“茨”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いばら90.0%
ばら7.7%
おどろ1.5%
イバラ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まつたく考へて見るに婦女子をなごどもといふやつは何から何まで実に器用なものぢや! いつか皆さんはいばらの実を入れた梨の濁麦酒クワスだの
「毒婦だな、貴様は。——その美しい容貌きりょうを持って生れながら何という情けない心だろう。あざみの花だ。ばらの花だ」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
立ち上るや否や、おどろの髮をふり亂して、帶もしどけなく、片手に懷中の兒を抱き、片手を高くさし上げ、裸足はだしになつて驅け出した。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
さうして其処ソコで、まどろんで居る中に、悠々ウラウラと長い春の日も、暮れてしまつた。嬢子は、家路と思ふミチを、あちこち歩いて見た。脚はイバラトゲにさゝれ、袖は、木のズハエにひき裂かれた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)