“隣家”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
となり82.7%
りんか14.3%
おとなり1.5%
となりや0.8%
もより0.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
殿様は翌日御番ごばんでお出向でむきに成ったあとへ、隣家となりの源次郎がお早うと云いながらやって来ましたから、お國はしらばっくれて、
それまでは隣家となりの内が、内職をして起きている、と一つにゃ流元ながしもとに水のない男世帯、面倒さも面倒なりで、そのままにして置きました。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この騒ぎの最初の日、欣之介は自分の家にとどまつてゐるにへない気がして、朝から隣家となりの病身の大学生のところへ出かけて行つた。
新らしき祖先 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
病家の迎えか、患者でも来ない間は、この医者は、隣家となりに入り浸りで、碁を打ち、世事を語り、時にはひそひそと何事か膝づめで密談していた。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まずは、武大ぶだもそんな程度と聞くと、西門慶は大胆にも、たった二日ほどいただけで、またぞろ隣家となりへ来ては金蓮に呼びをかける。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
所が私の居る山本の隣家りんか杉山松三郎すぎやままつさぶろう(杉山徳三郎とくさぶろうの実兄)と云う若い男があって、面白い人物。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
かげろうののぼる、かがやかしい田畑たはたや、若草わかくさぐむ往来おうらいや、隣家りんか垣根かきねももはな
心の芽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
隣家りんかは、薪炭商しんたんしょうであって、そこには、達吉たつきちより二つ三つ年上としうえ勇蔵ゆうぞうという少年しょうねんがありました。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
たって行ったあとのうちをめてかぎを家主にわたしてくれることをたのまれた隣家りんかの人がそのときわたしに声をかけた。
隣家りんかからの延燒えんしようふせぐに、雨戸あまどめることは幾分いくぶん效力こうりよくがある。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
ホホホホホ、大きな声をお出しでない、隣家おとなりが起きると内儀おかみさんの内職の邪魔じゃまになるわネ。そんならいいよ買って来るから。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「有名でなくったって、好いじゃありませんか。裏座敷で琴がきこえて——もっとも兄と一さんじゃ駄目ね。小野さんなら、きっと御気に入るでしょう。春雨がしとしと降ってる静かな日に、宿の隣家おとなりで美人が琴をいてるのを、気楽に寝転ねころんで聴いているのは、詩的でいいじゃありませんか」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
隣家となりや秀夫ひでおくんのおとうさんは、お役所やくしょやすに、そと子供こどもたちといっしょにたこをげて、愉快ゆかいそうだったのです。
北風にたこは上がる (新字新仮名) / 小川未明(著)
坐敷ざしきすわつたまゝこともなく茫然ぼんやりそとながめてたが、ちらとぼくさへぎつてまた隣家もより軒先のきさきかくれてしまつたものがある。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)