“翔”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
48.9%
かけ38.2%
7.3%
1.7%
かけり1.3%
あまがけ0.9%
カケ0.4%
がけ0.4%
とびめぐ0.4%
0.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あるときは、すずめはつばめにまじって、いわくだけるしろなみ見下みおろしながら、うみうえけりました。
紅すずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
自分の頭脳をちょうど超高速のロケット機みたいにつかって、タイムの宇宙を、何世紀もむかしにけたり、いっぺんに現代に返ったりするのだった。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
土神はひとりで切ながってばたばたしました。空を又一ぴきたかけて行きましたが土神はこんどは何とも云はずだまってそれを見ました。
土神と狐 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
その頃になると、河原の上に川千鳥の鳴き叫ぶ声を聞くのだが、川千鳥は下総しもふさの海の方から、鮎の群れを追いながら空をかけってくるのだ。
楢の若葉 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
故郷ふるさとの水のことごと、柳河や橋のことごと、たまゆらと、空ゆ一期いちごと、我が見ると、飛ぶとかけると、我が和子わこ連れぬ。
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
どうかすると四つ足を両方に開いて腹をぴったり芝生しばふにつけて、ちょうどももんがあのかけっているような格好をしている事もあった。
ねずみと猫 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
——二月二日。十二年前、喜望峰きぼうほうの波止場で、朝霧の立ち込めた穏やかな海上を大きな水禽が群れをなして水とすれすれにんでいた光景を思い出す。
暴風雨に終わった一日 (新字新仮名) / 松本泰(著)
目近かく仰ぎ上げる頂上をかすめて、白い雲が飛んでは碧空に吸われるように消える。岩燕が鏑矢のような音たててう。
案内人風景 (新字新仮名) / 百瀬慎太郎黒部溯郎(著)
おおひどい風だこと。ガラス戸が鳴って、ゴーと風の音がします。こんな風の中にあれはプロペラの音でしょうか。オートバイではないようです、べるものかしら。
と答へて去る。山風やまかぜさつとおろして、の白き鳥またちおりつ。黒きたらいのふちに乗りてづくろひして静まりぬ。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そこでその國から飛びつておいでになつて、河内の志幾しきにお留まりなさいました。
夜深うしてこうを行ふ彼何の情ぞ 黒闇々中刀に声あり 圏套けんとう姦婦の計を逃れ難し 拘囚こうしゆう未だ侠夫の名を損ぜず 対牛たいぎゆう楼上無状をす 司馬しば浜前はままえに不平を洩らす 豈だ路傍狗鼠くそちゆうするのみならん 他年東海長鯨をせい
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
書斎のなかは、妙にしんとしずまりかえり、時々、かすかに小鳥のかけりの音がきこえるほか、なんの物音もひびいて来ない。
キャラコさん:06 ぬすびと (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
たちまち、中空なかぞらに凄じいかけりの音が聞え、翼の丈、一間半もあろうかと思われる大鷲が、ゾヨゾヨと尾羽を鳴らしながら舞い降りて来て、むざんに案山子の頭に襲いかかったのである。
平賀源内捕物帳:萩寺の女 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
どこかで小鳥のかけりの音がする。
肌色の月 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
左遷流罪させんるざいの身となったについては、その怨みを報ぜんために雷神となって都の空をあまがけり、鳳闕ほうけつに近づき奉ろうと思っている、此の事は既に梵天ぼんてん、四王、閻魔えんま
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
が、曲者は空をあまがけったか地にもぐり込んだか、今度も見附からずじまいであった。
彼岸中日、春分シユンブンの空が、朝から晴れて、雲雀ヒバリは天にカケり過ぎて、帰ることの出来ぬほど、青雲が深々とたなびいて居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
留めようと、袖をふれば振るほど、身は次第に、高くカケり昇つて行く。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
巻九(一七〇〇)に、「秋風に山吹の瀬のとよむなべ天雲あまぐもがける雁に逢へるかも」とあって、やはり人麿歌集にある歌だから、これも人麿自身の作で、上の句の同一手法もそのためだと解釈することが出来る。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
孔子が近づくと、一度は驚いて飛び上がったが、少しとびめぐってからまた孔子のあたりへおりてくる。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
高々と空にひすましてゐる鷹の聲である。
みなかみ紀行 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)