“殴”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
なぐ68.2%
7.1%
5.2%
3.9%
どや2.6%
2.6%
たた1.9%
たゝ1.9%
はた1.3%
くら1.3%
にや0.6%
なぐっ0.6%
0.6%
ぱた0.6%
ぶた0.6%
0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
数時間のあいだ、上からはなぐるように降りつけられ、下は湿地と水溜みずたまりをこいで歩くのであった。全身あますところなく濡れていた。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
未練らしく此の間も来てひどい事を言って、私のたぶさって引摺り倒し、散々にちましたから、私も口惜くやしいから了簡しませんでしたが
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
警「仏師屋じゃアない造物主、早く言えば神から下すった身体、無闇とち打擲して、殊に谷川へ投込むなどとは以てのほかであるぞ」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
の時遅く、この時早く、万平は鳥打の横面よこつらを平手で二つ三つ千切ちぎれる程り飛ばした。男の鳥打帽がフッ飛んで闇の中に消えた。
芝居狂冒険 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
どうだ/\いわなけりゃア土性骨どしょうぼねどやして飯を吐かせるぞ、白状すれば、命は助けて遣るというたら、痛いから白状するに違いない
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
勿論もちろんその間に、俺は二三度調べに出て、竹刀しないぐられたり、靴のまゝでられたり、締めこみをされたりして、三日も横になったきりでいたこともある。
独房 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
「こまつぶり」でも、廻してゐるのかと思つて、後ろから覗いて見ると、何処どこかから迷つて来た、尨犬むくいぬの首へ繩をつけて、打つたりたたいたりしてゐるのであつた。
芋粥 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
此ん畜生…オヽちげえねえ、手前てめえは此の春矢切の渡場で町人を斬るのるのッてってるとこへ、己が這入へえって手前をたゝき倒し、向後斯んな事をすると聴かねえッて
もちろん人間にみつく余裕はなかったが、それでも時々起ちあがって、自分のゆく先の邪魔になる人々をその強い手ではたき倒した。
半七捕物帳:29 熊の死骸 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
すわといったらその大鉈で相手のまっこうをくらわしてやろうと、ひそかに身構えをしたが、それが相手にはちっとも感じないらしいので、重兵衛もすこし張合い抜けがした。
木曽の旅人 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
林「いかんたってわしにはられませんよ、旦那様、頭へけず出来でけました、こんなににやして何うにも斯うにも、其様そんな薄穢い田舎者えなかものえやだよッて、突然いきなり烟管で殴しました」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「だからね、あたいたちみんなで、服部フクをなぐっちゃおうじゃないか」
工場新聞 (新字新仮名) / 徳永直(著)
引ったかれそうだから眼鏡が壊れるような気がしたからである。勿論、廊下に出て貰って取っ組みをしてもよい腹立たしさだった。この席に、堀辰雄もいた。
我が愛する詩人の伝記 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
だからチチコフは、その横っ面をひっぱたいてくれなければならなかった。セリファンは、ようやく正気に返ると、例の連銭葦毛の背中に、ピシピシと三つ四つ鞭をくれた。
賤「私はどうもぶたれたとこが痛くってたまらないよ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)