“ぼや”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ボヤ
語句割合
小火50.0%
暮夜26.1%
10.9%
10.9%
失火2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いつかの小火ぼやのあった晩も、藪のなかに赤ん坊が捨ててあった。この辺の地形は、捨子をしたくなるようにできているのかもしれない。
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
暮夜ぼやひそかに大垣の城下に戸田侯(内匠頭の従弟じゅうてい戸田采女正氏定とだうねめのしょううじさだ)老職の門を叩いて、大学擁立ようりつのことを依嘱いしょくした事実もある。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
独帝カイゼルはぶつぶつぼやきながら宮城に引きかへした。そして侍医の鼻先に血だらけな拳骨げんこをぐつと突き出した。侍医は叮嚀に繃帯をした。
さびのある優しい声で。そして彼は急速力で走り出した機関車の窓から顔を出して場内を見返った。潤みかすんだ眼には停車場の赤や青の燈火が水にうつる影のようにぼやけて揺れていた。
汽笛 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
いや、捕物じゃねえが、この間、大工町の仕出し屋太郎兵衛が失火ぼやを出し、その罪で、五十日の手錠てじょうをくッた。手錠は、微罪だが、もし手錠を自分ではずしたりしたら重罪だ。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)