“貧”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
まず38.7%
ひん27.9%
まづ20.7%
まずし5.4%
むさぼ1.8%
ヒン1.8%
さび0.9%
ぴん0.9%
まずしき0.9%
まずしさ0.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“貧”を含む作品のジャンル比率
文学 > 英米文学 > 戯曲44.4%
哲学 > 倫理学・道徳 > 人生訓・教訓29.4%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)3.9%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
そのいえまずしくて、かぜから肺炎はいえん併発へいはつしたのに手当てあても十ぶんすることができなかった。
三月の空の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
けれども、ほんもののナイチンゲールのうたうのを聞いたことのある、あのまずしい漁師たちだけは、こう言いました。
曲者「何卒どうぞ御免なすって……実はなんでございます、へえ全くひんの盗みでございますから、何卒御免なすって」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
しかしながら一方から考えると実にチベットは残酷ざんこくな制度で、貧民ひんみんはますますひんに陥って苦しまねばならぬ。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
自分ながら自分の藝術のまづしいのが他になる、あわれたいしてまた自分に對してなやみ不平ふへいが起る。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
函館はこだてまづしい洋食店やうしよくてんで、とんさんが、オムレツをふくんで、あゝ、うまい、とたん
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
場末の湿地で、藁屋わらやわびしいところだから、塘堤一杯の月影も、破窓やれまどをさすまずしい台所の棚の明るいおもむきがある。
光籃 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
珠運しゅうんもとよりまずしきにはれても、加茂川かもがわの水柔らかなる所に生長おいたちはじめて野越え山越えのつらきを覚えし草枕くさまくら
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
母親は額に汗をにじませながら、荒い鼻息の音をさせて、すかすかと乳をむさぼっている碧児みずごの顔を見入っていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
私はそれをむさぼるように読んでしまうと、すぐ何でもないようにそれをそのまま打棄てて置いた。
かげろうの日記 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
ジリヒンという言葉を、大本営の将軍たちは、大まじめで教えていた。
苦悩の年鑑 (新字新仮名) / 太宰治(著)
外出先きから戻る時に、吾家の門をくゞる十間前から「ヒンフクヒンフクヒンフク。」といふ言葉を夫々左右の脚に托して口吟み、門をまたぐ時の脚が貧であると、また十間逆戻つて福に出遇ふまでは半日でも同じことを繰り反してゐる人もあつた。
毒気 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
其邊そのへんちいさい料理屋れうりやれてつて、自分じぶんさびしい財嚢さいふかたむけて
まして今ではただの体と違うのんに何処い行くこと出来ますか知らん?」——はあ、そないいいますのんで、そしたらやっぱり光子さんはほんまに妊娠してはるのんやろか、けったいなこというなあ思いながら聞いてますと、「——内の娘は百万円以上の資産家の所でないとやられん、一文なしのすかンぴんの男みたいなんにやる訳に行かん、子供生れたら何処いなとやってしまうというて、お父さんかんかんになって怒ってるいうのんですが、そんな無茶な話ありますやろか。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
天より我に与へ給へる家のまずしきは我仕合しあわせのあしき故なりと思ひ、一度ひとたび嫁しては其家をいでざるを女の道とする事、いにしえ聖人のおしえ也。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
淋しき花は寒い夜を抜け出でて、紅緑にまずしさを知らぬ春の天下にまぎれ込んだ。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)