“呟”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つぶや92.3%
つぶ5.9%
ぼや0.7%
こぼ0.7%
せきばらい0.1%
まぶ0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、P氏は笑ってつぶやいたが、矢張やはり苦になるところから、その日になると、——時間だけはグット遅くらせて——彼女の部屋へ行ってみた。
世界の裏 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
——おれが心の中でかうつぶやくと、猿は突然身ををどらせて、おれの前の金網かなあみにぶら下りながら、癇高かんだかい声で問ひ返した。
動物園 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そう云われて安之助はぎょっとしたようすだった。みよの顔も苦しそうにあおずんだ、みよは面を伏せ、低くつぶやくような声でしずかに続けた。
日本婦道記:箭竹 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
はじめのうちは、往来のあとさきを見廻して、だれもいないのを見とどけてから、こんにゃはァ、と小さい声で、そッとつぶやいたものだった。
こんにゃく売り (新字新仮名) / 徳永直(著)
つぶやいた。銃弾たまに当った時計の針が一時半で止まっていたらしい。刑事がそうして死体を調べている間に、警部はボーイを招いて訊問を初めていた。
火縄銃 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
つぶやいたまま、うっとりとして、三叉の銀波、つくだあしの洲などに眼を取られて、すぐ桟橋へ上がろうともしなさらない。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すると、そこへひよつくり池上市長が顔を出した。皆がぶつぶつぼやいてゐるのを見ると、わざと元気をつけて向ふの谿間たにあひを指ざした。
「まあ勿体ない、お手紙をみんなくしちまつたんだつて。」と女中は膃肭臍のやうな細い眼で檀那の後姿を見送りながら惜しさうにぼやいた。
独帝カイゼルはぶつぶつぼやきながら宮城に引きかへした。そして侍医の鼻先に血だらけな拳骨げんこをぐつと突き出した。侍医は叮嚀に繃帯をした。
田といふ田には稻の穗が、琥珀こはく色に寄せつ返しつ波打つてゐたが、然し、今年は例年よりも作がずつと劣つてゐると人々がこぼしあつてゐた。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
こぼした事があつた。そして相手の農夫ひやくしやうが値上げの張本人であるかのやうにじつとその顔を見つめた。顔は焼栗のやうに日にけてゐた。
その日の夕方、いつものように来て、藤木さんは母にこぼしていた。
と呼んだ、我ながら雉子きじのように聞えたので、せきばらいして、もう一度、
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
平次はまぶしさうに手を振るだけです。