“まづ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:マヅ
語句割合
28.0%
25.5%
19.7%
不味19.1%
下手3.2%
1.9%
0.6%
無味0.6%
蕉拙0.6%
間詰0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お引請になるのは、何も神様の手並がまづくて、醜女すべたの方が丁度手頃なからでは更々ない。神様は女に哲学を教へようとなさるからだ。
風呂場にれば、一箇ひとりの客まづ在りて、燈点ひともさぬ微黯うすくらがり湯槽ゆぶねひたりけるが、何様人のきたるにおどろけるとおぼしく、はなはせはしげに身を起しつ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
べて神聖しんせいものはてよろこびる。われらがしゆきみはこのあかいばらうへに、このわがくちに、わがまづしい言葉ことばにも宿やどつていらせられる。
世話せわつて、たゞ不味まづさいこしらえて、三づゝへやはこんでれるだけだよ」と安井やすゐうつてからこの細君さいくん惡口わるくちいてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
自分はそれらの小説を讀んで上手うまいとも下手まづいとも決める事が出來なかつた。
「蒲田は如才ないね。つらまづいがあの呼吸で行くから、往々拾ひ物を為るのだ。ああいはれて見るとたれでもちよつと憎くないからね」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
マーキュ なんぢゃ、いっまづいのをば甘美うまい? はて、うま意味いみりやうぢゃの。賢女けんぢょ々々。
ロミオ わしをしへう。したが、その若樣わかさま彌〻いよ/\はッしゃる時分じぶんには、たづねてござるいまよりはけてゐませうぞ。はて、いっ年少としわかのロミオはわしぢゃ。これよりまづいのはいまはない。
絵は無論仕上しあがつてゐないものだらう。けれども何処どこ彼所かしこも万遍なく絵の具がつてあるから、素人しらうとの三四郎が見ると、中々立派である。うまいか無味まづいか無論わからない。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
唯だ文章が蕉拙まづくつての女丈夫を活動させることの出来ないのが如何にも残念です。
千里駒後日譚 (新字旧仮名) / 川田瑞穂楢崎竜川田雪山(著)
寛永も中頃になって、ようやく御鉄砲玉薬たまぐすり奉行に任官し、高六百石、焼火やけひ間詰まづめになった。
ひどい煙 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)