粘着くっつ)” の例文
運転手ははずしたタイヤをガバガバガバと地上にひっ転がすと、今度のまた破損の箇処にゴムの継ぎを当て当て、アラビヤ護謨ゴム粘着くっつけると、トントンと叩いて見た。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
一体合乗俥というはその頃の川柳や都々逸どどいつの無二の材料となったもので、狭い俥に両性がピッタリ粘着くっつき合って一つ膝掛にくるまった容子は余り見っともイイものではなかった。
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
ナイヤガラにいる間は最早もう一秒時も乃公の傍を離れられない、此では苦労を求めに旅行をしたようなものだとお母さんが愚痴をこぼした。お母さんはにかわのように乃公に粘着くっついている。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
... る時庖丁ほうちょう截口きりぐち粘着くっついて困りますがい法はありませんか」お登和
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)