“きっさき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
切尖42.0%
切先22.7%
刀尖5.0%
斬尖3.4%
3.4%
鋩子3.4%
尖先2.5%
尖端1.7%
鋒尖1.7%
斬先0.8%
刃尖0.8%
剣先0.8%
剪尖0.8%
尖刀0.8%
尖頭0.8%
芒尖0.8%
0.8%
鉾子先0.8%
鉾子尖0.8%
鋒子先0.8%
鋒止先0.8%
0.8%
鋩先0.8%
鋩子先0.8%
鋩子尖0.8%
鋭鋒0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こんな独り言を云いながら、敬虔けいけんに短刀を抜いてみた。恐らくあげ物というやつだろう、つばから切尖きっさきまでのバランスがとれていない。
長屋天一坊 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
直衛は座をすべり、懐紙を口にくわえて、静かに刀を抜いた。さやを左に置き、刀を垂直に立ててその切刃を見た。切先きっさきから鍔元つばもとまで。
改訂御定法 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
雪之丞は、乗物の四囲に、鋭い刀尖きっさきが、青い星の光りを宿しながら、つきつけられているのを感じている。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
その濡れ燕から一筋の赤い血潮が、斬尖きっさきを伝わって白い砂に、吸われる、吸われる。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
おゝ、ヂュリエット、おまひ艶麗あてやかさがおれ柔弱にうじゃくにならせて、日頃ひごろきたうておいた勇氣ゆうききっさきにぶってしまうた。
さつごとに、その鋩子きっさきから虹のように血をき、血は脳漿のうみそき、指のかけらを飛ばし、なま大根のように人間の腕を草むらへほうり出した。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
数馬は柳生流の青眼、穂先と尖先きっさきが御互にピリピリ働いて、相手に変化を計られまいとする。二尺余りを距てて睨合っているが、槍の方から仕懸けて行くらしく時々気合と共に穂先が働く。
鍵屋の辻 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
時がたつに従っていかなる尖端きっさきも鈍ってくる。「ユルスュール」に対するマリユスの憤りも、たとい正しいまた至当なものであったとしても、やがて過ぎ去ってしまった。彼はついにそれを許した。
ああ思いついたりと小行李こごうりとく/\小刀こがたな取出し小さき砥石といし鋒尖きっさき鋭くぎ上げ、やがくしむねに何やら一日掛りに彫りつけ、紙に包んでお辰きたらばどの様な顔するかと待ちかけしは、恋は知らずの粋様すいさま
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
青山長者ヶ丸子恋の森で、栄三郎の斬先きっさきと豆太郎の飛来剣をあやうくかわしてきた丹下左膳と。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
が、この言葉の終わるかおわらぬに、先んずるが第一とみた栄三郎、捨て身の斬先きっさきも鋭く
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
若者は、答えないで、刃尖きっさきを地の方へつけて、十分の距離を開けた。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
少し間違えば自分の身に怪我をするか或は又剣先きっさきの刃を欠くと云うおそれが有る、して見れば何かで其剣先を包んで置かねばならぬ、さア何で包んだ、即ち此コロップだろう
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
寸分の暇も緩めず理智の匕首あいくち、自我の剪尖きっさきをもって自身の胸元につきつけ/\して自身を急き立て励ますことに慣れて来た私は、いまは木から落ちた猿同様な気持になりました。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
欧羅巴ヨーロッパのどこを探がしても見つけることの出来ないような、古代埃及の武士の使った、鋭い鋭い月刀げっとうであって、しかも尖刀きっさきには大麻から取った死毒が塗りつけてあったそうである。
木乃伊の耳飾 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
同時にガブリエルは爛々らんらんと燃える炎の剣をクララの乳房の間からずぶりとさし通した。燃えさかった尖頭きっさきは下腹部まで届いた。クララは苦悶のうちに眼をあげてあたりを見た。
クララの出家 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
そら/\手前てめえのいうことはみんな間違っていらア、鞘の光を見て抜身で切合ったと思ったというが、鞘ごと切れば鞘に疵がなけれアならねえ、芒尖きっさきから火花を
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
これによりて活胴いきどうを試みたく、ひそかに柳原の土手へ出で往来の者を一刀に殺害しけるが、ある夜飛脚を殺し、きっさきの止まりたるをあやしみ、懐中を探れば金五十両を所持せり。
三甚内 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
斬っても血粘ちのりが刃に着かず、鉾子先きっさきからタラタラと、滴るそうでございます。ダラリと刀を下げたまま、唇をわずかにほころばせ、美しい前歯を
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と、じっと半兵衛を見凝みつめながら答えた。しかし対手が老人で通らない。又しても聞くのに対して又右衛門は又返事をしながら鉾子尖きっさきをカチリと半兵衛の太刀先へ当てながらじりじりと追込んでくる。
鍵屋の辻 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
飯篠いいざさ長威斎直家の直門諸岡一羽の直門弟土子土呂之介に学んだ剣。殺気鬱々たる鋒子先きっさき、プンと血生臭く匂いそうだ。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
星を刻むような鋒止先きっさき、チカチカチカチカと青光る。居付かぬように動かすのである。ブ——ッと剣気そこから湧き、暗中に虹でも吹きそうである。
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
だが、彼はふと、いつもきっさきのように彼に突立ってくるどうにもならぬ絶望感と、そこからね上ろうとする憤怒ふんぬが、今も身裡みうちを疼くのをおぼえた。殆ど祈るような眼つきで、彼は空間を視つめていた。
苦しく美しき夏 (新字新仮名) / 原民喜(著)
中段に付けた敵の刀が、月光を吸ってキラキラと、鋩先きっさきを上下へ動かすので、無数に螢が飛ぶようだ。
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ちりんと鋩子先きっさきが触れ合う。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「小次郎の鋩子尖きっさき貴殿あなたの眉間を傷つけたそうで御座るが」
巌流島 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
ロレ いや、そのことば鋭鋒きっさきふせ甲胄よろひおまさう。逆境ぎゃくきゃうあまちゝぢゃと哲學てつがくこそはひとこゝろなぐさぐさぢゃ、よしや追放つゐはうとならうと。