“薊”の読み方と例文
読み方割合
あざみ100.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「金沢町の江島屋——此間あざみの三之助が殺された場所、今度は塀の下の、犬潜いぬくぐりの穴に首を突っ込んだ伊保木金太郎がやられましたよ」
匂よ。吾に猶心殘りあり。あらゆる花は皆此處に集まりながらあざみの缺けたるぞ飽かぬ心地する。赤き薄赤き紫なる薄紫なる、薊程美しき花は無きに。
花枕 (旧字旧仮名) / 正岡子規(著)
谷をのぼって峰がまた転ずると、今度はあざみ谷と共に雲仙の二大渓谷であり、また同じ旧噴火口であるところの鬼神きじん谷の真上に出る。
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
畫工の來るや、古の水道のなごりなる、寂しき櫛形迫持せりもちを寫し、羊の群をひきゐたる牧者を寫し、さてその前に枯れたるあざみを寫すのみ。
『潮來出島の眞菰のなかで』といふ眞菰や蒲の青々した蔭にはあやめはやゝ時過ぎてゐたが、あざみの花の濃紫が雨に濡れて咲き亂れてゐた。
だい一、あざみがあんまり沢山ありましたし、それに草のそこにさっきかった岩かけが、度々たびたびころがっていました。
種山ヶ原 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
あざみは、近づいて行った。いきなり声をかけると、非常に驚いた様子で、春作は逃げかけた。跳びかかって、薊は、彼の両手を縛り上げた。
魚紋 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此辺までは大木が茂って下草は余り生えていなかったが、此処から頭の上が透いてあざみ木苺きいちごが所嫌わず生えているので、手足がチクチク刺される。
奥秩父の山旅日記 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
あざみも長い間の押し問答の、石にくぎ打つような不快にさっきからよほどごうが沸いてきてる。もどかしくて堪らず、酔った酒もめてしまってる。
春の潮 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
みつけられては大變たいへんだとふたゝあざみ周圍しうゐまはりました、いぬころは其枝そのえだびうつるばかりになつて
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)