美味あじ)” の例文
その懊悩おうのう無聊ぶりょうは、いつぞやの酒の美味あじを思い出さして、侍女こしもとのすすめる儘に、近頃は二合、三合と酒の手を上げて、五、六合も過ごした夜でも、ほろりとなったくらいにしか覚えなかった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)