“衣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きぬ41.9%
ころも23.7%
9.2%
ぎぬ7.3%
きもの6.4%
ごろも2.5%
2.0%
1.2%
キヌ0.9%
もの0.9%
0.7%
コロモ0.7%
0.4%
きれ0.3%
べべ0.3%
から0.1%
みそ0.1%
うわぎ0.1%
きね0.1%
ぎもの0.1%
けし0.1%
こゝも0.1%
めし0.1%
ギヌ0.1%
ローブ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
然し一時間前の倦怠けんたいではもうありませんでした。私はそのきぬずれのようなまた小人国の汽車のような可愛いリズムに聴き入りました。
橡の花 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
いろいろの異様なるころもを着て、白くまた黒き百眼ひゃくまなこ掛けたる人、群をなして往来ゆききし、ここかしこなる窓には毛氈もうせん垂れて、物見としたり。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
素裸すっぱだかになって、ものを背負しょって、どうとか……って、話をするのを、小児こどもの時、うとうと寝ながら聞いて、面白くってたまらない。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
他の女中が悪いことをして、あたいに濡れぎぬをきせたんだよ。あのまたおかみさんという人も、あんまり眼がなさ過ぎるじゃないか。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
気が付いた時は、真蒼まっさおな何かのあかりで、がっくりとなって、人に抱えられてる、あの人の姿を一目見たんだがね、きものを脱がしてあった。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
身は、やぶれごろもに、なわおび一つ。そして、くつよりは丈夫らしい素裸足すはだしで、ぬっと、大地からえているというかたちである。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そんな毒瓦斯は、吸着剤きゅうちゃくざい活性炭かっせいたんと中和剤の曹達石灰ソーダーせっかいとを通せばさえぎられるし、ゴムゴム手袋ゴム靴で結構けっこうけられます。
またまとい給う銀紗ぎんしゃのおんから、藍田らんでんの珠の帯やら白玉はくぎょくのかざりにいたるまで、光燿こうようそのものの中にあるおすがただった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
尾張にタヾに向へる、尾津ヲツの崎なる一つ松、あせを。ひとつ松 人にありせば、大刀けましを。キヌ着せましを。一つ松、あせを(景行記)
日本文章の発想法の起り (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「これ、やかましいお話は後ほどになさらぬか。そして、早く御方様を連れて、おめしもの、お風呂の支度など、急がねばお体にさわりますぞえ」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さては相見ての後のたゞちの短きに、戀ひ悲みし永の月日を恨みて三ぱつあだなるなさけを觀ぜし人、おもへばいづれか戀のやつこに非ざるべき。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
あゝ、何時になつたら、したてたコロモを、お肌へふくよかにお貸し申すことが出來よう。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
床板ゆかいたのあいだから生え出している草をたんねんにむしりとり、四つの窓には四人の防水をカーテンのかわりに掛けた。
キャラコさん:04 女の手 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
引廻して前にて結び、これを帯に推込おしこみてほのかに其一端そのいつたんをあらはす、きれと帯とに照応する色合の可なるものまた一段、美の趣きあるあり。
当世女装一斑 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
軍鶏しゃもの赤毛をおつむにのせて、萌黄もえぎ木綿のおべべをきせたお獅子ししの面を、パックリと背中へ引っくり返して、ほお歯の日和ひより下駄をカラカラ鳴らし
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蛇がからを脱ぐ如く、人は昨日きのうの己が死骸を後ざまに蹴て進まねばならぬ。個人も、国民も、永久に生くべく日々死して新にうまれねばならぬ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
すなはちみその中によろひし、弓矢をばして、馬に乘りて出で行きて、忽の間に馬より往きならびて、矢を拔きて、その忍齒の王を射落して、またそのみみを切りて、馬ぶねに入れて
彼の男は承知して、うわぎをぬいではこの上にかけ、物を怨むような所作しょさをしていった。
偸桃 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
酒の香、きねいろあやみだれうかぶ、——
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
汗出でて厚く着重ねたる木綿ぎものは汗にて流るるが如きに至るを以て、おのずから臭気を発して、一種の不快を覚ゆると其くるしさとにて、一日いちじつには僅に三四時間の労働に当るのみ。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
次に投げ棄つる御けしに成りませる神の名は、煩累わづらひ大人うしの神。次に投げ棄つる御はかまに成りませる神の名は、道俣ちまたの神。次に投げ棄つる御冠みかがふりに成りませる神の名は、飽咋あきぐひ大人うしの神
まへらずかれも唯今たつたいまうちのとつさんが龍華寺りうげじ御新造ごしんぞはなしてたをいたのだが、のぶさんは近々ちか/″\何處どこかのぼうさん學校がくがう這入はいるのだとさ、こゝも仕舞しまへばねへや
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「そして、白いのはおめしものも、ですけど、降り積る雪なんですって。」
銘苅子メカルシイと言ふ人は、水浴中の天女の「ギヌ」を匿して、連れ戻つて宿の妻として、子を二人までなさせた。
信太妻の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
……ねえ、あなた、ベルナアルさんは立派な白衣僧ペール・ブランになったのでしょうね? 真白いローブを着て、橄欖オリーブの実の数珠を持って歩いていられるのでございましょうね?
葡萄蔓の束 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)