“身裡”の読み方と例文
読み方割合
みうち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
フト軽い寒氣が身裡みうちに泌みた。見ると日光ひかげは何時か薄ツすりして、空氣もそらも澄むだけ澄みきり、西の方はパツと輝いてゐた。其處らには暗い蔭が出來た。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
そして、三年前彼がはじめて「グーセフ」を読んだ時から残されている骨を刺すような冷やかなものとうずくような熱さがまた身裡みうちよみがえって来るのでもあった。
冬日記 (新字新仮名) / 原民喜(著)
それは、結局はやはり病にむしばまれた彼の生気を失った肉体が原因であったのであろうか。——だが、時々は過去において彼をとらえた情熱が、再び暴風のようにその身裡みうちをかけ巡ることがあった。
(新字新仮名) / 島木健作(著)