“粘着”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くっつ40.0%
ねば20.0%
ねんちゃく10.0%
ねばり10.0%
へばりつ10.0%
パアシスト10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
運転手ははずしたタイヤをガバガバガバと地上にひっ転がすと、今度のまた破損の箇処にゴムの継ぎを当て当て、アラビヤ護謨ゴム粘着くっつけると、トントンと叩いて見た。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
しかし、誰しもの額や顳顬こめかみには、痛ましい憔悴の跡が粘着ねばりついていて、着衣にも労苦のしわがたたまれ、風がその一団を吹き過ぎると、唇に追放者エミグレらしい悲痛なはためきが残るのだった。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
そして他の花へ飛びあるいた時、そのけて来た花粉を粘着ねんちゃくする雌蕊しずい柱頭ちゅうとうへ、知らず知らずけるのである。すなわち蝶と花とが、利益の交換こうかんをやっているわけだ。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
葛湯くずゆを練るとき、最初のうちは、さらさらして、はし手応てごたえがないものだ。そこを辛抱しんぼうすると、ようやく粘着ねばりが出て、ぜる手が少し重くなる。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
警官もそれに気づいて、懐中電燈を近づけて調べて見ると、茶色の壁からにじみ出した様に、赤黒い色彩で、足の多い一箇の怪物が、そこに粘着へばりついていた。
妖虫 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
私はじぶんが単なる即席の思いつきでこの個人的な会話を切り出したのではないという立場を守護するために、すこしばかり顔を赤くして粘着パアシストした。
踊る地平線:09 Mrs.7 and Mr.23 (新字新仮名) / 谷譲次(著)