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搾
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しぼ
ふりがな文庫
“
搾
(
しぼ
)” の例文
おもしろそうに唄ったり
囃
(
はや
)
したりしているうちはよかったが、しまいには取組合いの喧嘩を始めた。上さんが
金切声
(
かなきりごえ
)
を
搾
(
しぼ
)
って制する。
世間師
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
それで赤貝姫が
汁
(
しる
)
を
搾
(
しぼ
)
り
集
(
あつ
)
め、蛤貝姫がこれを受けて母の乳汁として塗りましたから、りつぱな男になつて
出歩
(
である
)
くようになりました。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
金を
搾
(
しぼ
)
れるだけ絞っておきながら——もっとも本人は何にも知らずにいるのかも知れぬが——どこまで虫の好いことを言うと思った。
狂乱
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
因より
正當
(
せいたう
)
の腕を
探
(
ふる
)
つて
儲
(
まう
)
けるのでは無い、惡い
智惠
(
ちえ
)
を
搾
(
しぼ
)
ツてフン
奪
(
だく
)
るのだ………だから他の
怨
(
うらみ
)
を
購
(
か
)
ひもする。併し金は
溜
(
た
)
まつた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
ああその時の私達の
baiser
(
ベーゼ
)
が如何に私の胸を
搾
(
しぼ
)
ったか。然しそれは私達の最後の
embrassement
(
アンブラスマン
)
であったのだ。
運命のままに
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
▼ もっと見る
私の生命全体が涙を私の眼から
搾
(
しぼ
)
り出したとでもいえばいいのか知らん。その時から生活の諸相が
総
(
すべ
)
て眼の前で変ってしまった。
小さき者へ
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
厠
(
かわや
)
へ入って、独りでそっと憤激の熱い涙を
搾
(
しぼ
)
り搾りしたものだったが、それには何か自身の心に
合点
(
がてん
)
の行く理由がなくてはならぬと考え
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
そして他方では「掲示」を利用し、本工に編成するかも知れないというエサで一生懸命働かせ、モット
搾
(
しぼ
)
ろうという魂胆だったのである。
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
全
(
まる
)
で
淑女
(
レディ
)
の
扮装
(
いでたち
)
だ。
就中
(
なかんづく
)
今日は
冶
(
めか
)
してをつたが、
何処
(
どこ
)
か
旨
(
うま
)
い口でもあると見える。
那奴
(
あいつ
)
に
搾
(
しぼ
)
られちや
克
(
かな
)
はん、あれが本当の真綿で首だらう
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
もとよりその財貨宝玉は、すべて悪政の
機関
(
からくり
)
から
搾
(
しぼ
)
りとった民の
膏血
(
こうけつ
)
にほかならぬ。……これを奪うのは天の
誅罰
(
ちゅうばつ
)
といえなくもあるまい。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼は、このフィルムのヤマで、フィルム作者が頭を
搾
(
しぼ
)
って考え附いた場面で、いかにも
巧
(
たく
)
みに、群衆の笑いの心理を、掴んでいたのである。
死者を嗤う
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
秀吉も、その武力統一を完全にすると共に、大陸政策を実行する上に、どうしても農民を
搾
(
しぼ
)
らなければならなかったのですな。
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
しかもなお死力を尽し、私から
遁
(
のが
)
れるべく、すでに気死して半死半生の朦朧たる意識の中にもかかわらず、あらん限りの媚態を振り
搾
(
しぼ
)
った。
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
搾
(
しぼ
)
りたての牛乳のように
微
(
かす
)
かに温かで柔らかな空気の中に、桜の花はどこまでもおっとりと誇らかに咲いているのであった。
仮装観桜会
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
彼は小さい
葦
(
よし
)
の
管
(
くだ
)
で、腫物の口をこじ明けて、その管から貝母の
搾
(
しぼ
)
り汁をそそぎ込むと、数日の後に腫物は
痂
(
か
)
せて癒った。
中国怪奇小説集:05 酉陽雑爼(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ただ労働者を
搾
(
しぼ
)
れるだけ搾ってきた彼安治川舟三の残酷なやり方は、自分ながらにひどいと思うことがたびたびであった。
空中征服
(新字新仮名)
/
賀川豊彦
(著)
万寿丸は同じく
吉竹
(
よしたけ
)
船長——これはやっぱりこの船のブリッジへ
錆
(
さ
)
びついたねじ
釘
(
くぎ
)
以外ではなかった——によって、
搾
(
しぼ
)
ることを監督されていた。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
血の出るような声を
搾
(
しぼ
)
り出すと、夢の中の尾田の声が、ベッドの上の尾田の耳へはっきり聞こえた。奇妙な瞬間だった。
いのちの初夜
(新字新仮名)
/
北条民雄
(著)
祗園會が了り秋もふけて線香を
乾
(
かわ
)
かす家、からし油を
搾
(
しぼ
)
る店、パラピン蝋燭を造る娘、提燈の繪を描く義太夫の師匠
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
相手の一人がそう言って
土堤
(
どて
)
を上った。もう一人は默ってそのあとに
蹤
(
つ
)
いた。次郎は二人を見送ったあとで、裸になって一人で着物を
搾
(
しぼ
)
りはじめた。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
彼女は足も動かさなければ、尻尾も振らない。が、その大きな柔らかな舌で、乳を
搾
(
しぼ
)
る女の背中を
舐
(
な
)
めて遊んでいる。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
上り終れる時はわが
氣息
(
いき
)
いたく肺より
搾
(
しぼ
)
られ、我また進むあたはざれば、着くとひとしくかしこに坐れり 四三—四五
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
槽
(
ふね
)
を使う(
諸味
(
もろみ
)
を醤油袋に入れて
搾
(
しぼ
)
り
槽
(
ぶね
)
で搾ること)時に諸味を汲む桃桶を持って来いと云われて見当違いな
溜桶
(
ためおけ
)
をさげて来て皆なに笑われたりした。
まかないの棒
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
「
百合
(
ゆり
)
ちゃん、あの男と
撚
(
よ
)
りを戻そうなんて弱気になっちゃだめよ。いっそ方針を変えて、一年や二年遊んで暮らせるだけ
搾
(
しぼ
)
り取っておやりなさいよ」
宝石の序曲
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
男は腹の底から
搾
(
しぼ
)
り出すような声でそう叫びながら、呆気にとられて立って居る検事と鯉坂君との前で、暫らくの間、犬をしっかりと抱きしめました。
新案探偵法
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
これを拾い集めてそれから
搾
(
しぼ
)
り採った油がいわゆる椿油である。通常婦人の髪に附けて賞用するが、この油はまたテンプラ揚げに用いても上乗である。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
資本主義の国が人民から
搾
(
しぼ
)
るものはお金だけ……ところがソビエット主義が人民から
搾
(
しぼ
)
り取るものは血から涙から魂のドン底までと云っていいんだからね
人間レコード
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ぢり/\と
汗腺
(
かんせん
)
から
搾
(
しぼ
)
れ
出
(
いづ
)
る
汗
(
あせ
)
が
其
(
そ
)
の
趾
(
あと
)
つけられた
流
(
なが
)
れの
途
(
みち
)
を
絶
(
た
)
たないで
其處
(
そこ
)
だけ
蕎麥
(
そば
)
の
埃
(
ほこり
)
を
洗
(
あら
)
ひ
去
(
さ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
彼
(
かれ
)
はおつたの
前
(
まへ
)
に
其
(
そ
)
の
暑相
(
あつさう
)
な
身
(
み
)
を
向
(
む
)
けた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
牝牛の腹から出る牛乳を毎日
搾
(
しぼ
)
らずに牝牛の腹に貯めて置いたなら、宴会までには三十日分のものが貯って充分入用の量にはなるだろうと思ったのである。
愚かな男の話
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
仕事の適否とか、労働時間とか、栄養とか、休養とかは全然無視し、無理往生の過激の労働で、人間の労力を出来る丈多量に、出来る丈短時間に
搾
(
しぼ
)
り取る。
監獄部屋
(新字新仮名)
/
羽志主水
(著)
しかし、長羅は武器庫の前まで来たときに、三人の兵士が水壺の中へ
毒空木
(
どくうつぎ
)
の汁を
搾
(
しぼ
)
っているのを眼にとめた。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
降りて来る蟻達は丁度今其の牝牛から乳を
搾
(
しぼ
)
つて来た処なのだよ。ふくれたお腹をひきづつて行くのは、蟻塚殖民地に共同の食物のミルクを運んでゐるのだ。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
朝早く起きて近所の牧場へ行って、牛乳を
搾
(
しぼ
)
ったり、いろいろの用をして、それから遠い道を学校まで通って来るのだ。学校から帰れば又人の家へ働きに行く。
贋紙幣事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
これは夜光の杯ならぬギヤマンの吸いのみ、魂をとろかす力もない
搾
(
しぼ
)
りたての果汁にすぎないけれど、その奥ゆかしくさびた紅は千年をへだてる初唐の色である。
胆石
(新字新仮名)
/
中勘助
(著)
おれは
心底
(
しんそこ
)
から崇拝して、まるで牛みたいにやつのために働いてきたのだ! おれはソーニャと二人で、この地所から、最後の一しずくまで
搾
(
しぼ
)
り上げてしまった。
ワーニャ伯父さん:――田園生活の情景 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
印度の或る部落に住む土人が妙な草の葉を
搾
(
しぼ
)
り其の汁を以て痺れ薬を製するが、之を刃に附けて人を刺せば傷口は火の燃える様に熱く、爾して全身は痺れて了う
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
すると彼はあらん限りの声を
搾
(
しぼ
)
って叫んだ。「プティー・ジェルヴェー! プティー・ジェルヴェー!」
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
その日も
何心
(
なにごころ
)
なく一皿の
中
(
うち
)
少しばかり食べしがやがて二日目の
暁方
(
あけがた
)
突然
腸
(
はらわた
)
搾
(
しぼ
)
らるるが如き
痛
(
いたみ
)
に目ざむるや、それよりは
夜
(
よ
)
の
明放
(
あけはな
)
るるころまで
幾度
(
いくたび
)
となく
廁
(
かわや
)
に走りき。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
この男があつておきみは生きてゐるのであり、おきみが生きてゐる限り、その血と肉とを
搾
(
しぼ
)
り取ることが出來ることを、老婆はすつかり見拔いてしまつたのである。
天国の記録
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
性
(
しょう
)
の悪き牛、乳を
搾
(
しぼ
)
らるる時人を
蹴
(
け
)
ることあり。人これを怒つて大に
鞭撻
(
べんたつ
)
を加へたる上、足を
縛
(
しば
)
り付け、無理に乳を搾らむとすれば、その牛、乳を出さぬものなり。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
レモンヱロウの繪具をチユーブから
搾
(
しぼ
)
り出して固めたやうなあの單純な色も、それからあの
丈
(
たけ
)
の詰つた紡錘形の恰好も。——結局私はそれを一つだけ買ふことにした。
檸檬
(旧字旧仮名)
/
梶井基次郎
(著)
一八五六年版アメリア・モレイの『米国等よりの書翰集』で見ると、当時ルイジヤナ州に牛の乳を
搾
(
しぼ
)
る蛇あり、
犢
(
こうし
)
のごとく鳴いて牝牛を呼び、その乳を搾ったという。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
沈毅な容貌に釣合う
錆
(
さび
)
のある声で、極めて重々しく一語々々を腹の底から
搾
(
しぼ
)
り出すように話した。
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
案「ハテ山の上から
搾
(
しぼ
)
れて
打落
(
うちおと
)
してめえるだから、下にはあるが、山の上には水はありやしねえ」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
関西では寒の入りに油ものを食べぬと
凍
(
こご
)
えるというだけだが、東北は一般にこの日を油しめといって、始めて種油を
搾
(
しぼ
)
らせ、それを使っていろいろの食物をこしらえる。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
或る者はびしょびしょになった制服やシャツを
搾
(
しぼ
)
ったり、裸になって体を
拭
(
ふ
)
いたりしている。或る者は服が濡れているので、腰掛に掛けるのを遠慮して突っ立っている。
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
お
召物
(
めしもの
)
が
濡
(
ぬ
)
れますと
言
(
い
)
ふを、いゝさ
先
(
まづ
)
させて
見
(
み
)
てくれとて
氷嚢
(
こほりぶくろ
)
の
口
(
くち
)
を
開
(
ひら
)
いて
水
(
みづ
)
を
搾
(
しぼ
)
り
出
(
だ
)
す
手振
(
てぶ
)
りの
無器用
(
ぶきよう
)
さ、
雪
(
ゆき
)
や
少
(
すこ
)
しはお
解
(
わか
)
りか、
兄樣
(
にいさん
)
が
頭
(
つむり
)
を
冷
(
ひや
)
して
下
(
くだ
)
さるのですよとて
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
俺を
殴
(
なぐ
)
って気が済むなら俺をなぐれ……だが伍長、怨むなら、あんな無恥な野蛮な習慣をいいことにして、人間を
搾
(
しぼ
)
って金を儲ける
人非人
(
ひとでなし
)
を怨め……取払ったのは当然だ。
雲南守備兵
(新字新仮名)
/
木村荘十
(著)
「オヤ
何所
(
どこ
)
かお悪う御座いますか」と細川は
搾
(
しぼ
)
り
出
(
いだ
)
すような声で
漸
(
やっ
)
と言った。富岡老人一言も発しない、一間は
寂
(
せき
)
としている、細川は
呼吸
(
いき
)
も
塞
(
つま
)
るべく感じた。
暫
(
しばら
)
くすると
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
耳の病を祈るしるしとして幾本かの鋭い
錐
(
きり
)
を編み合わせたもの、女の乳
搾
(
しぼ
)
るさまを小額の
絵馬
(
えま
)
に描いたもの、あるいは長い女の髪を切って麻の
緒
(
お
)
に結びささげてあるもの
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
搾
常用漢字
中学
部首:⼿
13画
“搾”を含む語句
搾取
搾取者
搾木
壓搾
圧搾空気
乳搾
搾出
圧搾
振搾
狭搾
空氣壓搾喞筒
牛乳搾取業者
油搾木
搾牀
空氣壓搾喞筒等
搾滓
身搾
錻力圧搾機
搾取手段
搾取力
...