空いちめん、白い雲におおわれた、どんよりとむしあつい、春の日曜日の夕方のことでした。十二、三歳のかわいらしい小学生が、麻布の六本木に近い、さびしい屋敷町を、ただひとり、口笛を吹きながら歩いていました。 この少年は、相川泰二君といって、小学校 …
著者 | 江戸川乱歩 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「少年倶楽部」大日本雄辯會講談社、1938(昭和13)年1月号~12月号 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約4時間23分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約7時間18分(300文字/分) |