“翔”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
48.6%
かけ38.5%
7.3%
1.6%
かけり1.2%
あまがけ0.8%
カケ0.4%
がけ0.4%
しやう0.4%
とびめぐ0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大天狗、小天狗、無数の天狗がみな火となって、黒風にけまわり、その火が落ちて、火神の御社が、忽ちまた団々たる炬火きょかとなる。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これしかしながら汽車きしやがやがて飛行機ひかうきつて、愛宕山あたごやまから大阪おほさかそらかけ前表ぜんぺうであらう。いや、割床わりどこかた、……澤山たんとおしげりなさい。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
十二年前、喜望峰きぼうほうの波止場で、朝霧の立ち込めた穏やかな海上を大きな水禽が群れをなして水とすれすれにんでいた光景を思い出す。
暴風雨に終わった一日 (新字新仮名) / 松本泰(著)
そこでその國から飛びつておいでになつて、河内の志幾しきにお留まりなさいました。そこで其處に御墓を作つて、お鎭まり遊ばされました。
書斎のなかは、妙にしんとしずまりかえり、時々、かすかに小鳥のかけりの音がきこえるほか、なんの物音もひびいて来ない。
キャラコさん:06 ぬすびと (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
その怨みを報ぜんために雷神となって都の空をあまがけり、鳳闕ほうけつに近づき奉ろうと思っている、此の事は既に梵天ぼんてん、四王、閻魔えんま帝釈たいしゃく、五道冥官みょうかん、司令、司録等の許しを得ているので
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
彼岸中日、春分シユンブンの空が、朝から晴れて、雲雀ヒバリは天にカケり過ぎて、帰ることの出来ぬほど、青雲が深々とたなびいて居た。郎女は、九百九十九部を写し終へて、千部目にとりついて居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「秋風に山吹の瀬のとよむなべ天雲あまぐもがける雁に逢へるかも」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
そも/\燧山は岩代国にぞく巍峩ぎがとして天にひいで、其麓凹陥おうかんして尾瀬沼をなし、沼の三方は低き山脈を以て囲繞ゐげうせり、翻々たる鳧鴨ふわう捕猟ほりやうの至るなき為め悠々いう/\として水上に飛しやう
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
これは孔子が子路とともに山にいて雌雉を見た時の話である。孔子が近づくと、一度は驚いて飛び上がったが、少しとびめぐってからまた孔子のあたりへおりてくる。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
高々と空にひすましてゐる鷹の聲である。
みなかみ紀行 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)