“尖”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とが56.2%
さき32.1%
5.0%
とん2.2%
とんが1.6%
せん0.4%
とがり0.4%
0.3%
するど0.3%
0.3%
トガ0.3%
サキ0.1%
ささ0.1%
さわ0.1%
する0.1%
とがら0.1%
とン0.1%
ほそ0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「どうしてそんな手間をかけるんでしょう」とおかねは厚い唇をとがらせた、「もともとばかで強情なんだから、云い聞かせたってむだなんですがね」
しかし法華経ほけきょう信者の母は妻の言葉も聞えないように、悪い熱をさますつもりか、一生懸命に口をとがらせ、ふうふう多加志の頭を吹いた。
子供の病気:一游亭に (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ひさしを長く突出つきだした低いがっしりした二階家では窓から座敷ざしきに積まれているらしいまゆの山のさきが白くのぞかれた。
みちのく (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
町の病院で、二月以上煩ったが、凍傷のために、足の指二本、鼻のさきが少々、とれた、そげた、欠けた、はて何といおう、もげたと言おう、もげた。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
二人は同時に素早く前後左右を見まわした。万平が材木の間から耳をんがらして聞いているとも知らずに、頬をスリ寄せて何かヒソヒソと話し初めた。
芝居狂冒険 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それは蝸牛性的思想病革命的神経衰弱とでも名をつくべき性質のものであって、仕事は運ばず、神経だけぎって、何かしら革命的に行きたい病気である。
空中征服 (新字新仮名) / 賀川豊彦(著)
これが伯父さんの先生でも有ろうものなら、口をとんがらかして、「もッと手廻てまわしして早うせにゃ不好いかん!」と来る所だ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
まだ生々いきいきとしている小さな金壺眼かなつぼまなこは、まるで二十日鼠はつかねずみが暗い穴からとんがった鼻面はなを突き出して、耳をそばだてたり
「移るものなら、もうとっくに移っていますよ。今から用心したって追っつきゃしない。」お庄はとんがったようなその顔を、まじまじ眺めていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
其のとんがつたあぎとのあたりを、すら/\となびいて通る、綿わたの筋のかすかに白きさへ、やがてしもになりさうなつめたい雨。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
曹洪そうこうの配下で晏明という部将がこれへきた先頭であった。晏明はよく三せん両刃りょうじんの怪剣を使うといわれている。今や趙雲のすがたを目前に見るやいな、それをふるって、
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
当時流行のせんたん花ガスは、花のかたちをした鉄の輪の器具の上で、丁度現今いま、台所用のガス焜炉こんろのような具合に、青紫の火を吐いて、美観を添え、見物をおったまげさせていたのだ。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
年増の頬は道夫の頬にくっついていた。道夫はうつらうつらとしていた。そして、しばらねむったようになっていた道夫は、とがりのある女の声を聞いた。
馬の顔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
(くひありてつゞのすゑをもくゝしおく)此つゞの作りやうは竹を簀にあみてすゑをばくゝし、鮏の入るべき口の方には竹のとがりを作りかけてあごをなし、地につく方はひらめ上は丸くし、どうには彭張ふくらみあり、長さは五尺ばかり也。
香ばしい乾草の匂いがユングフラウを中心に、地平線の上へ指のきを並べたようなアルプス連山をサフラン色に染めて行く景色を、はっきりと脳裡に感じながら、新吉はだん/\意識を取戻して行った。
巴里祭 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
鼻のきが光るので砂をつけて、帰ってから叱られるのをゴマ化していた。
光り合ういのち (新字新仮名) / 倉田百三(著)
ならべるつのするどにして、冬枯れの森のこずえに異ならず、くろがねの牙上下にちごふて、紅の舌ほのおを吐くかと怪しまる
稜角のするどい破片岩の露出が尾根を「窓」状にっている場所も二、三ヶ所あった。
利根川水源地の山々 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
ひしひしとしみみ立てたれ竹のは突きぬけて寒し竝倉の上に (二八九頁)
文庫版『雀の卵』覚書 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
竹屋の空春は浅みか一羽の鳥さむざむとかける竹のうへ
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
が、おなじ複雑でも当代のトガつた生活情調は、さうした修辞法では表されない。
梢のトガつたカヘの木の森。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
さすれば、十二旒の阿礼幡を元は、一本の竿頭から長く垂れたあまたの染め木綿ユフが、十二本の柄のサキに別れる様になつたと考へるのは順当な想像であらう。
幣束から旗さし物へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
今日旗の竿サキにつく金のタマや、五月幟の籠玉の源になる髯籠ヒゲコ(髯籠の話参照)の筋を引いた物に相違ないのである。
幣束から旗さし物へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
従七位は、白痴ばかの毒気を避けるがごとく、しゃくを廻して、二つ三つ這奴しゃつの鼻のささを払いながら、
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一寸医刀のさきさわると身体を動かす。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
葉縁にはするどき細鋸歯がならんでしごけばよく手を切る事は人の知っている通りである。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
「本たうですとも。お調べになつてごらんなさい。」三毛猫が口をとがらせて云ひました。
猫の事務所 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
やあ、僕の理想は多角形で光沢があるの、やあ、僕の神経はきりの様にとンがって来たから、是で一つ神秘の門をつッいて見るつもりだのと、其様そんな事ばかり言う。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
あのほそい神経の持ち主が、ここまで来ればもう一寸やそっとでは、此の三角形の脅迫観念から退れることはできまいという事も思い合わせることが出来ました。
三角形の恐怖 (新字新仮名) / 海野十三(著)