トップ
>
漸
>
よう
ふりがな文庫
“
漸
(
よう
)” の例文
攻め
詰
(
なじ
)
って
漸
(
よう
)
よう訊いた事の仔細。それから山科の御坊に駈けつけて、お上人さまにお訴え申し、お上人さまともども急いで駈けつけたが
取返し物語
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
と怖々出て往ったが慌てゝおりますから、火打を出してカチ/\うちつけ
漸
(
よう
)
やく灯火を点けてまいり、座敷の燭台へ移しました。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
漸
(
よう
)
やく村はずれに来た頃は、もういつの間にか見えなくなって、恨めしそうに、ふり仰ぐ空は、おなじ灰色の
密雲
(
みつうん
)
である。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
「やあ、桜がある。今
漸
(
よう
)
やく咲き掛けた所だね。余程気候が違う」と云った。話の具合が何だか
故
(
もと
)
の様にしんみりしない。代助も少し気の抜けた風に
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
近頃上流社会の人たちも
漸
(
よう
)
やく家庭教育の子弟に大切なる事を悟って有志の連中が家庭教育研究会というものを組織したそうだ。広海子爵も発起人の一人である。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
▼ もっと見る
送り
漸
(
よう
)
やく築地に着きたるは夜も早や十時頃なり直ちに施寧の家に入り母と少しばかり話しせし末例の如く金起と共に二階に上り一眠りして妾は二時頃一度目を
覚
(
さま
)
したり
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
まだ灰色の薄明が
漸
(
よう
)
やくひろがり始めた時分、若い武士は既に起きて、洞窟の入口に近く静坐していた……骨太の
逞
(
たくま
)
しい足を
半跏
(
はんか
)
に組み、両手の指を組合せて軽く下腹に当て
松風の門
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
この時露月は
漸
(
よう
)
やく最後の一
刷毛
(
はけ
)
を入れてわれながら、満足したように画面を眺めましたが、やがて疲れ切ったように絵筆をぽんとほうり出して、うめくように
呟
(
つぶ
)
やきました。
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
夫妻が
漸
(
よう
)
やっと
笑顔
(
えがお
)
を見せるようになると、またしても胸に
閊
(
つか
)
える悩みの種、川上座の落成に伴う新築披露、開場式の饗宴などに是非なくてならない一万円の費用の出どころであった。
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
漸
(
よう
)
やく泣き停ったような栖方の正しい靴音が、また梶に聞えて来た。
微笑
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
武は此時、
漸
(
よう
)
やく八才
計
(
ばか
)
りの子供のことですから、母は心配して
鼻で鱒を釣つた話(実事)
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
その時平岡は
漸
(
よう
)
やく三千代の言葉に一種の意味を認めた。すると夕方になって、門野が代助から出した手紙の返事を聞きにわざわざ小石川まで
遣
(
や
)
って来た。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
葛岡は二三度わたくしと押問答しましたが、その甲斐もないのを知って
漸
(
よう
)
やく
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
と云って居ります所へ新三郎が
漸
(
よう
)
よう出て来ましたから
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
三千代の頬に
漸
(
よう
)
やく色が出て来た。
袂
(
たもと
)
から
手帛
(
ハンケチ
)
を取り出して、口の
辺
(
あたり
)
を
拭
(
ふ
)
きながら話を始めた。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
(今ではこの様式のものは珍らしくもないが、当時独仏の表現派芸術が
漸
(
よう
)
やく普遍実用化されて、家具や室内装飾に盛んに取り付け出された時代に、この様式の噴水は欧洲でも珍らしかった。まして英国では異端の方であった。)
噴水物語
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
彼は
漸
(
よう
)
やく書類の結目を
解
(
と
)
いて一所に重なっているものを、一々ほごし始めた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
健三は
漸
(
よう
)
やく書物から眼を放した。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
漸
常用漢字
中学
部首:⽔
14画
“漸”を含む語句
漸々
漸次
漸〻
佳人意漸疎
東漸
漸進
漸時
漸減
西漸
無漸
浸漸
漸進論
漸源
漸移
漸綻
漸蔵主
漸近線
漸進的
漸次強音
漸遅
...