“許多”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あまた57.9%
ここだ13.2%
きよた5.3%
コヽダ5.3%
いくた2.6%
いくら2.6%
いろ/\2.6%
おおき2.6%
おほく2.6%
きょた2.6%
そくばく2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
袈裟けさ坊主ぼうずが必ずしも伴うものじゃない。いわゆるそうにあらざる僧も世には許多あまたある。またその代りには袈裟けさを着た俗人もまた多い。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
多摩川にさらす手作りさらさらに何ぞこの許多ここだかなしき。こう万葉に詠まれたところのその景色のよい多摩川で彼は終日狩り暮した。
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
卓の抽斗ひきだし抜き出しありて、手を着けたるものと見ゆれども、猶許多きよたの物件の残りをるを見る。鉄製小金庫一箇、敷布団の下にあり。
み吉野の象山キサヤマ木梢コヌレには、許多コヽダも騒ぐ鳥の声かも(赤人——万葉巻六)
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
長安には太清宮のしも許多いくたの楼観がある。道教に観があるのは、仏教に寺があるのと同じ事で、寺には僧侶そうりょり、観には道士が居る。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
しかしそれはまずそれとして何もそんなに心配せずとも或種類の芸術に至っては決して二宮尊徳にのみやそんとくの教と牴触ていしょくしないで済むものが許多いくらもある。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
糸に作るにも座を定めたい囲位かたむる事うむにおなじ。縷綸いとによるその道具その手術てわざその次第しだいじゆん、その名に呼物よぶもの許多いろ/\種々さま/″\あり、繁細はんさいの事をつまびらかにせんはくだ/\しければいはず。
未だ必ずしも羮を調ととのうるに許多おおきを用いず
緑衣人伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
単におのれの慾を充さうばかりで、あんな思切つて残刻な仕事が出来るものではないと想ふのだ。許多おほくのガリガリ亡者もうじやは論外として、間貫一においては何ぞ目的が有るのだらう。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
『地をえれば皆然り』思想も言論も挙動も風采も元より大した区別のあるものではなく、すなわち学生団体のあらたに起した許多きょたの事業は、すでに弊害を免れ難く
端午節 (新字新仮名) / 魯迅(著)
開き見るに古金こきん許多そくばくあり兵助大いに喜び縁者えんじや又はしたしき者へも深くかくおきけるが如何して此事のもれたりけん隣家りんか山口やまぐち郎右衞門ろゑもんが或日原田兵助方へ來りやゝ時候の挨拶あいさつをはりて四方山よもやまはなしうつりし時六郎右衞門兵助にむかひて貴殿には先達せんだつて古金のいりかめ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)