“おい”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:オイ
語句割合
28.6%
26.4%
13.5%
美味7.6%
5.3%
4.3%
御出3.1%
2.5%
1.5%
1.0%
0.7%
0.6%
0.5%
0.4%
甘味0.4%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.2%
0.2%
可味0.1%
0.1%
0.1%
叔父0.1%
0.1%
小父0.1%
0.1%
御結0.1%
御言0.1%
甘美0.1%
紙覆0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
車蓋0.1%
追銭0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「——そのうえ店のこと万端取仕切っているおいの吉三郎さんが、大坂へ商売用で行っているとかで、迎えの飛脚を出す騒ぎでしたよ」
悪妻に一般的な型などあるべきものではなく、いな、男女関係のすべてにおいて型はない。個性と個性の相対的な加減乗除があるだけだ。
悪妻論 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
つまをおさいといひ、俳名を翠仙すゐせんといふ、夫婦ともに俳諧をよく文雅ぶんがこのめり。此柏筵はくえんが日記のやうに書残かきのこしたるおいたのしみといふ随筆ずゐひつあり。
少しおつまみなさいませんか、精進は心のもので、かたちにとらわれるばかりでも供養にはならないものです、ちょっと美味おいしいですよ
新潮記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
仕方がないからおいらは海へ飛び込んじゃった、海へ飛びこんでね、時々頭をぽかりぽかりと出して様子を見ながら泳いでいたんだよ。
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
秋雨あきさめいて箱根はこねの旧道をくだる。おいたいらの茶店に休むと、神崎与五郎かんざきよごろう博労ばくろう丑五郎うしごろうわび証文をかいた故蹟という立て札がみえる。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
安政五年という年は如何いかなる年であるか、この年は「タウンセント・ハリス」、即ち此処ここにも亜米利加アメリカ合衆国の代表者が御出おいでになるが
ナゼこんなに硬いだろうと聞きますと肉が新しいからだと申します。それならばと食頃たべごろの日までおいてみてもやっぱり硬くっていけません。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
おいらのふのはよめさんのことさ、年寄としよりはどうでもいとあるに、れは大失敗おほしくじりだねとふでやの女房にようぼうおもしろづくに御機嫌ごきげんりぬ。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
と両手を差伸さしのべれば、お嬢様は恥かしいのが一杯なれば、目もくらみ、見当違いのところへ水を掛けておりますから、新三郎の手も彼方此方あちらこちらおいかけてようよう手を洗い
文政十年七月のすえに、おいの家の板のからちて怪我けがをして、当時流行した接骨家元大坂町もとおおさかちょう名倉弥次兵衛なぐらやじべえに診察してもらうと、名倉がこういったそうである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「えゝ/\、夫れは本当においしいのよ。これから谷川へ行つて、うんと捕つて来てあげるから、此所ここ温順おとなしく待つておいで。」
熊と猪 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
筆をおいて中途に止めてしまうことも幾度あるか知れぬ、読者諸君、『竹の里人選歌』の三分の一というものは以上のごとき状況によって選ばれたものである、先生なお長らえておられたらば
竹乃里人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
一同は早速水茶屋の床几をはなれ、ここにもおい茂る老樹のかげに風流な柴垣を結廻ゆいめぐらした菜飯茶屋の柴折門しおりもんをくぐった。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
我々のは恥かしくて何貫目ありますなどと人様には云えませんよ、たいてい贅沢もし甘味おいしいものも食べてみるんだが、たちでしょう、一向効果がありません。
糞尿譚 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
いまびたからとて甲斐かひはなしと覺悟かくごして、太吉たきち太吉たきちそばんで、おまへとゝさんのそばかゝさんと何處どちらい、ふてろとはれて、おいらはおとつさんはきら
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
お母さんがよくこしらえてくだすったあのおいしいプディング——That sweet pudding mother used to make——という言葉を夫の口から聞くことは
字で書いた漫画 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
「武器は、一纏ひとまとめに、荷駄として、おいを着せ、要所へ先へ送っておく。そして人間のみを後から配置すればよかろう」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もっとも滑稽物や何かで帽子を飛ばして町内中おいかけて行くと云ったような仕草しぐさは、ただそのままのおかしみで子供だって見ていさえすれば分りますから質問の出る訳もありませんが、人情物
中味と形式 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
へやの中は夕暮よりもなお暗い光で照らされていた。天井から下がっている電気灯のたま黒布くろぬの隙間すきまなくおいがしてあった。弱い光りはこの黒布の目をれて、かすかに八畳の室を射た。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
また、彼が仕出のときには、牛車のまわりを蜂が金色こんじき後光ごこうになって飛び巡って行く。彼が『帰れ』といえば帰り『止まれ』といえば車のおいひさしに止まった。
美しい日本の歴史 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「泊つて行きなはるか。……久し振りや、阿母おかあさんの乳汁ちゝ可味おいしおますで。」と千代松は微笑みつゝ言つて、背後うしろすくんでゐる竹丸を母の前へ引き出さうとした。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
「定はん貰ひや、大阪の土産やで。可味おいしいもんやろ。……飴……猫の糞(菓子の名)……羊羹……。」
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
「腕力于今猶健在。一揮千紙未為難。」〔腕力今ニおいテ猶健在ナリ/ひとタビ揮ヘバ千紙モ未ダ難シト為サズ〕との意気を示していた。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「あははは、おいらの方言なまりでな、つまり天狗岩の事だ。御存じだんべえが」
天狗岩の殺人魔 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
叔父おいちゃん。」と幸子は真似た。
御身 (新字新仮名) / 横光利一(著)
『では、貴君きくんは、しやおい日出雄少年ひでをせうねん安否あんぴを——。』とひかけて、いそ艦尾かんびなる濱島武文はまじまたけぶみ春枝夫人はるえふじんとにひとみうつすと、彼方かなた二人ふたりたちまわたくし姿すがた見付みつけた。
小父おい様! 今日はなんだな」と新蔵に聞いた。
夏蚕時 (新字旧仮名) / 金田千鶴(著)
定め其處よ彼處かしこと思へ共つひに其日は捨兼て同じ宿なる棒端ぼうばな境屋さかひやと云旅籠屋はたごやに一宿なして明の朝此所の旅店やどやを立出て人の往來ゆきゝの無中にすてなんとおいつ其場所がらを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
母は御結おいいよ久しぶりにといざなった。髪結かみいは是非御上げ遊ばせな、私始めて御髪おぐしを拝見した時から束髪そくはつにしていらっしゃるのはもったいないと思っとりましたとさもいたそうな口ぶりを見せた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
我々一同に対してあなたはたての一面を示される義務があります。何卒どうぞ独得の真摯しんしと気力とをもてあなたの御言おいぶんをお述べ下さい。我々一同其一日も早く出版されんことを待って居る者であります。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
若し生きてをられたらどんなに甘美おいしいジャムやコンポットが沢山に出来た事でせう! 而して母もこの野菜畑をどんなに喜ばれたでせう。
松明たいまつのほかに、脂燭ししょくの用意もしてありましょうな。裸火にしては持ち歩けぬゆえ、消えぬよう、明りに紙覆おいをかけて、嫁君のお家まで持ってゆく。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
○そも/\我国の垂氷つらゝをいはんに、しばらおいてまづいへ氷柱つらゝをいはん。
みんなのくれた玩具おもちゃも足や頭の所へ押し込んだ。最後に南無阿弥陀仏の短冊たんざくを雪のように振りかけた上へふたをして、白綸子しろりんずおいをした。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その喪車の周囲ぐるりに垂れた黒い幕が揺れるたびに、白綸子しろりんずおいをした小さな棺の上に飾った花環がちらちら見えた。そこいらに遊んでいた子供がけ寄って来て、珍らしそうに車をのぞき込んだ。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もう、十八公麿の車は、炎々と紅蓮ぐれんを上げて、燃えているのだ。わだちも、車蓋おいも。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どうしても金子かねを出すのがいやならねえ、こうしようじゃないか、僕はこの紙腔琴シャルマンカと、それから死んだ農奴をありったけ君にやるから、君はあの半蓋馬車ブリーチカに三百ルーブリだけ追銭おい
旧約ヨブ記第十八章第十四節、「やがて彼はそのたのめる天幕より曳離ひきはなされて懼怖の王のもとおいやられん」
落穴と振子 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)