“尖”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
とが56.4%
さき32.1%
4.7%
とん2.2%
とんが1.7%
せん0.4%
とがり0.4%
0.3%
するど0.3%
0.3%
(他:8)1.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“尖”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語13.6%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)5.3%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行4.9%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
そのときにわかにむこうから、黒いとがった弾丸だんがんのぼって、まっ先きの雁のむねました。
雁の童子 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
馬は泡を吹いた口を咽喉のどりつけて、とがった耳を前に立てたが、いきなり前足をそろえてもろに飛び出した。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
紳士がインバネスの小脇こわきに抱え直したステッキのさきで弾かれるのを危がりながら、後に細身の青年がいていた。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
もたがまちの角の花壺はなつぼのねむり草が、しょうことなしに、葉のまぶたさきの方から合せかけて来た。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
まんは口をげるようにしてげだらけの炉縁ろぶちへ、煙管きせるたたきつけるようにしていった。
手品 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
細君が「へえ」と驚くもなく、このたびは拳骨を裏側へ入れてうんと突ッ張るとかまの頭がぽかりとんがる。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
廊下で喧嘩けんかをしている、とんがった新造しんぞの声かと思って、目がさめると、それが隣りの婆さんであった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
これが伯父さんの先生でも有ろうものなら、口をとんがらかして、「もッと手廻てまわしして早うせにゃ不好いかん!」と来る所だ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そして眼には、大きな黒い眼鏡をかけ、いままで崩れた土塊をおこしていたらしく、右手には長い金属製のとんがづえをもっていた。
○○獣 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「移るものなら、もうとっくに移っていますよ。今から用心したって追っつきゃしない。」お庄はとんがったようなその顔を、まじまじ眺めていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
曹洪そうこうの配下で晏明という部将がこれへきた先頭であった。晏明はよく三せん両刃りょうじんの怪剣を使うといわれている。今や趙雲のすがたを目前に見るやいな、それをふるって、
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして側には一りの弓を立て、腰には両刃りょうばせんの八環刀かんとういて、久しぶりな闘争の発汗に会ったためか酒の色か、いかにもこころよげな眉宇びうに見える。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小さな青い鳥が左側のいわとがりにとまって、く、く、くと耳にみるように鳴いた。
悪僧 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
年増の頬は道夫の頬にくっついていた。道夫はうつらうつらとしていた。そして、しばらねむったようになっていた道夫は、とがりのある女の声を聞いた。
馬の顔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
鼻のきが光るので砂をつけて、帰ってから叱られるのをゴマ化していた。
光り合ういのち (新字新仮名) / 倉田百三(著)
香ばしい乾草の匂いがユングフラウを中心に、地平線の上へ指のきを並べたようなアルプス連山をサフラン色に染めて行く景色を、はっきりと脳裡に感じながら、新吉はだん/\意識を取戻して行った。
巴里祭 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ならべるつのするどにして、冬枯れの森のこずえに異ならず、くろがねの牙上下にちごふて、紅の舌ほのおを吐くかと怪しまる
稜角のするどい破片岩の露出が尾根を「窓」状にっている場所も二、三ヶ所あった。
利根川水源地の山々 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
ひしひしとしみみ立てたれ竹のは突きぬけて寒し竝倉の上に (二八九頁)
文庫版『雀の卵』覚書 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
竹屋の空春は浅みか一羽の鳥さむざむとかける竹のうへ
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
が、おなじ複雑でも当代のトガつた生活情調は、さうした修辞法では表されない。
梢のトガつたカヘの木の森。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
従七位は、白痴ばかの毒気を避けるがごとく、しゃくを廻して、二つ三つ這奴しゃつの鼻のささを払いながら、
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
葉縁にはするどき細鋸歯がならんでしごけばよく手を切る事は人の知っている通りである。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
「本たうですとも。お調べになつてごらんなさい。」三毛猫が口をとがらせて云ひました。
猫の事務所 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
やあ、僕の理想は多角形で光沢があるの、やあ、僕の神経はきりの様にとンがって来たから、是で一つ神秘の門をつッいて見るつもりだのと、其様そんな事ばかり言う。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
あのほそい神経の持ち主が、ここまで来ればもう一寸やそっとでは、此の三角形の脅迫観念から退れることはできまいという事も思い合わせることが出来ました。
三角形の恐怖 (新字新仮名) / 海野十三(著)
今日旗の竿サキにつく金のタマや、五月幟の籠玉の源になる髯籠ヒゲコ(髯籠の話参照)の筋を引いた物に相違ないのである。
幣束から旗さし物へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
さすれば、十二旒の阿礼幡を元は、一本の竿頭から長く垂れたあまたの染め木綿ユフが、十二本の柄のサキに別れる様になつたと考へるのは順当な想像であらう。
幣束から旗さし物へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)