の衣装べ着せてこすぞ。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
可愛イトしいおれの名は、さうだ。語り傳へる子があつた筈だ。語り傳へさせる筈の語部カタリベも、出來て居たゞらうに。——なぜか、おれの心は寂しい。空虚な感じが、しく/\と胸を刺すやうだ。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
快活くわいくわつなる水兵すいへい一群いちぐんその周圍まわり取卷とりまいて、『やあ、可愛かあひらしい少年せうねんだ、乃公おれにもせ/\。』と立騷たちさわぐ、櫻木大佐さくらぎたいさ右手めてげて
長左衞門殿どんとおさなさんが可愛かわえがって貰いイして漸々よう/\に育って、其の時名主様をしていた伊藤様へ願って、自分の子にしたがね、名前なめえが知んねいと云ったら、名主様が
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
いま身分みぶんおもしたところなんとなりまする、さき賣物買物うりものかひものかねさへ出來できたらむかしのやうに可愛かわひがつてもれませう、おもてとほつててもれる
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
私は元来動物好きで、就中なかんずく犬は大好だから、近所の犬は大抵馴染なじみだ。けれども、此様こんな繊細かぼそ可愛いたいげな声で啼くのは一疋も無い筈だから、不思議に思って、そっと夜着の中から首を出すと
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
吾妻下駄あずまげたの音は天地の寂黙せきもくを破りて、からんころんと月に響けり。渠はその音の可愛おかしさに、なおしいて響かせつつ、橋のなかば近く来たれるとき、やにわに左手ゆんでげてその高髷たかまげつか
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
されど熊は次第しだいなれ可愛かあいくなりしと語るうち、主人は微酔ほろゑひにて老夫らうふにむかひ、其熊は熊ではなかりしかと三人大ひに笑ひ、又酒をのませ盃の献酬やりとりにしばらく話消はなしきえけるゆゑしひ下回そのつぎをたづねければ
商人あきゅうどでも職人でもい男で、女の方は十九か廿歳はたちぐらいで色の白い、髪の毛の真黒まっくろな、まなこが細くって口元の可愛かえいらしいい女で、縞縮緬しまちりめんの小袖にわしイ見たことのくれえ革の羽織を着ていたから
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
わっしは、あんたがこの子を可愛かえぇがっていなさることを知ってるんで、そのことを考えていたんでさあ。
一すぢに求め求めてやまざりしわかき日のわがすがた可愛かなしも
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
「お前はどうかしてるよ。今、爰から帰って何になるぞい。自分の身体が可愛かわいいとは思わねえかよ」
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
花里あれとても素人じゃアなし、多くのお客に肌身をゆるし可愛かわいゝのすべッたのと云う娼妓だ、いくらあゝ立派な口をきゝ、飽まで己らに情をたてると云ってゝも
遮莫さもあれおれにしたところで、いとおしいもの可愛かわゆいものを残らず振棄てて、山超え川越えて三百里を此様こんなバルガリヤ三がいへ来て、餓えて、こごえて
一人の娘がアいう事に成りましたので此のを助けて連れて帰りましたが、わずか内に居ります間も誠に親切にしてまことの親子の様にして呉れまして、なんだか可愛かわゆくてなりませんで
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
八重「半治はん誠にほめえはりいよう、ほれじゃアまねえよ、ふァたい此家ほゝているに、ほめえがほんなほとをひてや親分ほやぶんまねえよ、小兼ほはねはんにひまになってへえれってえ、ほれじゃア可愛ははひほうだアへえ」
何ちゅう可愛めんげえんだべ、俺ら……
禰宜様宮田 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
」「可愛」「」「」などの諸語の「え」には衣依愛哀埃など(甲)類に属する文字を用いて延曳叡要などを用いず
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
にほどりの葛飾早稻カツシカワセをにへすとも、可愛カナしきをに立てめやも