“あじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アジ
語句割合
48.9%
26.1%
10.9%
安治3.3%
上手2.2%
唖児2.2%
按司1.1%
塩味1.1%
亜字1.1%
感触1.1%
美味1.1%
陰影1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたくしはだんだんそんなふうかんずるようになったのでございます。いずれ、あなたがたにも、そのあじがやがておわかりになるときまいります……。
それから一般には春の乗込み鮒、鯉、やがて初夏のキス、真夏のあじ、秋のボラ、アナゴ、秋には又紅葉鮒とも云つて洒落たものとしてゐた。
日本の釣技 (新字旧仮名) / 佐藤惣之助(著)
もろあじの開き、うるめいわしの目刺など持ちましては、飲代のみしろにいたしますが、その時はお前様、村のもとの庄屋様、代々長者の鶴谷つるや喜十郎様
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
堺の港や安治あじ川尻などの海面を望めば、石を積んだ数百隻の石船が、満々と帆を揃えて入って来る。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
玉野は上手あじる。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
天下に極めて無言なる者あり、山岳之なり、然れども彼は絶大の雄弁家なり、し言の有無を以て弁の有無を争はゞ、すべての自然は極めてあはれむべき唖児あじなるべし。
人生に相渉るとは何の謂ぞ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
ひとり全土を統一した最高の王者のみと言わず、島々のかはらすなわち頭、一地に割拠した大小の按司あじぬしもまたテダであった。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
彼らの祭り歌も舞の曲も、一切のニルヤセヂを挙げて、按司あじまた按司あじ、すなわち君主に奉献せしめよと、高唱せぬものはなかったのである。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
別にただの御飯へ塩味あじを付けて炊いて火を引く時今の紫蘇の手でんだものを早くかまの中へ入れておひつへ移す時杓子しゃくしでよく混ぜます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
第十三 里芋飯 は里芋を小さく切って米一升に里芋三合の割で塩味あじを付けてただの御飯の通りに炊きます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
したがって模様としては万字繋まんじつなぎは「いき」ではない。亜字あじ模様に至ってはますます複雑である。
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
三日の夕食に食べたあんころ餅はたまらなかった。饀は甘く、餅は出来たてでやわらかく、歯で噛む感触あじはたまらなかった。
その人 (新字新仮名) / 小山清(著)
その懊悩おうのう無聊ぶりょうは、いつぞやの酒の美味あじを思い出さして、侍女こしもとのすすめる儘に、近頃は二合、三合と酒の手を上げて、五、六合も過ごした夜でも、ほろりとなったくらいにしか覚えなかった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ようやく陰影あじが深まりまことの名人の境地に達してきた圓朝は、やや額が抜け上がり、四十四歳の男ざかり、別人のように落ち着きができてきていた。
円朝花火 (新字新仮名) / 正岡容(著)