“衣服”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きもの76.2%
いふく8.4%
なり4.6%
みなり2.9%
べべ1.7%
おべべ0.4%
ゐふく0.4%
きるもの0.4%
ころも0.4%
いしょう0.4%
うはぎ0.4%
えふく0.4%
おめし0.4%
こそで0.4%
ごろも0.4%
べゞ0.4%
みけし0.4%
めし0.4%
キモノ0.4%
トバ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其跡そのあと入違いれちがつてたのは、織色おりいろ羽織はおり結城博多ゆうきはかたの五本手ほんて衣服きもの茶博多ちやはかたおびめました人物、年齢四十五六になるひんをとこ。客
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
うりに參らんといましちより受出して來たる衣服いふくならび省愼たしなみの大小をたいし立派なる出立いでたちに支度なして居たる處へ同じ長家に居る彼張子かのはりこ釣鐘つりがね
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「ナニ今日はあんなお嬢様然とした風をしているけれども、うちにいる時は疎末そまつ衣服なりで、侍婢こしもとがわりに使われているのです」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ぼく子供心こどもごころにも此樣子このやうす不審ふしんおもつたといふは、其男そのをとこ衣服みなりから風采ふうさいから擧動きよどうまでが、一見いつけん百姓ひやくしやうです、純然じゆんぜんたる水呑百姓みづのみひやくしやうといふ體裁ていさいです
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
また或冬万作が黐網もちあみで鴨をとって来て毛をひくのを見て、「あらとっちゃん、とっとの衣服べべをとってしまうの。とっとが寒い寒いって泣くわ」
漁師の娘 (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
ふうちゃん、いらッしゃい、衣服おべべを着て見ましょう——温順おとなしくしないと、東京へ連れて行きませんよ」
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
あとれい快活くわいくわつなる武村兵曹たけむらへいそうがやつてて、武骨ぶこつなる姿すがた親切しんせつに、吾等われら海水かいすいみ、天日てんぴこがされて、ぼろ/\になつた衣服ゐふく取更とりかへやら、洗湯せんたう世話せわやら、日出雄少年ひでをせうねんためには
行者はいかりたるいろもなく、なにともいはず衣服きるものぬぎてかたへの水楊かはやなぎにかけ、赤裸あかはだかになりて水をかんまゐりする方をふしをがみ、武士の手をとりて引起ひきおこしければなにのくもなくおきあがり
8 海の水流れで、胎内より湧き出でし時誰が戸をもってこれを閉じこめたりしや、9 かの時我れ雲をもてこれを衣服ころもとなし、黒暗くらやみをもてこれが襁褓むつきとなし
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
嫁入よめいりの時に持って来た衣服いしょう道具などはいつしかもうこの無情な夫の遊蕩ゆうとうとなって失われておった。
二面の箏 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)
若し共産主義者の目から見るとすれば、クリストの言葉はことごとく共産主義的宣言に変るであらう。彼に先立つたヨハネさへ「二つの衣服うはぎを持てる者は持たぬ者に分け与へよ」
続西方の人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
常に好める飲食おんじき衣服えふくを得るも
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なにネ、先生と貴郎あなた衣服おめしを持つて来ましたの、皆さんの所からまとまらなかつたものですから、大層遅くなりましてネ、——此頃は朝晩めつきりひやつきますから、定めて御困りなすつたでせうネ」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
雪のように白き顔少しはじらいて。ほおのあたり淡紅うすくれないをおびたる。髪は束髪にたばねて。つまはずれの尋常なる衣服こそでは。すこしじみ過ぎし七ツ下りの縞縮緬しまちりめん
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)
薄ら衣服ごろもを裁ちきれど
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
丹誠一つで着させても着させ栄えなきばかりでなく見とも無いほど針目勝ち、それを先刻は頑是ない幼心といひながら、母様其衣それは誰がのぢや、小いからはおれ衣服べゞ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
かれ大國主の神、出雲の御大みほ御前みさきにいます時に、波の穗より、天の羅摩かがみの船に乘りて、ひむしの皮を内剥うつはぎに剥ぎて衣服みけしにして、り來る神あり。
『お衣服めしをお着更きかへになつてから召上めしあがつたら如何いかゞ御座ございます。』とふさは主人の窮屈さうな様子を見て、恐る/\言つた。御気慊ごきげんを取るつもりでもあつた。何故なぜ主人が不気慊ふきげんであるかもほゞ知つて居るので。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
かく言いしかば、欺かえて列伏せりし時に、吾其上を読み度りし来て今、地に下りんとする時に、汝は吾に欺かえつと言い竟れば、即ち最端イヤハシに伏せる和邇、我を捕えてコトゴトに我衣服キモノを剥ぎき。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)
馬子にも衣裳というがこんな衣服トバを引っぱっているとどうしたってしがない雑報記者とは見えまい。その上俺の面相はこれでも相当高尚だから、多分侯爵ぐらいには見えたのかも知れぬ。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)