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疼
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うづ
ふりがな文庫
“
疼
(
うづ
)” の例文
冷吉は繃帶の下の傷のちき/\
疼
(
うづ
)
くのが段々に烈しくなつて來るやうな心持がして、憊れ沈んだ氣分は腐れるやうにいら/\した。
赤い鳥
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
乳母 はれ、
頭痛
(
づつう
)
がする! あゝ、
何
(
なん
)
といふ
頭痛
(
づつう
)
であらう!
頭
(
あたま
)
が
粉虀
(
こな/″\
)
に
碎
(
くだ
)
けてしまひさうに
疼
(
うづ
)
くわいの。
脊中
(
せなか
)
ぢゃ。……そっち/\。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
恰度忘れてゐた傷の痛みが俄かに
疼
(
うづ
)
き出して來る樣だ。抑へようとしても抑へきれない、紛らさうとしても紛らしきれない。
硝子窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
含んで脹れ上る肉の
疼
(
うづ
)
みに堪へかねて、大抵の男は苦しき呻き声を発したが、其の呻きごゑが激しければ激しい程。彼は不思議に云ひ難き愉快を
谷崎潤一郎氏の作品
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
家中の人は眼を見合はすのさへ
憚
(
はゞか
)
るやうになつた。お互ひの眼の中に
疼
(
うづ
)
いてゐる不安をお互ひに見たくなかつたのである。
父の死
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
▼ もっと見る
壁は濕氣を吸ひ込み、火鉢の欲しいやうな寒さは、腰の神經痛にひとしほこたへしんしんと
疼
(
うづ
)
き出すのであつた。
第一義の道
(旧字旧仮名)
/
島木健作
(著)
此
(
この
)
二三
年
(
ねん
)
の
月日
(
つきひ
)
で
漸
(
やうや
)
く
癒
(
なほ
)
り
掛
(
か
)
けた
創口
(
きずぐち
)
が、
急
(
きふ
)
に
疼
(
うづ
)
き
始
(
はじ
)
めた。
疼
(
うづ
)
くに
伴
(
つ
)
れて
熱
(
ほて
)
つて
來
(
き
)
た。
再
(
ふたゝ
)
び
創口
(
きずぐち
)
が
裂
(
さ
)
けて、
毒
(
どく
)
のある
風
(
かぜ
)
が
容赦
(
ようしや
)
なく
吹
(
ふ
)
き
込
(
こ
)
みさうになつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
セント・ジョンを滿足させようと筋肉が
疼
(
うづ
)
くまでも氣を張つて私は努めるに違ひない——セント・ジョンの期待の奧底まで、その端々までも滿足させる爲めに。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
お
生命
(
いのち
)
も
冥加
(
みやうが
)
な
位
(
くらゐ
)
、
馬
(
うま
)
でも
牛
(
うし
)
でも
吸殺
(
すひころ
)
すのでございますもの。
然
(
しか
)
し
疼
(
うづ
)
くやうにお
痒
(
かゆ
)
いのでござんせうね。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
圭一郎は電車の中などで
水鼻洟
(
みづばな
)
を啜つてゐる生氣の衰へ切つて萎びた老婆と向ひ合はすと、身内を
疼
(
うづ
)
く痛みと同時に焚くが如き憤怒さへ覺えて顏を
顰
(
しか
)
めて席を立ち
崖の下
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
安定した表情以上の表情と云ふやうなもの、その柔く、又冷い、絶対に落ちつき切つた感じが、不思議に軍治を打ち、一種名状しがたい悔恨の情が彼の胸を
疼
(
うづ
)
かせた。
鳥羽家の子供
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
脊髄のあたりがすこし
疼
(
うづ
)
くやうな感じがした。書留にしなかつたからと云ふことが殊更不安を感じさせるのであつた。「僅か拾銭を倹約した為に」と思ふと、急に
忌忌
(
いまいま
)
しくもなつてくる。
公判
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
猶
(
なほ
)
かつ
主
(
ぬし
)
ある身の
謬
(
あやま
)
りて
仇名
(
あだな
)
もや立たばなど
気遣
(
きづか
)
はるるに就けて、貫一は彼の
入来
(
いりく
)
るに会へば、冷き汗の
湧出
(
わきい
)
づるとともに、
創所
(
きずしよ
)
の
遽
(
にはか
)
に
疼
(
うづ
)
き立ちて、
唯異
(
ただあやし
)
くも
己
(
おのれ
)
なる者の全く
痺
(
しび
)
らさるるに似たるを
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
燥
(
い
)
るがごと
疼
(
うづ
)
くいたでに
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ゆびさきの刺
疼
(
うづ
)
き
聖三稜玻璃:02 聖三稜玻璃
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
が、今にも頭が堪へ難い程重くなつてズクズク
疼
(
うづ
)
き出す様な気がして、渠は痛くもならぬ中から顔を
顰蹙
(
しか
)
めた。そして、下唇を噛み乍らまた書出した。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
不思議にこゝ一二年、心を去つてゐた色の黒い悩みが、不意に伊藤の言葉によつてその古傷が
疼
(
うづ
)
き出した。私は教室の出入りに、廊下の
擦
(
す
)
り
硝子
(
ガラス
)
に顔を映すやうになつた。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
女は顔を
背
(
そむ
)
けた。
二人
(
ふたり
)
共
戸口
(
とぐち
)
の方へ
歩
(
ある
)
いて
来
(
き
)
た。
戸口
(
とぐち
)
を
出
(
で
)
る拍子に
互
(
たがひ
)
の肩が触れた。男は急に汽車で乗り合はした女を思ひ
出
(
だ
)
した。美禰子の
肉
(
にく
)
に
触
(
ふ
)
れた所が、
夢
(
ゆめ
)
に
疼
(
うづ
)
く様な心持がした。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
が、今にも頭が堪へ難い程重くなつて、ズクズク
疼
(
うづ
)
き出す樣な氣がして、渠は痛くもならぬ中から顏を
顰蹙
(
しか
)
めた。そして、下脣を噛み乍らまた書出した。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
源助とお吉との會話が、今度死んだ凾館の伯父の事、其葬式の事、後に殘つた家族共の事に移ると、石の樣に堅くなつてるので、お定が足に
痲痺
(
しびれ
)
がきれて來て、
膝頭
(
ひざがしら
)
が
疼
(
うづ
)
く。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
源助とお吉との会話が、今度死んだ函館の伯父の事、其葬式の事、後に残つた家族共の事に移ると、石の様に堅くなつてるので、お定が足に
麻痺
(
しびれ
)
がきれて来て、膝頭が
疼
(
うづ
)
く。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
疼
漢検1級
部首:⽧
10画
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疼痛
疼々
疼出
疼痛疼痛
疼通
疾疼
痛疼