“雛芥子”の読み方と例文
読み方割合
ひなげし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
襖の根に置いてある本棚の側に、白い大きな壺に雛芥子ひなげしの花が沢山たばねて揷してあるのが、電気の灯の中に赤く目立つて見えた。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
雛芥子ひなげしが散って実になるまで、風が誘うをながめているのだ。色には、恋には、なさけには、その咲く花の二人をけて、他の人間はたいがい風だ。
紅玉 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
窓掛の間から野性の雛芥子ひなげしの燃える樣なの色が見える。四時と云ふのに一分の違ひも無しに巴里の北の停車場ギヤアルに着いた。
巴里まで (旧字旧仮名) / 与謝野晶子(著)