“懊悩”のいろいろな読み方と例文
旧字:懊惱
読み方(ふりがな)割合
おうのう90.8%
あうなう2.8%
うるさ2.1%
なやみ2.1%
なやま0.7%
もどか0.7%
やきやき0.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“懊悩”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語13.5%
文学 > 日本文学 > 小説 物語2.6%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆0.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
しかし、もう好い加減に忘れてくれたかと思う時分には、復た彼女から手紙が来て、その度に岸本は懊悩おうのうを増して行った。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
これだけがせいいっぱいの、私のいまの生きかたなのです、そしてこの頃の私は、火のような懊悩おうのうが、心を焼いている。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
謝せよ、新夫婦に感謝せよ、渠等は社会に対する義務のために懊悩あうなう不快なるあまたの繋累けいるゐに束縛されむとす。
愛と婚姻 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
丑松が胸の中に戦ふ懊悩あうなうを感ずれば感ずる程、余計に他界そとの自然は活々いき/\として、身にみるやうに思はるゝ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
お見舞に出なければ済まないと考へまする訳がございますからで、その実、上りますれば、間さんはかへつて私の伺ふのを懊悩うるさ思召おぼしめしてゐらつしやるのですから
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
その懊悩うるささに堪えざれば、手を以て去れと命ずれど、いっかな鼻は引込ひっこまさぬより、老媼はじれてやっきとなり、手にしたる針のさきを鼻の天窓あたまに突立てぬ。
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
独身でいる曾根の懊悩なやみは、何とも名のつけようの無いもので有った。彼女は医者の言葉をすら頼めないという語気で話した。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「願くはわが憤恨いきどおりはかられ、わが懊悩なやみのこれと向いて天秤はかりにかけられんことを」というは、友の観察の浅きを責めし語である。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
幸作夫婦が始めようとする新しい生活、ドシドシやって来る鉄道、どれもこれもお種の懊悩なやましい神経を刺戟しげきしないものは無かった。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
別居さしてある理由などに、疑いを抱いているらしい懊悩もどかしさが、黙っている室の目に現われていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
そののちこうして硝子戸を開かなくしたことなどを思い合わしても女には私のことにぷっつり気がなくなってしまったのではなかろうか? 何とかしてこちらの懊悩やきやきしている胸の中を立ち割ったようにして見せたいものだ。
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)