“左”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
50.8%
ひだり34.8%
7.1%
ひだ3.1%
1.8%
かく0.9%
どう0.3%
0.3%
おい0.3%
0.3%
そう0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もとよりまとまった話の筋を読ませる普通の小説ではないから、どこで切って一冊としても興味の上においしたる影響のあろうはずがない。
火事くわじをみて、火事くわじのことを、あゝ火事くわじく、火事くわじく、とさけぶなり。彌次馬やじうまけながら、たがひこゑはせて、ひだりひだりひだりひだり
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
く紅葉の政治的才幹が硯友社を結束し、美妙が忽ちそむいて孤立したのが二者の成功を著るしく懸隔さした一つの原因であった。
仕方がない、何でもよいから食物くいもののある所まであるこうと決心をしてそろりそろりと池をひだりに廻り始めた。どうも非常に苦しい。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それ故、マテニは、わたしの睡りぐせを全く現実にしてくれるので、あるいはういう点からも好きになっているのかも知れない。
ヒッポドロム (新字新仮名) / 室生犀星(著)
ほとんかんふくめぬばかり諄々じゅん/\説諭ときさとすに罪人は心の中に得も云えぬ苦しみを感じせんかかく答えんかと独り胸の中に闘いて言葉には得出えいださぬ如く
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
『あゝ、どうにかかうにか間に合せて置いた。二級懸持ちといふやつは巧くいかないものでねえ。』と言つて、銀之助はしんから出たやうに笑つて、『時に、君は奈何どうする。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
の嶂壁の下に沿うて登る、この雪が終ると、峡谷が四岐する、向って左から二番目がよい、午前十時五十分、約二千八百四十米突の山脊つく。
穂高岳槍ヶ岳縦走記 (新字新仮名) / 鵜殿正雄(著)
定め其處よ彼處かしこと思へ共つひに其日は捨兼て同じ宿なる棒端ぼうばな境屋さかひやと云旅籠屋はたごやに一宿なして明の朝此所の旅店やどやを立出て人の往來ゆきゝの無中にすてなんとおいつ其場所がらを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
旅人が馬を水城みずき(貯水池の大きな堤)にめて、皆と別を惜しんだ時に、児島は、「おほならばむをかしこみと振りたき袖をしぬびてあるかも」(巻六・九六五)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
先の頃始終指なんかをはらしてた頃はそうまででなかったけれど今日は大変こわかった。