“最早”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
もはや58.0%
もう27.6%
もは14.1%
いとはや0.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
最早もはや最後さいごかとおもときに、鎭守ちんじゆやしろまへにあることに心着こゝろづいたのであります。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
わたくし最早もはや五十五歳ゆえ早く養子をして楽がしたいものですから、誠に耻入った次第でございますが、早速さっそくのお聞済きゝず
仲介者はカイアヹエ君に手紙を送り「貴下が不名誉なりとせらるる所は我等の最早もはや立入るべからざる所にそろ」と云つてその任を辞した。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
歐米をうべい諸國しよこくこれあるかぎりは、最早もはや日本につぽんむかつて不禮ぶれいくわふるからずとまで
従ってそのいい難い一週間が終わって、最早もはやそれ以上とどまることの不可能になった時、氏がどんなにその別れをはかないものに思ったことか!
地図にない街 (新字新仮名) / 橋本五郎(著)
『まア貴下あなたあれがえないの。アゝ最早もうえなくなつた。』と老婦人らうふじん殘念ざんねんさうに舌打したうちをした。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「仕方が無いサ——姉さんは最早もうお前さんの姉さんぢや無くて、兄さんの姉さんなんだもの——妹の懐には居ようたつて居られない人なんだもの。」
出発 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
今から最早もう数年前すねんぜん、その俳優やくしゃが、地方を巡業して、加賀かが金沢市かなざわし暫時しばらく逗留とうりゅうして
因果 (新字新仮名) / 小山内薫(著)
その時は最早もう短い秋の日が暮れて、鳥の声も聞こえなくなっていたが、その代り真暗な杉の森の奥にチラチラと焚火たきびの光りが見えて来た。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
鶴子より一月ひとつきまえにもらって、最早もう五歳いつつあごのあたりの毛が白くなって、大分だいぶばあさんになった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
父の左近太夫は中風で生ける屍も同様、やかましやの老臣朝倉忠左衛門は火事の時死んで、高力の江戸屋敷に最早もはや若殿忠弘を押える者はありません。
あまりに日夜にちや思い続ける私とおまえとの間には最早もはや直通の心の橋が出来できていて、歳月も距離もほとんど影響しないように感ぜられる。
巴里のむす子へ (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
のう、瀧口殿、最早もはや世に浮ぶ瀬もなき此身、今更しむべき譽もなければ、誰れに恥づべき名もあらず、重景が一懺悔ざんげ聞き給へ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
それより時候の変目かわりめごとに打身に相悩み候やうに相なり、最早もはや二度とはかの大木には登れそうにもなき身に相なり申候。
榎物語 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
数日の間に第一の良人おっとを刺され、第二の良人をたれた彼女の悲しみは、最早もはや彼女の涙をさそわなかった。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
印度は諸子が父上母上の頃には天竺てんじくと呼びたる最早いとはやくより開け進みし国にて、今日こんにちよりして評するも世界の文明の母ともいふべきところなれば、従つて趣味おもむきある古話にも富みたり、御望みならむには随分諸子のために珍奇なる話を取りいだして一年や二年の間はこの紙上に掲げん。
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)