“しぼ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シボ
語句割合
38.5%
27.4%
16.0%
15.4%
思慕1.7%
0.4%
0.4%
私慕0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ひきしぼったつるをぷつんと切って放った。——矢は、崖下の山寺をおおっている木立のこずえを通って、後に四、五葉ひらひら舞わせていた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それで赤貝姫がしるしぼあつめ、蛤貝姫がこれを受けて母の乳汁として塗りましたから、りつぱな男になつて出歩であるくようになりました。
蒼白い靄にうずもれながら、すぐ窓下の冬薔薇の木は、しぼんだ花と満開の花とをかんざしのように着けながら、こんもりと茂って居るのでした。
西班牙の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しかしてその妖巫の眼力が邪視だ。本邦にも、飛騨ひだ牛蒡ごぼう種てふ家筋あり、その男女が悪意もてにらむと、人は申すに及ばず菜大根すらしぼむ。
だんじて非なりと信ずるゆえに、たとえ当年とうねんの男伊達だての意気を思慕しぼするとはいえ、こんにちの男一匹は長兵衛そのままを写してなりとは思わぬ。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「襟の掛つたぢやうの袷に、あさしぼつた赤い帶でございます」
男女なんによまじつて太鼓たいこ中央ちうあうゑがいてる。それが一てい間隔かんかくいては一どうふくろくちひもいたやうしぼまつて、ぱらり/\と手拍子てびやうしをとつて、また以前いぜんのやうにひろがる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
獄中の拝謁をえてからのち十日あまりを、道誉は懸命な“蔭の働き”につくしていた。帝のおたのみ事の実現をみるまでは、自分の私恋しれん私慕しぼも打ち捨てている姿だった。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)