此の物語はあの名高い色好みの平中のことから始まる。 源氏物語末摘花の巻の終りの方に、「いといとほしと思して、寄りて御硯の瓶の水に陸奥紙をぬらしてのごひ給へば、平中がやうに色どり添へ給ふな、赤からんはあへなんと戯れ給ふ云々」とある。これは源氏 …
著者 | 谷崎潤一郎 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「毎日新聞」毎日新聞社、1949(昭和24)年11月16日~1950(昭和25)年2月 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約2時間48分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約4時間40分(300文字/分) |