“切尖”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きっさき96.2%
きつさき3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「それから取っ組み合いが始まったが、恐ろしく強い野郎で、その上匕首あいくちを持ってやがる。切尖きっさきけるはずみに、鼠坂ねずみざか逆落さかおとしだ」
こんな独り言を云いながら、敬虔けいけんに短刀を抜いてみた。恐らくあげ物というやつだろう、つばから切尖きっさきまでのバランスがとれていない。
長屋天一坊 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
わが切尖きつさきにかゝりて板の間へ落ちころめけば、和尚悪獣の如き悲鳴を揚げ、方丈のかたへ逃げ行かむとするに、の若衆、隔ての障子を物蔭より詰めやしたりけむ。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
あかりで見ると、倒れてゐるのは三十五六の浪人者で(後でそれは福井町に住んでゐる城彈三郎と知れましたが)脇差で左の胸を深々と刺され、切尖きつさきが白々と背に突き拔けたまゝ