“御声”のいろいろな読み方と例文
旧字:御聲
読み方割合
みこえ44.4%
おんこえ16.7%
おこえ16.7%
おんこゑ11.1%
おこゑ5.6%
みこゑ5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ばばの唱える観音経かんのんぎょうの声がそこにする。ばばの眼や耳には、お通の声も姿もなかった。ただ、観音が見える。菩薩ぼさつ御声みこえが聞えている。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
頼春は忽然数年前に、日野資朝すけとも卿の別館の夜の後苑でその御方おんかたの、御姿おんすがた御声おんこえとに接しまつった事を、まざまざと脳裡に映し出した。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
うやうやしくあたまげているわたくしみみには、やがて神様かみさま御声おこえ凛々りんりんひびいてまいりました。それは大体だいたいのような意味いみのお訓示さとしでございました。
今もし此処こゝにおはしまして、れいかたじけなき御詞おことばの数々、さては恨みに憎くみのそひて御声おんこゑあらく、さては勿躰もつたいなき御命おいのちいまを限りとの給ふとも、我れはこのの動かん物か、この胸の騒がんものか。
軒もる月 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そばには可愛かあゆちご寐姿ねすがたみゆ。ひざの上には、「無情の君よ、我れを打捨て給ふか」と、殿の御声おこゑありあり聞えて、外面そともには良人をつともどらん、更けたる月に霜さむし。
軒もる月 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)