梅毒かさ)” の例文
だから、梅毒かさかってたら、なにいうてやの、あほらし、ったんでね、なんのことかとおもったら、それ、やっぱり京女は優しいところがあるのさ。
畳を蹴立けたてゝ挨拶もせず出てき掛ると、見兼て其所そこへ出ましたのはお八重という女郎、其の時分だから検査と云うことがないから梅毒かさで鼻の障子がなくなって
『豊吉、此頃は毎晩新川へ行くさうぢやないか。あまり行くと梅毒かさかくぞ』
へえ天国に入れてもらいます……ばか……おやじが博奕打ばくちうちの酒喰らいで、お袋の腹の中が梅毒かさ腐れで……俺の眼を見てくれ……沢庵たくあん味噌汁みそしるだけで育ち上った人間……が僣越ならけだものでもいい。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)