“懊悩”のいろいろな読み方と例文
旧字:懊惱
読み方割合
おうのう91.0%
うるさ2.6%
あうなう2.6%
なやみ1.9%
なやま0.6%
もどか0.6%
やきやき0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何かの場合ごとに今日の夫人の懊悩する心の端は見えても、さりげなくおさえている心持ちに院は感謝しておいでになるのであった。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
その懊悩さに堪えざれば、手を以て去れと命ずれど、いっかな鼻は引込まさぬより、老媼はじれてやっきとなり、手にしたる針のを鼻の天窓に突立てぬ。
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
丑松が胸の中に戦ふ懊悩を感ずれば感ずる程、余計に他界の自然は活々として、身にみるやうに思はるゝ。南の空には星一つれた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「願くはわが憤恨られ、わが懊悩のこれと向いて天秤にかけられんことを」というは、友の観察の浅きを責めし語である。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
幸作夫婦が始めようとする新しい生活、ドシドシやって来る鉄道、どれもこれもお種の懊悩しい神経を刺戟しないものは無かった。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
差し向いにいてもあまり口数をきかぬお今の様子が、室の心を一層いらいらさせた。別居さしてある理由などに、疑いを抱いているらしい懊悩しさが、黙っている室の目に現われていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
思い合わしても女には私のことにぷっつり気がなくなってしまったのではなかろうか? 何とかしてこちらの懊悩している胸の中を立ち割ったようにして見せたいものだ。
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)