“疼”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うず60.1%
いた22.5%
うづ11.8%
イタ2.2%
ひび1.1%
ウヅ0.6%
0.6%
うずき0.6%
しび0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
姫は夜の闇にもほのかに映るおもかげをたどって、うずくような体をひたむきにす。行手ゆくてに認められるのは光明であり、理想である。
腹もっていた。寒気は、夜が深まるにつれて、身に迫っていためつけて来た。口をけば、残り少ない元気が消えてしまうのをおそれた。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
冷吉は繃帶の下の傷のちき/\うづくのが段々に烈しくなつて來るやうな心持がして、憊れ沈んだ氣分は腐れるやうにいら/\した。
赤い鳥 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
殊に、地方の男女が月夜、謡ひ乍ら踊る毛遊モウアソびその他の群舞、伝説を断片化した短篇舞曲などの早間なものに、沖縄芸能の高潮した情熱をイタい程に感受するのである。
沖縄を憶ふ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
みわるるうだちひびき。
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
その氷の山にムカうて居るやうな、骨のウヅく戦慄の快感、其が失せて行くのをオソれるやうに、姫は夜毎、鶏のうたひ出すまでは、ホトンド、祈る心で待ち続けて居る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
それからずっと歳月がって、私の欧羅巴ヨーロッパから帰って来た大正十四年になるが、火難の後の苦痛のいまだずいているころであったかとおもうが、友人の一人から手紙をもらった中に
三筋町界隈 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
それに横わると、ほとんどすべての抵抗がとれて、肉体のきずも魂のうずきおのずから少しずついやされてゆく椅子——そのような椅子を彼は夢想するのだった。
苦しく美しき夏 (新字新仮名) / 原民喜(著)
お由は二三度唸つて、立上つた気勢けはひ。下腹がしびれて、便気の塞逼そくはくに堪へぬのだ。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)