“美味”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うま53.9%
おい20.5%
おいし9.0%
いし4.5%
びみ3.7%
うめ2.8%
1.1%
おいしゅ0.8%
うも0.8%
いしい0.6%
あじ0.3%
いしゅ0.3%
うまい0.3%
うまく0.3%
うまみ0.3%
よきあじ0.3%
よきあぢ0.3%
んま0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
十月になると山鳥だのつぐみだのがうんとこさ獲れるんだよ、そのまた美味うまいったら、……三度三度、あたしゃ幾日食べても飽きないね。
契りきぬ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
それをよく洗って一旦いったん美味おいしく下煮をしてそのつゆへ醤油と味淋と水とを加えてお釜の底へ煮た松茸を入れて御飯をその汁で炊きます。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
鰯をそのままよく水を切ってバターでジリジリとげても結構です。摺身すりみにして一旦いったん油で揚げたものをまた美味おいしく煮るのもあります。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
美味いし冷水おひやを何杯も何杯も御馳走ごちそうして下すった上に、妾の話をスッカリ聞いて下すって、色んな事を云って聞かせて下すったのよ。
狂人は笑う (新字新仮名) / 夢野久作(著)
しかるにケーポンは施術後一年かあるいは十五か月位に至ってもっと美味びみな肉になるのでその点だけでも養鶏家には非常の利益がある。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「そうよ、これからだ。かかあに死なれてからというもの、お松の奴アまだからっきし子供だしよ、美味うめえ飯なんぞ喰ったこたあねえ」
旗岡巡査 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「でもあなたのお世話がわたしうれしいのよ。帰りもお早く帰って来てね。いいこと。晩にはまた何かお美味しいものを考えて待ってますわ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
出す時には骨付のまま皿へ盛ってパンの小さく切ったのをフライして周囲まわりへ置きますが尾の肉が柔くなってなかなか美味おいしゅうございます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「坊主のくれる水では美味うもうない。どこぞの、流れへ行って、活きたような水を一ぱいもって来い。のどが渇いた」
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『あの月をながめて酒をのんだらお美味いしいからな』
小熊秀雄全集-15:小説 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
その懊悩おうのう無聊ぶりょうは、いつぞやの酒の美味あじを思い出さして、侍女こしもとのすすめる儘に、近頃は二合、三合と酒の手を上げて、五、六合も過ごした夜でも、ほろりとなったくらいにしか覚えなかった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうすると段々粘って固ってのりのようになります。それをスープ皿へ盛って牛乳とお砂糖をかけて食べます。どんなにお美味いしゅうございましょう。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
不味まずい物ばかり食っていると、肉放れがして痩せてしまう。美味うまい物を食え美味物を」
岷山の隠士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
余り加えたものより少く加えたもの、少く加えたものより全く加えないもの、結局、自然の味そのものが美味うまくなってしまう。芋や大根なども、煮たり焼いたりするより、生のままの方がどのくらい、よい味か知れない
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
桂は一度西国立志編の美味うまみを知って以後は、何度この書を読んだかしれない、ほとんど暗誦するほど熟読したらしい、そして今日といえどもつねにこれを座右ざゆうに置いている。
非凡なる凡人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
平生へいぜい食し習わぬ珍らしき物をきっして非常に美味よきあじを感ずる事あり。また以前好まざりし物を喫してにわかにその味を好むようになる事あり。それらは食物が成分の不足を教えたるなり。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
奢をほしいままにせば熊掌ゆうしやうの炙りものもくらふに美味よきあぢならじ、足るに任すれば鳥足てうそくの繕したるも纏ふに佳衣よききぬなり、ましてやつたのからめる窓をも捨てゞ月我をとむらひ、松たてる軒に来つては風我に戯る
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
バナナ美味んまいんで。んまい、んまいんで。おもちゃも買うて、えいもんも買うていんま戻ってくるんで。
大根の葉 (新字新仮名) / 壺井栄(著)