“雛芥子”の読み方と例文
読み方割合
ひなげし100.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ブダペストへ出発。オーストリアからハンガリアの野へかけて、雛芥子ひなげしが所嫌わず生えている。ダニユーブ河は雛芥子とともに太っていく。
欧洲紀行 (新字新仮名) / 横光利一(著)
襖の根に置いてある本棚の側に、白い大きな壺に雛芥子ひなげしの花が沢山たばねて揷してあるのが、電気の灯の中に赤く目立つて見えた。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
雛芥子ひなげしくれないは、美人の屍より開いたと聞く。光堂は、ここに三個の英雄が結んだ金色こんじきこのみなのである。
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
線路に近いところには低い堤がのたくってつづいて、紅い雛芥子ひなげしと紫のブリュー・ベルとが一面に咲きみだれている。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
窓掛の間から野性の雛芥子ひなげしの燃える樣なの色が見える。
巴里まで (旧字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
窓掛の間から野生の雛芥子ひなげしの燃える様な緋の色が見える。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
一昨日からの花の壺の雛芥子ひなげしが、最早もうほろ/\と散り落ちて了つたらしく、その花びらも反古の中に交つてゐた。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
恋の火の白熱は、って白玉はくぎょくとなる、そのはだえを、氷った雛芥子ひなげしの花に包んだ。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
木の下には雛芥子ひなげしの紅い小さい花がしおらしく咲いている。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
——爺さんは、当夜植木だなのお薬師様の縁日に出たついでに、孫が好きだ、と草餅の風呂敷包を首に背負しょって、病中ながらかねて抱主かかえぬしのお孝が好いた、雛芥子ひなげしの早咲
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)