“纏”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
まと72.7%
まとま13.0%
まつ5.6%
まつわ2.3%
まとい2.0%
0.8%
まつは0.7%
まとひ0.7%
0.5%
くる0.3%
(他:11)1.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“纏”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語14.7%
文学 > 日本文学 > 詩歌2.8%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆2.7%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
いつガンベに小賢こざかしいという感じを与えて、油をしぼられないとも限らない不安がつきまとって離れなかったから。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
と云渡して、まとめて三十両の金を出すと、新吉は幸い金がほしいから、兄と縁を切って仕舞って、行通ゆきかよいなし。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そうこうしているうちに、島田の態度が段々積極的になって来た。二十、三十とまとまった金を、平気に向うから請求し始めた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
吾々も過去をかえりみて見ると中学時代とか大学時代とか皆特別の名のつく時代でその時代時代の意識がまとまっております。
現代日本の開化 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「それではお前まだ聞かぬか? その美しい鳰鳥には、聞いただけでも慄然ぞっとする咒咀のろいまつわっておるそうじゃ」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
あのアクドい、べたべたとまつわりついてさまざまな必要以外の遊戯をしたがる習性は、すべての男子に通有なのであろうか。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
而して昼は幽かに、夜は清く、朝は寂しい自鳴鐘のやうに時雨のたましひをそそのかしてほのかに白芥子の花にまつわる。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
お袖は、自分の体へまつわってくる男の手を、心にもなく、癇癖かんぺきに振り払いながら、いってもいってもまだ罵り足らないように、
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
危え、と蔵の屋根から、結束した消防夫しごとしが一にん、棟はずれに乗出すようにして、四番組のまといを片手に絶叫する。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
下町のまといは大概あつまって、ずっと大伝馬町から油町通りに列をひいて揃って梯子はしご乗りをする。
鴨山かもやま磐根いはねけるわれをかもらにといもちつつあらむ 〔巻二・二二三〕 柿本人麿
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
また、「母刀自ははとじも玉にもがもやいただきて角髪みづらの中にあへかまくも」(同・四三七七)というのもある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
我はこれを聞きつゝも、むかしの羈靮きづなの再び我身にまつはるゝを覺えて、只だ恩人に見放されたる不幸なる身の上をかこちぬ。
それでもたけのこかはたけみきまつはつてはよこたはつてるやうに、與吉よきちがおつぎをなつかしがることにかはりはなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
さうすると内骨屋町筋うちほねやまちすぢから、神明しんめいやしろの角をこつちへ曲がつて来る跡部あとべまとひが見えた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
曼陀羅まんだらをぢびたる蓮の実は黄蕋きしべさがりてよきまとひ
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
おほみやのちひさことねり。玉ならば、昼は手にすゑ、夜はきねむ(神楽歌譜)
人言のしげきこのごろ。玉ならば、手にきもちて、恋ひざらましを(四三六)
垢染みて膩光あぶらびかりのする綿の喰出はみだした褞袍どてらくるまつてゴロリと肱枕をしつゝ
貧書生 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
一体合乗俥というはその頃の川柳や都々逸どどいつの無二の材料となったもので、狭い俥に両性がピッタリ粘着くっつき合って一つ膝掛にくるまった容子は余り見っともイイものではなかった。
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
鶴見が離れようとすればするほどまとわりついてくる女の執拗さにあきれて、女のこびには応諾おうだくも与えずに、押黙って本を見ていた。
と云う壮い木客の声がきこえて来た。すると前方の声はそれにまとわりつくように、
死んでいた狒狒 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
松は水の上まで枝垂しだれた枝を、鉄網のようにからめ合せて、林の奥の神秘な世界を、執念しゅうね人目ひとめから隠していた。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
夫は家から持ってきた外套を彼女の背中にかけてやった。それが夜会の服装と相対して如何にも見窄しくみえたのである。彼女は温かい毛皮の外套に身をつつんだ婦人に見られるのを嫌うて、それを着なかった。
頸飾り (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
けれども、天狗のお囃子はやしは夜着の襟から潜り込んで来て、耳元にへばり付いて離れない。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
所へある気のいた男が出て来て、煤煙の全部を出版しやうとすればこそ災を招く恐れがあるので、そのうちの安全な部分だけを切り離して小冊子にまとめたらどんなものだらうといふ新案を提出した。
『煤煙』の序 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
男親まとゐのやうに遊ばせる同
大正東京錦絵 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
(事実海驢はそういう生理の動物かどうか知らなかったけれど)室子は、シュミーズを脱いで、それで身体を拭い捨て、頭を振って、髪のもつれを振り放ちながら、今朝の空腹の原因を突き止めた。
(新字新仮名) / 岡本かの子(著)
壁代カベシロの様に縦横に裁ちついで、其まゝ身にマトふやうになさる外はおざらぬ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
第一、女たちの生活は、起居タチヰふるまひなり、服装なりは、優雅に優雅にと変つては行つたが、やはり昔の農家の家内ヤウチの匂ひがつきマトうて離れなかつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
火消しのまといばかりを知つた人は、とかくマトヒの字を書くものと信じて居られようが、既に「三才図会」あたりにも、※幟・纏幟・円居などゝ宛てゝ、正字を知らずと言うてゐる。
まといの話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
明りに照し出されるほど、マトマつたウツをも、持たぬの人であつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)