“可愛”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
かわい37.7%
かあい19.7%
かはい8.7%
かわゆ8.2%
かわ6.2%
かあ3.4%
かはゆ2.5%
いと2.3%
いとし1.7%
かは1.7%
(他:28)7.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“可愛”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸27.4%
文学 > 日本文学 > 小説 物語6.4%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)4.7%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
ぼくをみると、鳶色とびいろひとみかがやかせ、「どうしたのホスマラア」と可愛かわいい声でさけびます。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
そして金髪のうえに細い黄金のでできたかんむりをのせているところは、全くお人形のように可愛かわいい姫君だった。
二、〇〇〇年戦争 (新字新仮名) / 海野十三(著)
先生せんせいおなじ一組クラス小児達こどもたちを三十人も四十人も一人ひとり可愛かあいがらうとするんだし
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
王様はすつかり上機嫌になつて、にこにこしてゐたが、帰り際に大きな手を出して真珠のやうな可愛かあいらしい女優の手を握つた。
あき撫擦なでさすつて、可愛かはいがつた、くろ、とねここゑ寸分すんぶんたがはぬ。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
栄蔵はお祖父ぢいさんやお祖母ばあさんや、若いお父さんお母さんに可愛かはいがられて成長した。四つになり五つになる。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
衣川ころもがわの口から渡が袈裟を得るために、どれだけ心を労したかを聞いた時、己は現にあの男を可愛かわゆく思った事さえある。
袈裟と盛遠 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
しらざりし珠運を煩悩ぼんのう深水ふかみへ導きし笑窪えくぼ憎しと云えば、可愛かわゆがられて喜ぶは浅し
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「日によると二三すんも一度に伸びる芽尖めさきがあるのでございます。草木もかうなると可愛かわゆいものでございますね」
蔦の門 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
——「おまえの可愛かわいい眼の菫、か……」そんなうろおぼえのハイネの詩の切れっぱしが私の口をふといて出る。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
母様おつかさんわたし一人可愛かあいんだから、うして、先生せんせいのいふことはわたしだますんでも
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「あたし、いま、人形におっぱいあげていますの……」と言いました。しばらくすると可愛かあ子守唄こもりうたがきこえて来ました。
人形物語 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
あれで可愛かはゆい細い声をして物柔ものやはらかに、口数くちかずすくなくつて巧いことをいふこと、恐るべきものだよ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
たゞもう可愛かはゆをしてくだされ、彼等かれらにくまれうとなんいとはう。
おゝ、ロミオどの、可愛いとしうおもうてくださるがまことなら、其通そのとほ誠實せいじつうてくだされ。
流浪から流浪、艱難から艱難、いろいろのお方とも出入りを重ねたが、真底から可愛いとしいと思われたのは、偶然にお逢いしたこの方ばかり。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
が、あれはゆきれいがあつて、小兒こども可愛いとしがつて、れてかへつたのであらうもれない。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
世を捨てさせし其人は、可愛いとしとは思ひながらも世の關守せきもりに隔てられて無情つれなしと見せたる己れ横笛ならんとは。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
春の夜や歌に更かせし小人せうじんの口元可愛かはゆきゑみをしぞ思ふ
短歌 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
われら父上も、……あの可愛かはいい妹も生きておぢやるてや。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
げるぞ六三ろくさやしき立退たちのいてれ、れもあくまで可愛かあゆ其方そち
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
姉樣ねえさま御覽ごらんれよかし、おまへめられなばれとてもうれしきものをと可愛かあゆふに
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「馬鹿だなあ」と云つて笑つた。「俺なア、俺アの畑が可愛めんこくてよ。可愛くて。畑、風邪かぜでもひかなえかと思つてな。」
防雪林 (旧字旧仮名) / 小林多喜二(著)
「んか、可愛めんこいか?——晩になったらな、遊ぶにぐってな、姉さ云って置げよ。ええか。」
不在地主 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
可愛イトしいおれの名は、さうだ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
可愛イトしいおれの名は、さうだ。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
あゝ可愛かあひさうなことをとこゑたてゝもきたきを、さしも兩親ふたおや機嫌きげんよげなるにいでかねて、けむりにまぎらす烟草たばこ二三ぷく
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
快活くわいくわつなる水兵すいへい一群いちぐんその周圍まわり取卷とりまいて、『やあ、可愛かあひらしい少年せうねんだ、乃公おれにもせ/\。』と立騷たちさわぐ、櫻木大佐さくらぎたいさ右手めてげて
けれども、此様こんな繊細かぼそ可愛いたいげな声で啼くのは一疋も無い筈だから、不思議に思って、そっと夜着の中から首を出すと、
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
渠はその音の可愛おかしさに、なおしいて響かせつつ、橋のなかば近く来たれるとき、やにわに左手ゆんでげてその高髷たかまげつかみ、
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
されど熊は次第しだいなれ可愛かあいくなりしと語るうち、主人は微酔ほろゑひにて老夫らうふにむかひ、其熊は熊ではなかりしかと三人大ひに笑ひ
商人あきゅうどでも職人でもい男で、女の方は十九か廿歳はたちぐらいで色の白い、髪の毛の真黒まっくろな、まなこが細くって口元の可愛かえいらしいい女で
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
わっしは、あんたがこの子を可愛かえぇがっていなさることを知ってるんで、そのことを考えていたんでさあ。わっしらはみんなあんたの御親切をほんとに有難く思っていますし、御覧の通りにあんたを信用していて、薬を酒みてえに飲んでます。で、わっしはこうしたらみんなに都合がいいだろうと思うんですがねえ。
一すぢに求め求めてやまざりしわかき日のわがすがた可愛かなしも
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
そうだ、長左衞門殿どんとおさなさんが可愛かわえがって貰いイして漸々よう/\に育って、其の時名主様をしていた伊藤様へ願って、自分の子にしたがね、名前なめえが知んねいと云ったら、名主様が
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
めえ達二人の丹誠で命を助けたのだから二助としろと云わしゃった、何がさて名主様が命名親なつけおやだんべい、サア村の者が可愛かわえがるめいことか、外へでも抱いて出ると、手から手渡しで、村境むらざかいまで行ってしまう始末さ
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
さき賣物買物うりものかひものかねさへ出來できたらむかしのやうに可愛かわひがつてもれませう、おもてとほつててもれる
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
こんな可愛かわひものさへあるに、あのやうなたぬきわすれられぬはなん因果ゐんぐわかとむねなかかきまわされるやうなるに、れながら未練みれんものめとしかりつけて
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
遮莫さもあれおれにしたところで、いとおしいもの可愛かわゆいものを残らず振棄てて、山超え川越えて三百里を此様こんなバルガリヤ三がいへ来て、餓えて、こごえて
一人の娘がアいう事に成りましたので此のを助けて連れて帰りましたが、わずか内に居ります間も誠に親切にしてまことの親子の様にして呉れまして、なんだか可愛かわゆくてなりませんで、是もなんぞの縁でございましょうから
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
八重「半治はん誠にほめえはりいよう、ほれじゃアまねえよ、ふァたい此家ほゝているに、ほめえがほんなほとをひてや親分ほやぶんまねえよ、小兼ほはねはんにひまになってへえれってえ、ほれじゃア可愛ははひほうだアへえ」
何ちゅう可愛めんげえんだべ、俺ら……
禰宜様宮田 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
のような文字を用いているが、奈良朝においては、これらは無差別に用いられているのではなく、「」「可愛」「」「」などの諸語の「え」には衣依愛哀埃など(甲)類に属する文字を用いて延曳叡要などを用いず
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
にほどりの葛飾早稻カツシカワセをにへすとも、可愛カナしきをに立てめやも