“たゝ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
21.3%
20.9%
14.4%
11.6%
6.6%
3.8%
3.1%
2.2%
2.2%
1.6%
1.6%
0.9%
0.9%
0.9%
0.6%
0.6%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
多々0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
敲戸0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「おやもうそつちのはうつたのかい、それぢや彼處あすこたゝくんだよ」内儀かみさんはいつてわかれた。おつぎはすぐ自分じぶん裏戸口うらどぐちつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かゝることばを山にてつかはざれば山神のたゝりたまふといふはうけがたけれど、神の㕝は人慮じんりよをもてかろ/\しくしゆべからざる物をや。
火口かこういけ休息きゆうそく状態じようたいにあるときは、大抵たいてい濁水だくすいたゝへてゐるが、これが硫黄いおうふくむために乳白色にゆうはくしよくともなれば、熱湯ねつとうとなることもある。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
かれ色々いろ/\事情じじやう綜合そうがふしてかんがへたうへ、まあ大丈夫だいぢやうぶだらうとはらなかめた。さうしてつめさきかる鐵瓶てつびんふちたゝいた。其時そのとき座敷ざしき
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
温泉いでゆは、やがて一浴いちよくした。純白じゆんぱくいしたゝんで、色紙形しきしがたおほきたゝへて、かすかに青味あをみびたのが、はひると、さつ吹溢ふきこぼれてたまらしていさぎよい。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ロオザは弟の手術を讚め、マリアも亦その恩惠をたゝへたり。マリアの云ふやう。目しひなりし時の心の取像しゆざうばかりしきはし。
かけ甚だ難澁なんじふ仕つり一命にも及ばんとなすをり是なる藤八身延みのぶ參詣さんけいの歸り掛け幸ひ其處へ差掛さしかゝり私し難儀なんぎの體を見兼右の三人を片端かたはしよりたゝたふして私しを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
何でも早く勉強して、来年にも幼年学校に入るやうにしなければ、一体男児をとこの本分がたゝぬではないか。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
あしわすれたか投出なげだした、こしがなくば暖簾のれんてたやうにたゝまれさうな、年紀としそれて二十二三、くちをあんぐりやつた上唇うはくちびる巻込まきこめやう、はなひくさ、出額でびたひ
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
私を棄てゝ心中するなんて、そんな奴なら了簡があります、愚図々々すれば女郎じょうろにでもたゝき売って金にして埋合うめあわせをするのだ
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
まして自ら進んで犠牲者たらうとした男の勇気をたゝへる気にもならんのです。わかつた……君……もう泣くのはおよしなさい。彼の口吻を真似れば、鬼頭令門は幸運児さ。
双面神 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
せよと云に曲者は半四郎の心中しんちうはかられざれば有難しと口には云て食事をすれどもかうのどへは通らずふるうちに半四郎も食事を仕舞しまひたゝきて女をよび昨夕ゆふべからの旅籠はたごさけさかな代共だいとも勘定を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
此奴こいつしっかり縛って置き、たゝくじいても其の訳を白状させなければならん、さ何ういう理由わけで此の文をった、手前は屋敷奉公をした奴だろう、谷中の屋敷にいた時分
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
市中の評判は大抵同志に同情して、かへつて殺された横井の罪を責めると云ふ傾向を示した。柳田の沈黙がたゝへられる。同志のく秘密を守つて、形跡をくらましたのが驚歎せられる。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
さわいでさわいでさわぎぬかうとおもひますとてたゝいて朋輩ほうばいべばりきちやん大分だいぶおしめやかだねと三十おんな厚化粧あつげしようるに、おい此娘このこ可愛かあいひとなんといふだと突然だしぬけはれて
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
石橋いしばしひに行つてもはん、わたしから手紙を出しても返事が無い、もう是迄これまでふので、わたしが筆を取つて猛烈まうれつ絶交状ぜつかうじやうを送つて、山田やまだ硯友社けんいうしやとのえんみやこはなの発行とともたゝれてしまつたのです
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
もう忍耐にんたい出來できない、萬年まんねんペンをとつてりあげた、そのおそろしいしもとしたあわれみをふかのようにいてゐる、それがたゝけるか。
ねこ (旧字旧仮名) / 北村兼子(著)
きらいぢやありません、きですからおそれてゐるのです、たゝくにしのびません、そしてうことは懲々こり/\してゐるんです」
ねこ (旧字旧仮名) / 北村兼子(著)
庭ごとに石にてたゝみたる井ありしが、家々の壁と井との間をば、人ひとり僅かに通らるゝほどなれば、我は上より覗きて、二つの井の内を見るのみなりき。
そのめぐりには、許多あまた小龕せうがん並びたり。又二重の幅ひろき棚あり。處々色かはりたる石をたゝみて紋を成せり。一つの龕をば食堂とし、一つには壺鉢などを藏し、一つをばくりやとなして豆を煮たり。
友「口惜しい、畜生め、町人と思って打ち打擲して、人を半死半生に殺しゃアがったな、あゝ己は口惜しい、己は此の橋から飛込んで三日たゝうちみんな取殺すからそう思え、エー口惜しい」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
友「三日たゝうちに取殺します」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
御米およねのない眞中まんなかに、少時しばらくたゝずんでゐたが、やがて右手みぎてあた下女部屋げぢよべやを、おとのしないやうにそつといて、なか洋燈らんぷかざした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
しかし一ばんに氣にツたのは、まゆと眼で、眉はたゝ温順すなほにのんびりしてゐるといふだけのことであツたが
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
大佐たいさ滿面まんめんえみたゝへつゝ
北條小學校々庭ほうじようしようがつこう/\ていおい實見じつけんせられたようなものゝ多々たゝあることであらう。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
「これは/\錢形の親分、飛んだお騷がせをいたします。——大泥棒を縛つて、御上の御手傳ひをして、その泥棒にたゝられたとあつちや、私も人樣へ顏が合はされません。何分宜しく御願ひ申します」
くるまわきたゝずんで、はるたけなはに、夕景色ゆふげしき
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その牛肉屋の牛が馬肉かも知れないといふ嫌疑がある。学生は皿に盛つた肉を手攫てづかみにして、座敷のかべたゝき付ける。落ちれば牛肉で、貼付ひつつけば馬肉だといふ。丸でまじなひ見た様な事をしてゐた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
と、たか調しらべ荒鷲あらわしの、かぜたゝいてぶごとく、ひく調しらべ溪水たにみづの、いはかれてごとく、檣頭しやうとうはし印度洋インドやうかぜげんくだくるなみおとして、本艦々上ほんかんかんじやう暫時しばしなりまなかつた。
中單チヨキの代にその頃着る習なりし絹の胸當をば、針にて上衣の下に縫ひ留めき。領巾えりぎぬをば幅廣きひだたゝみたり。頭には縫とりしたる帽を戴きつ。我姿はいとやさしかりき。
ベンヺ さア/\、敲戸たゝいてはひったり。はひったらば、すぐ一しょにをどさうぞよ。
たゝれてあれば惣身そうしん痩衰やせおとろへ眼はくぼみ小鼻も落て此世の人とも見えざるゆゑ兩人の用人はなみだを流し是が嘉川家の若殿樣の有樣なるか扨々淺ましき御事なり少しも早く御連退つれのき申さんと兩人して組牢くみらうはしら
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
邦家の事いづくんぞ長舌弁士のみ能く知るところならんや、別に満腔の悲慨をたゝへて、生死悟明の淵に一生を憂ふるものなからずとせんや。
富嶽の詩神を思ふ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
其の屋敷へ年始に往った処が、けえりにおあつらえの刀がさがったのだ、それが先祖から伝わるところの滅法にい物なんだ……すると、此の人は酒嗜さけずきで、酒をたゝされてる処へ無理に屠蘇を勧められて
たゝさぬ樣に致しなば我々われ/\が臣たる道も立により此上は急ぎ御二方を救ひ進らせん事專要せんえうなり此儀御兩所の力を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
料理れうりしてがんいつはり食せけるに不思議や條七は五十日たつたゝぬにかみぬけ癩病らいびやうの如く顏色がんしよくも變り人交際つきあひも出來ぬやうに成ければおてつは仕濟したりと打よろこび條七に打むかひお前は入聟いりむこの身斯る業病ごふびやうになりては先祖せんぞすまず早く實家へ歸りくれよといとつれなくも言ければ條七も詮方せんかたなく前世ぜんせの業と斷念あきらめるより外なしと女房娘を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
したてて送んとしおもへさだめつかれに痩せ昔の腰圍こしまはりにはあるまじときぬたゝんとして躊躇するにも似たりしかしてこれは丁寧ていねい尚ほ足袋に及ぶ爪先までも心の屆きし事といふべし又次の歌は想ふ人を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
娼婦の涕は紅涙とたゝへられ、狼心の偽捨は慈悲ととなへらる。
哀詞序 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
人間を高うするものも、人間をひくうするものも、義人をたゝすものも、盗児を生ずるものも、その原素に於ては、この熱意の外あることなし。
熱意 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
夫人の美しさをたゝへると同時に、夫人の態度を非難する嵐のやうな世評の中に在つて、夫人の本当の心、その本当の姿を知つてゐるものは、美奈子と直也の外にはなかつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)