“入来”のいろいろな読み方と例文
旧字:入來
読み方割合
いりきた26.2%
いで23.8%
じゅらい14.3%
いりく7.1%
いら4.8%
いりき4.8%
いらし4.8%
いらっしゃ2.4%
いらっし2.4%
いらつ2.4%
じゆらい2.4%
にゅうらい2.4%
はいりく2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
綱曳つなひきにて駈着かけつけし紳士はしばらく休息の後内儀に導かれて入来いりきたりつ。そのうしろには、今まで居間に潜みたりしあるじ箕輪亮輔みのわりようすけも附添ひたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
アヽおかゝつて少々せう/\だんまうしてえ事があつて出ましたんで。書生「おだんまうしたい……エヽ先生八百屋やほや甚兵衛じんべゑさんがお入来いでで。 ...
八百屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
ご用意のおだんな衆が三人ほど参り候まま、万障お繰り合わせご入来じゅらいくだされたく、みなみな首長くしてお待ちいたしおり候。かしこ
又人の入来いりく気勢けはひなるを宮は心着きてうかがひしに、姿は見えずして靴の音のみを聞けり。梅見る人か、あらぬか、用ありげにせはしく踏立つる足音なりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
『御医者様が入来いらッしゃるとお水を下さる』そんなこと言ってだましましたら、ようやくそれで温順おとなしく成ったところなんですよ……
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
しばし有りてをんなどもの口々に呼邀よびむかふる声して、入来いりきし客の、障子ごしなる隣室に案内されたる気勢けはひに、貫一はその男女なんによの二人づれなるを知れり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
あゝと貞之進は初めて声を出して答え、よく入来いらしってよと解けた詞に嬉しさは頸筋元から這入って、いつもの通り肚で躍って居た。
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
どこへ入来いらっしゃるのと問われて、あすこへ行こうと思ったがと淀文の方を向て見せれば、そう、入来いらっしゃいなわたしも今明いて来た所ですから、今日は早いお客さまと告げるに
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
過日このあいだも写真を一緒に取に行ったので皆んなにからかわれて居ました、ここへも入来いらっしゃる方なのと無頓着に言聞けられて、貞之進のはらわたは煑えるようで
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
『何でも一通り東京の事知つてなくちや、御奉公に上つても困るから、私と一緒に入来いらつしやい。教へて上げますから』
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「廿三日。晴。当所病人多之処、松軒子四五日不快に付、当分之内為助すけとして斎木文礼御呼寄に相成、午後入来じゆらい。」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
おい、子どもたち、きみたちの尊敬している明智大先生のご入来にゅうらいだぞ。明智先生は親切にもきみたちを救いだすために、はるばる東京からお出かけになったのだ。
妖怪博士 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
寺男には、その娘に、中門ちゅうもんの庭より私の居間へ入来はいりくる様に命じてやった。
雪の透く袖 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)