“漸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ようや60.5%
やうや17.9%
やっ5.0%
やつ4.3%
4.2%
ようよ2.7%
よう1.3%
やうやく0.9%
ぜん0.6%
ようやく0.5%
やっと0.4%
やつと0.3%
やう0.3%
0.3%
やや0.2%
すす0.1%
すすむ0.1%
やうやう0.1%
やッ0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その頃は隆達りゅうたつ小唄や、平九節ひらくぶし小唄の勃興期で、江戸にもようやく名人と言われた、女師匠が現われるようになっていました。
干将莫邪かんしょうばくやは楚王の命をうけて剣を作ったが、三年かかってようやく出来たので、王はその遅延を怒って彼を殺そうとした。
「話はこれから大變なんで、やうやく蝠女の手を振りきつて、鹽町へ飛びましたよ。上州屋周太郎がどんな顏をして居るか、それを見度かつたのです」
そのせまらない顏色かほいろはたてゐた所爲せゐか、わく/\した宗助そうすけむねやうやをさまつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
飯をすますと直ぐ、お島が通りの方にあるミシンの会社で一台註文して来た機械が、明朝あした届いたとき、二人はやっと仕事に就くことができた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
大杉がいよいよ帰朝するからと送金を打電した時に野枝が調達に奔走して七処借をしてやっとこさと工面したという咄は大杉の帰朝前に聞いている。
最後の大杉 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
「その折親父は卓子テーブルの上に乗つて逃げましたが、私は洋琴ピアノにつかまつて、やつ生命拾いのちひろひをしたやうな始末なんで。」
「おとつゝあはぢいかつたツちツてんだあ」與吉よきちいきほひにあつせられてはにかむやうにしながらやつといつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
男は刃わたりを手のひらでしらべたときに、っと女が俵のなかにあることを言ったことを考え、ぎっくりして顔いろまで、変えて女を見つめた。
香爐を盗む (新字新仮名) / 室生犀星(著)
去年の春、呉竹を植えたいと思って人に頼んでおいたら、それから一年も立ったこの二月のはじめになってっと「さし上げますから」と言ってきた。
かげろうの日記 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
と主人が云った時にはお関もようよう気が落ついておそれながら下の様子を見に降りると、取りちらした中に恭とお久美さんがぼんやりたって居るのを見つけた。
お久美さんと其の周囲 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
一寸ちょいとお若を見ますると変な様子でげすから、伊之助もなんとなく白けて見え、手持無沙汰でおりますので、お若さんもようよう気がいて、
「やあ、桜がある。今ようやく咲き掛けた所だね。余程気候が違う」と云った。話の具合が何だかもとの様にしんみりしない。代助も少し気の抜けた風に、
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と怖々出て往ったが慌てゝおりますから、火打を出してカチ/\うちつけようやく灯火を点けてまいり、座敷の燭台へ移しました。
やうやくこと片膝かたひざかしてやつたので、この評判へうばんたちま船中せんちゆうひろまつて
やうやく雪のやみたる時、雪をほりわづかに小まどをひらきあかりをひく時は、光明くわうみやう赫奕かくやくたる仏の国に生たるこゝち也。
現在の系統は一朝一夕に発達したものではなく、ガリレー以来ぜんを追うて発達して来たもので、種々な観念もだんだんに変遷し拡張されて来たものである。
物質とエネルギー (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
もとより天平と弘仁の気分には著しい相違があるが、しかし天平時代末期から弘仁初期へかけての変遷は、ぜんを追うたものであって、どこにも境界線はない。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
まだようやくく二十四五にしかえず、いずれかといえば妖艶ようえんなかたちの、情熱じょうねつえたえて
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
私達親子のものが移ろうとした新しい巣は、着いて見ると、ようやくく工事を終ったばかりで、まだ大工が一人二人入って、そこここをつくろっているところであった。
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
剣のように北側の軒から垂下る長い光った氷柱つららを眺めて、やっとの思で夫婦は復た年を越した。
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
これは中々点かねえもんだね、いしが丸くなってしまって、それに火絮が湿ってるだから……やっとの事で点いただ、これでこの紙の附木に付けるだ、それ能く点くべい、えら硫黄臭いが、硫黄でこしれえた紙だと見える、南風でも北風でも消えねえって自慢して売るだ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
丁度通りかかる音作を呼留めて、一緒に助け起して、やつとのことで家まで連帰つて見ると、今すこし遅からうものなら既に生命をられるところ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
かれやつとのことで戸口とぐちつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
くの如きは、吾人が一歳有半の間、上下一致、民族的和協の実をあげて遂行したる猛烈の健闘によりて、やうやく贏得えいとくするに至れる帝国現下の状勢也。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
くりかへして言つて居ました、私はやうやく一銭銅貨のつかひところを見つけて、まづよかつたと安心した。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
が、そんなことをしてうやっと歩いている僕たちは、泥濘のなかをも平気で歩いてゆくその牝山羊をつれた女にもずんずん引き離されてしまった。
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
何がさて空想でくらんでいた此方このほうの眼にそのなみだ這入はいるものか、おれの心一ツで親女房に憂目うきめを見するという事に其時はツイ気が付かなんだが、今となってう漸う眼が覚めた。
ややして帰りしをあやしとてこの漆師ぬしおじが申されし
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
群ぬちややにさはがし。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
しかして文明の発祥地は、また勿論人類繁殖の最も盛んな地であるからして、これが気候地勢等の関係からして、一は東に、他は西に向って移動したのであって、西に向ったのは欧羅巴ヨーロッパ文明、即ち西洋文明の根原をなし、東にすすんだのは亜細亜アジア文明、即ち東洋文明の種子であった。
日本の文明 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
それから私の兄が久松家の用人をやめて自分の家に戻って後、そこには藤野古白こはくの老父君であった藤野すすむ翁が久松家の用人として住まっていた。
漱石氏と私 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
源平盛衰記げんぺいせいすゐき文覚発心もんがくほつしんくだりに、「はやきたつて女と共にし居たり、狭夜さよやうやう更け行きて云云うんぬん」と、ちやんと書いてある事である。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
理窟はさて置いて、この面舐かおなめの一儀が済むと、ポチもやッと是で気が済んだという形で、また庭先をうろうろし出して、椽の下なぞを覗いて見る。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)