“蹙”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しか46.7%
せば5.3%
ひそ5.3%
しが4.0%
しじま4.0%
すく4.0%
4.0%
せま4.0%
ちぢ4.0%
ちゞ2.7%
しじ2.7%
いざり2.7%
しぼ2.7%
せばま2.7%
いた1.3%
きはま1.3%
しゞ1.3%
つま1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「またお講釈だ。ちょいと話をしている間にでも、おや、また教えられたなと思う。あれが苦痛だね。」一寸ちょっと顔をしかめて話し続けた。
独身 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
川幅がひろかったが、谷が次第にせばまって、水嵩みずかさが多くなったので、左の岸の森へ入った、山桜がたった一本、交って、小さい花が白く咲いているのが、先刻の白花の石楠花とふたつ
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)
こぞって首をなやまし、額をひそめ、しかして相告げて曰く。わが王わが宰相の奪掠を好む。それなんぞ我を
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
與吉よきちはそれでもくぼんだしがめて卯平うへいがまだこそつぱくてゆびさき下唇したくちびるくちなかむやうにしながら額越ひたひごしに卯平うへいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
川に沿ふて上ることしばらく、両岸の山あひしじまり、渓せまく、煙しづかにして、瀬のおといよ/\たかし、南山の里に入れば緑なるをかの上に皇后の祠を拝するの厳かなるを覚ゆ。
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
猫に追い詰められた鼠の様に隅の方にすくんで居るは彼の顔の持主である、最早詮方のない所と断念したのか
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
彼等の抱く如き思想は、もはや眼前の一大惨禍を喫着きっちゃくして、実は甚だ行詰っているのである。隧道トンネルの前には山勢まりて窮谷きゅうこくをなし、前に進むべき一条の路だに存せぬ。
列強環視の中心に在る日本 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
せまれば魚いよいよ躍る、彼は革命の精神に鼓動せられて、みずから裁する所以ゆえんを知らず。その獄中において安政六の新年を迎うるや、口占して曰く
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
乱濤の間に通り抜けて、イオリが滝へかゝると、峡谷はちぢまつて、水は大振動を起した、遠くの空には高い峯々が、天を衝いて、ぐるぐると眼の前を回転する、崖の上からは、石が覗いて
天竜川 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
勘次かんじはそれでも分別ふんべつもないので仕方しかたなしに桑畑くはばたけこえみなみわびたのみにつた。かれふる菅笠すげがさ一寸ちよつとあたまかざしてくびちゞめてつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
すなわち呉傑、平安をして西の方定州ていしゅうを守らしめ、徐凱をして東の方滄州そうしゅうたむろせしめ、自ら徳州にとどまり、猗角きかくの勢をしてようやく燕をしじめんとす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
指が一本足りないこと、頭がまる禿げであること、片目、鼻っかけ、欠唇いぐちいざり……少し調子が狂えばもはや怪物だった。
幻の彼方 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
革命的思想を以て頑固な支那従来の謬想びゅうそうを打破せぬ限りは、この現状は幾万世を経るとも変らざるべきである。これが今日支那の国運の日に益々ますますしぼまり行くゆえんである。
三たび東方の平和を論ず (新字新仮名) / 大隈重信(著)
広河内のあるところは、東俣の谷の奥の、殆んど行き止りで、白峰山脈と、赤石山脈の間が、せばまって並行する間の、ちいさ盆地ベースンである。
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
舜瞽瞍を見てそのかたちいためるあり、孔子曰く、この時に於てや、天下あやうかりしかな、岌岌乎たりきと。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
運よくして思ふこと図に当りなば傲然がうぜんとして人をしのぎ、運あしくしてきはまりなば憂悶して天を恨む。凌がるゝ人は凌ぐ人よりも真に愚かなりや、恨まるゝ天は恨む人の心を測り得べきや。
哀詞序 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
本より末に至るに随ひ漸く其間しゞまり、竹の育ちすらりとして捩れも無く癖も無く、特に穂竿のかたからず弱からずしてしなやかに能く耐ふる力の八方に同じきなど
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
この時になッてお勢は初めて、首の筋でもつまッたように、徐々そろそろ顔を此方こちらへ向け、可愛かわいらしい眼に角を立てて、文三の様子を見ながら、何か云いたそうな口付をした。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)