“かさ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カサ
語句割合
21.5%
18.2%
14.1%
13.1%
7.3%
5.0%
4.7%
2.6%
2.4%
2.0%
洋傘1.7%
1.6%
1.5%
容積0.4%
梅毒0.4%
0.4%
女傘0.2%
0.2%
分量0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.1%
幻暈0.1%
傷毒0.1%
0.1%
加佐0.1%
0.1%
日暈0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
瘡毒0.1%
0.1%
0.1%
覆布0.1%
過差0.1%
頑癬0.1%
黴毒0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女はメートルの費用のかさむのに少からず辟易へきえきしながら、電気装置をいじるのを楽しみに、しばらくは毎朝こどものように早起した。
老妓抄 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
うしたときにはまたみょう不思議ふしぎ現象ことかさなるものとえまして、わたくし姿すがたがそのみぎ漁師りょうしつま夢枕ゆめまくらったのだそうでございます。
女等をんならみな少時しばし休憩時間きうけいじかんにもあせぬぐふにはかさをとつて地上ちじやうく。ひとつにはひもよごれるのをいとうて屹度きつとさかさにしてうらせるのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
チラリ/\と雪が降出ふりだしましたから、かさを借り、番場の森松と云う者が番傘を引担ひっかついで供をして来ますと、雪は追々積って来ました。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
実際今の袈裟は、もう三年前の袈裟ではない。皮膚は一体に光沢つやを失って、目のまわりにはうす黒くかさのようなものが輪どっている。
袈裟と盛遠 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
樣々な懊惱あうのうかさね、無愧むきな卑屈なあなどらるべき下劣な情念を押包みつゝ、この暗い六疊を臥所ふしどとして執念深く生活して來たのである。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
その当時の彼らは、努めて書生らしく粧うために、多くは紺飛白こんがすりの衣類を着て、兵児帯へこおびをしめて、筒袖つつそでの羽織などをかさねていた。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
されどあゝ齒をかみあはす彼を見給へ、ほかに告ぐべきことあれど彼わがかさ引掻ひきかかんとてすでに身を構ふるをおそる 九一—九三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
石灯籠のかさにあたつて花火のやうに飛び散つてゐるのがあつた。泉水の汀の苔石の上に、赤児の糞にも見紛ぎらしいのがあつた。
蔭ひなた (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
それはちょうど中に胴というもののないひな人形を寝かせたようなのである。髪は多すぎるとは思われぬほどのかさで床の上にあった。
源氏物語:49 総角 (新字新仮名) / 紫式部(著)
「おはいんなさい。」と、姉は返事をしながら入口の障子をあけると、卅二三の薄い口ひげを生やした男が洋傘かさをすぼめて立っていた。
探偵夜話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
背後うしろうねつて切出きりだしたやうな大巌おほいはが二ツ三ツ四ツとならんで、うへはうかさなつて背後うしろつうじてるが、わし見当けんたうをつけて、心組こゝろぐんだのは此方こツちではないので
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
私達はかさなりかさなった山々を眼の下に望むような場処へ来ていた。谷底はまだ明けきらない。遠い八ヶ岳は灰色に包まれ、その上に紅い雲が棚引たなびいた。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
三分の一失うと昏睡こんすいするものだと聞いて、それにわれとも知らずさいの肩に吐きかけた生血なまち容積かさを想像の天秤てんびんに盛って、命の向う側におもりとして付け加えた時ですら
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
畳を蹴立けたてゝ挨拶もせず出てき掛ると、見兼て其所そこへ出ましたのはお八重という女郎、其の時分だから検査と云うことがないから梅毒かさで鼻の障子がなくなって
今や史料はかさなり、技術家は揃い、思索者は集る。この団体から何か力が出ないであろうか。今日までの学者は直観の体験にうとく、今日までの作者は思想の内省に乏しい。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
三人の女傘かさが後になり先になり、穗の揃つた麥畑の中をむつまし氣に川崎に向つた。丁度鶴飼橋の袂に來た時、其處で落合ふ別の道から山内と出會した。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
二三の眞理は直に根則より出づべけれど、その他の眞理は斷案と斷案とを積みかさねてはじめて出だすことを得べし。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
「それぢや賄の分量かさが足りないとでも言ふのか。」
吸殼は火鉢の隅に目立つやうにかさになツて、口が苦くなる、頭もソロ/\たるくなツて來て、輕く振ツて見ると、后頭が鉛でも詰めてあるやうに重い。此うなると墨を磨るのさへものうい、で、むやみ生叺なまあくびだ。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
父親おやじ母親おふくろを始め、家つきをかさている女房のお辰めに一鼻あかしてやらなくては、というこころがなにかにつけて若い彼の念頭ねんとうを支配していたのだった。
元嘉げんか二十三年六月のことである。ことし十三になる尹氏の子供が、小作の小屋の番をしていると、一人の男が来た。男は年ごろ二十はたちぐらいで、白い馬にってかさをささせていた。
申せし時百兩包を出して見せられ此お講中かうぢう門跡樣もんぜきさまへ納るゆゑ貸事かすことかなひ難し其代りに是をかさんとてお葛籠つゞらを貸給ひしが其お金は如何やと申故箪笥たんすの引出を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
吐露ぬかすとんだ才六めだ錢を貸すかさぬはかくも汝の口から馬鹿八とは何のことだ今一言ひとことぬかしたら腮骨あごぼね蹴放けはなすぞ誰だと思ふ途方とはうもねへと云へば切首きりくびは眼を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この島の南々東二カイリの海上を進んでおりますうちに、聖ピヨトル号の甲板にいた、ベーリングと父が、はっきりとこの島の上に、円い金色の幻暈かさを見たのでした。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
切れ海霧ガスが丸うなってそばを通ると、あのとおり、金色の幻暈かさを現わすのじゃ。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
大阪の噺家では、林家染丸(二代目)が傷毒かさがかったしわがれ声で歌う都々逸が、かんじんのこの人の噺よりもいい。よしこのとか、そそりとかいった味で
随筆 寄席風俗 (新字新仮名) / 正岡容(著)
かさねてたずねますと、哲人は平然と
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
出雲大社教の管長千尊愛氏は、この十日頃、随員と一緒に舞鶴まひづるへ乗込み、十一日には加佐かさ和江わえ村の和江神社で清祓式きよはらひしきを挙げた。
子路率爾そつじとしてこたえて曰く、千乗の国大国の間にはさまりて加うるに師旅しりょを以てしかさぬるに饑饉ききんを以てせんとき、ゆうこれをおさめば、三年に及ばんころ、勇ありみちを知らしめん。夫子之をわらう。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
その太陽そのものすら、殆ど輪郭のない、ぼんやりした日暈かさで無限に擴がつた一つの圈に過ぎなかつた。
雄花をつつましやかに咲きそろわせ、山風に香りも高く、金の花粉をまき散らし、松かさを累々と実らせ、熟させ、その上、来たるべき年の芽や花まで、いち早く身うちに創りあげてゆく……いや実に
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
後に一頭のかさのある狐を捕えて、例のごとく五、六頭の犬を放したが、犬はあえて追い迫らない。狐も平気で逃げようともしない。不思議に思って大将の家の猟狗かりいぬを連れて来た。
東 かつたいのかさうらみ
東西伊呂波短歌評釈 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
かさが背中に出来た由です。体も無理でした由。何の病気かしら。やはり胸でしょう。それだけのことが、お習字のような丁寧な字で書かれていたきりです。
娘といってもことし三十七で、若いときから身持が悪くて方々のだるま茶屋などを流れ渡っていたので、重い瘡毒かさにかかっている。
青蛙堂鬼談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
さもたり。ちかづくまゝに。にほは。そもかう款貨舖ぐやの。むすめかも。ゆびはさめる。香盆かうばこの。何爲なにことなりや。時々とき/\に。はなかさして。くめるは。
「西周哲学著作集」序 (旧字旧仮名) / 井上哲次郎(著)
「揚揚匹馬向西行。山複水重程又程。寧厭天気風雪苦。黄金台築在金城。」〔揚揚トシテ匹馬西ニ向ヒテ行ク/山かさナリ水かさナリ程又程/寧ゾ厭ハンヤ天気風雪ノ苦ヲ/黄金台ハ築イテ金城ニ在リ〕
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
薄い藤紫の覆布かさをかけた電燈の光が、柔く部屋の中に溢れている。霎時しばらくするとビアトレスが扉をあけて入ってきた。
P丘の殺人事件 (新字新仮名) / 松本泰(著)
「近頃過差かさの取締がきびしいのに、左大臣たる者がいかにいちひとであるとは云え、ことのほかきらびやかな装いをして参るとはしからぬ、早々退出するように申し付けよ」
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
予は初めは和服にて蕨採りに出でし際に、小虫を耐忍する事一時ひとときばかりなるも、面部は一体に腫れ、殊に眼胞まぶたは腫れて、両眼を開く事能わず、手足も共に皮膚は腫脹しゅちょう結痂けっかとにてあだか頑癬かさの如し。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
あれは黴毒かさで兩眼が潰れたのだと例の男が話した。
赤い鳥 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)