とがり)” の例文
背後うしろの方で老宰相のあえぎあえぎ云うのが聞えた。小さな青い鳥が左側のいわとがりにとまって、く、く、くと耳にみるように鳴いた。李張の眼がそれに往った。
悪僧 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
(くひありてつゞのすゑをもくゝしおく)此つゞの作りやうは竹を簀にあみてすゑをばくゝし、鮏の入るべき口の方には竹のとがりを作りかけてあごをなし、地につく方はひらめ上は丸くし、どうには彭張ふくらみあり
そして、しばらねむったようになっていた道夫は、とがりのある女の声を聞いた。
馬の顔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)