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翔
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かけ
ふりがな文庫
“
翔
(
かけ
)” の例文
是
(
これ
)
しかしながら
汽車
(
きしや
)
がやがて
飛行機
(
ひかうき
)
に
成
(
な
)
つて、
愛宕山
(
あたごやま
)
から
大阪
(
おほさか
)
へ
空
(
そら
)
を
翔
(
かけ
)
る
前表
(
ぜんぺう
)
であらう。いや、
割床
(
わりどこ
)
の
方
(
かた
)
、……
澤山
(
たんと
)
おしげりなさい。
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
肉のとらわれを脱して、高きに
翔
(
かけ
)
らんとねがうたましいばかりは、ますます濡れ輝いてゆくのを感じます。深く深くなりまさります。
青春の息の痕
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
争闘の上を
翔
(
かけ
)
って来るべき勝利を告ぐる高らかな声に、みずからなろうと欲していた。復活した
己
(
おの
)
が民族の叙事詩を歌っていた。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
唯願はくは上人の我が
愚※
(
おろか
)
しきを憐みて我に命令たまはむことをと、九尺二枚の唐襖に
金鳳銀凰
(
きんほうぎんわう
)
翔
(
かけ
)
り舞ふ其箔模様の美しきも眼に止めずして
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
一房の羊毛がまた群れを離れたと思うと、白い泡となって空を
翔
(
かけ
)
りながら、やがて煙となり、蒸気となり、ついになんにも無くなってしまう。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
▼ もっと見る
雪之丞、小褄も、ちらほらと、踏み乱して、軒下から軒下、露地から露地を、目の前を
翔
(
かけ
)
りゆく、黒い影をひた慕いに慕う。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
現在の重太郎に取っては、里の人間は総て我が敵であると云っても
可
(
よ
)
い。
其
(
そ
)
の里に向って、悪魔は天を
翔
(
かけ
)
り行くのである。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
一匹の桜いろの蝶が、奇蹟のやうにひらひらと、平気で、わたしの視野を
翔
(
かけ
)
つていつた。ひかりの
粉
(
こな
)
を撒きながら。……
希臘十字
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
故郷
(
ふるさと
)
の水のことごと、柳河や橋のことごと、たまゆらと、空ゆ
一期
(
いちご
)
と、我が見ると、飛ぶと
翔
(
かけ
)
ると、我が
和子
(
わこ
)
連れぬ。
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
マーキュ はて、
足下
(
おぬし
)
は
戀人
(
こひびと
)
ではないか? すればキューピッドの
翼
(
はね
)
でも
借
(
か
)
りて、
鴉
(
からす
)
や
鳶
(
とび
)
のやうに
翔
(
かけ
)
ったがよからう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
少女は嘗て其羽を脱ぎ
卸
(
おろ
)
して、その童子の肩に結び、いざ共に空に
翔
(
かけ
)
らんといふ。おのれは風なす輕き身なれば、羽なきと羽あると殊ならずとなり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
八幡大菩薩も、この誠心あふるる祈願には心を動かされたのであろう、折しも雲の中から飛んできた山鳩が三羽、源氏の白旗の上を飛び
翔
(
かけ
)
ったという。
現代語訳 平家物語:07 第七巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
飛び
翔
(
かけ
)
るような思想が
囁
(
ささや
)
きになり、うめき出すような詞になる。そして「どこへ行ったのだろう」と叫ぶのである。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
労働者を激励し、身を据え、立ち止まり、また駆け出し、
騒擾
(
そうじょう
)
と努力との上を
翔
(
かけ
)
り、あちらこちら飛び回り、ささやき、怒鳴り、全員を
鞭打
(
むちう
)
っていた。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
月に一度は必ず、米軍の飛行機が鋭い音を響かせながら、
峠
(
とうげ
)
の上を
翔
(
かけ
)
った。ふり仰ぐと、初夏の光を吸った翼のいろが、ナイフのように不気味に光った。
桜島
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
看るからに万物生動の意はわが
霊魂
(
たましひ
)
を掩へる
迷妄
(
まよひ
)
の雲をかき払ひて我身
宛
(
さなが
)
ら神の光のなかに
翔
(
かけ
)
りゆくここちす。
松浦あがた
(新字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
されば「れぷろぼす」は
愈
(
いよいよ
)
胆を
消
(
け
)
いて、学匠もろとも中空を射る矢のやうに
翔
(
かけ
)
りながら、
戦
(
をのの
)
く声で尋ねたは
きりしとほろ上人伝
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
色斯
(
おどろ
)
きて
挙
(
あ
)
がり、
翔
(
かけ
)
って後
集
(
くだ
)
る。曰く、
山梁
(
さんりょう
)
の
雌雉
(
しち
)
、
時
(
よい
)
かな
時
(
よい
)
かなと。子路
之
(
これ
)
に
共
(
むか
)
えば三たび
狊
(
はねひろ
)
げて
作
(
た
)
つ。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
彼はかうして数分間か、それとも数秒間に、メルヘンにある小人国から巨人国へ、それから再び、巨人国から小人国へ、ただ一
翔
(
かけ
)
りで往復して居る心地がした。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
同様にまた、ずんぐりした地中の
蛆虫
(
うじむし
)
から空中にはばたく蝶に辿られるのである。地球そのものも絶えず自らを超越し変形しつつ、その軌道を
翔
(
かけ
)
るようになる。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
王成の鶉は王の鶉が来ると、鶏の怒ったようなふうで身を
伏
(
ふ
)
せて待った。王の鶉が強い喙でつッかかって来ると、王成の鶉は鶴の
翔
(
かけ
)
るようなふうでそれを撃った。
王成
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
我先
(
われさき
)
に
獲物
(
えもの
)
にありつこうと
翔
(
かけ
)
るはとに
向
(
む
)
かって
突進
(
とっしん
)
しました。
母
(
はは
)
ばとは、
巧
(
たく
)
みに
方向
(
ほうこう
)
を
変
(
か
)
えて、
子供
(
こども
)
たちのいる
巣
(
す
)
から、
敵
(
てき
)
を
遠方
(
えんぽう
)
へ
遠方
(
えんぽう
)
へと
誘
(
さそ
)
ったのであります。
僕はこれからだ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
空
翔
(
かけ
)
る翼でもない限り、百五十
呎
(
フィート
)
の塔の外側を登る事は出来ない。またどんなに素早くやったところで、誰にも発見されずに螺旋階段を上下する事も出来ないのだ。
廃灯台の怪鳥
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
其處
(
そこ
)
より
發
(
た
)
たして、
當藝
(
たぎ
)
の
野
(
の
)
四
の上に到ります時に、詔りたまはくは、「吾が心、恆は
虚
(
そら
)
よ
翔
(
かけ
)
り行かむと念ひつるを
五
、今吾が足え歩かず、たぎたぎしく
六
なりぬ」
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
場末の家まばらに建てられたれば青空は庭の外に拡がりて雲行き鳥
翔
(
かけ
)
る様もいとゆたかに眺めらる。
小園の記
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
茶褐色
(
ちゃかっしょく
)
のうら枯れた大木の落葉がちょうど小鳥の
翔
(
かけ
)
るように高い峰と峰との
峡
(
はざま
)
を舞い上がってゆく。
狂乱
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
剣妖
(
けんよう
)
丹下左膳は、乾雲に乗って天を
翔
(
かけ
)
り
闇黒
(
やみ
)
に走って、自分のこの坤竜を
誘
(
いざな
)
い去ろうとしている——それに対し、われは白日坤竜を躍らせ、
長駆
(
ちょうく
)
して乾雲を呼ぶのだ!
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
暗灰色に塗った
俊敏
(
スマート
)
な胴体で波を切りながら、スイスイと四肢を
伸
(
の
)
して南太平洋を
隼
(
はやぶさ
)
のように
翔
(
かけ
)
っていた軽快な姿なぞは、もはやどこに見出し得べくもなかったのであった。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
そうして、日を
数
(
と
)
り初めて、ちょうど、今日と言う日。彼岸中日、春分の空が、朝から晴れて、
雲雀
(
ひばり
)
は天に
翔
(
かけ
)
り過ぎて、帰ることの出来ぬほど、青雲が深々とたなびいて居た。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
あと答へて、
鳶
(
とび
)
のごとくの
一三〇
化鳥
(
けてう
)
翔
(
かけ
)
来り、
前
(
まへ
)
に
伏
(
ふ
)
して
詔
(
みことのり
)
をまつ。院、かの化鳥にむかひ給ひ、何ぞはやく重盛が
命
(
いのち
)
を
奪
(
と
)
りて、
雅仁
(
まさひと
)
清盛
(
きよもり
)
をくるしめざる。化鳥こたへていふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
「おもしろき野をばな焼きそ
古草
(
ふるくさ
)
に
新草
(
にひくさ
)
まじり
生
(
お
)
ひは
生
(
お
)
ふるがに」(巻十四・三四五二)、「おもしろみ我を思へか、さ
野
(
ぬ
)
つ鳥来鳴き
翔
(
かけ
)
らふ」(巻十六・三七九一)等の例があり
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
と、初めて、明るい一笑を投げて、丈八は、宙を
翔
(
かけ
)
るように、街道を急いで行った。
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私の心は急に怒りに満ち溢れ、鋭い悲哀に貫かれて、ただひたすらにこの屈辱の地をあとに、あてもなく一直線に
翔
(
かけ
)
つていつた。感情が感情に鞭うち、意志が意志に鞭うちながら——。
測量船
(新字旧仮名)
/
三好達治
(著)
その理想は外部より魂を束縛する何かではなく、魂を自由に解放することそのことである。地上につながるる奴僕たることを脱して、自由の天空に
翔
(
かけ
)
る太陽の子たらんとすることである。
ジャン・クリストフ:01 序
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
どうかすると四つ足を両方に開いて腹をぴったり
芝生
(
しばふ
)
につけて、ちょうどももんがあの
翔
(
かけ
)
っているような格好をしている事もあった。たぶん腹でも冷やしているのではないかと思われた。
ねずみと猫
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
高きものは
翔
(
かけ
)
るがごとく、低きものは走るがごとく、その出没する間は数里の長きに及ぶも、だれありてその所在を確かむることできず、これを確かめんと欲してその火のある所に行けば
迷信解
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
婦人ばかりが独り
退
(
しりぞ
)
いて、もう自分たちの不満な境遇を歎いている時ではなくなった。その前にまず自由に時代の学問に触れて、その空気の中で
活
(
い
)
き活きと飛び
翔
(
かけ
)
るようにしなければならぬ。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
歓びに高く
翔
(
かけ
)
り、あるいは悩みに深く沈む時、彼はどっちの場合でも、今まさに、みち渡る無限の中へ溶け込もうと願う、ちょうどその刹那に、喰止められ、ちょうどその刹那に、鈍い冷たい意識へ
幻滅
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
そして、それは毎年、五月の
端午
(
たんご
)
のお節句が過ぎた頃である。その頃になると、河原の上に川千鳥の鳴き叫ぶ声を聞くのだが、川千鳥は
下総
(
しもふさ
)
の海の方から、鮎の群れを追いながら空を
翔
(
かけ
)
ってくるのだ。
楢の若葉
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
私は、時々、籠のせまい
仕切
(
しきり
)
から覗く不思議な鳥の
眼差
(
まなざし
)
を見ますよ——活々とした、そは/\した、氣丈な
捕
(
とら
)
はれ者がそこにゐるのです。自由にしてやりさへすれば、それは空高く
翔
(
かけ
)
つて行くでせう。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
あの一面に畑にしてある岡を取り巻いて、
翔
(
かけ
)
っていましょう。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
鳶
(
とび
)
が一羽ものものしげに低く浜の方に
翔
(
かけ
)
っていました。
少年と海
(新字新仮名)
/
加能作次郎
(著)
左
(
ひだり
)
へ
翔
(
かけ
)
り
右
(
みき
)
へ
走
(
はし
)
り、
四面八角
(
しめんはつかく
)
縱横無盡
(
じうわうむじん
)
に
飛
(
とひ
)
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
みだれ姿の影黒み
蹙
(
しが
)
める空を
翔
(
かけ
)
りゆかむ
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
「山には野鳥が
翔
(
かけ
)
っていましょう」
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
鳥は青い
叫
(
さけ
)
びを
殘
(
のこ
)
して
翔
(
かけ
)
る。
メランコリア
(旧字旧仮名)
/
三富朽葉
(著)
夏蝶のつと落ち来りとび
翔
(
かけ
)
り
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
大いなる鶴夜のみ空を
翔
(
かけ
)
り
わがひとに与ふる哀歌
(新字旧仮名)
/
伊東静雄
(著)
何処へか
翔
(
かけ
)
りゆきけめ。
詩
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
飛
(
と
)
ばず
翔
(
かけ
)
らず
成
(
な
)
りぬらむ
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
翔
漢検1級
部首:⽻
12画
“翔”を含む語句
飛翔
天翔
高翔
翺翔
鳳翔
翔込
仲翔
快翔
滑翔
疾翔大力
翔破
龍翔
高翔感
飛雲鶴翔
飛翔機
賈翔
翔鷲号
翔鶴丸
翔鶴
翔廻
...