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雛芥子
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ひなげし
ふりがな文庫
“
雛芥子
(
ひなげし
)” の例文
襖の根に置いてある本棚の側に、白い大きな壺に
雛芥子
(
ひなげし
)
の花が沢山
束
(
たば
)
ねて揷してあるのが、電気の灯の中に赤く目立つて見えた。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
雛芥子
(
ひなげし
)
が散って実になるまで、風が誘うを
視
(
なが
)
めているのだ。色には、恋には、
情
(
なさけ
)
には、その咲く花の二人を
除
(
の
)
けて、他の人間はたいがい風だ。
紅玉
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
窓掛の間から野性の
雛芥子
(
ひなげし
)
の燃える樣な
緋
(
ひ
)
の色が見える。四時と云ふのに一分の違ひも無しに巴里の北の
停車場
(
ギヤアル
)
に着いた。
巴里まで
(旧字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
窓掛の間から野生の
雛芥子
(
ひなげし
)
の燃える様な緋の色が見える。四時と云ふのに一分の違ひも無しに
巴里
(
パリイ
)
の北の
停車場
(
ギヤアル
)
に着いた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
オーストリアからハンガリアの野へかけて、
雛芥子
(
ひなげし
)
が所嫌わず生えている。ダニユーブ河は雛芥子とともに太っていく。
欧洲紀行
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
▼ もっと見る
その岸には二、三本の大きい柳の枝が眠そうに
靡
(
なび
)
いている。線路に近いところには低い堤が
蜿
(
のたく
)
ってつづいて、紅い
雛芥子
(
ひなげし
)
と紫のブリュー・ベルとが一面に咲きみだれている。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
雛芥子
(
ひなげし
)
に秋風めきて日の当る
七百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
一昨日からの花の壺の
雛芥子
(
ひなげし
)
が、
最早
(
もう
)
ほろ/\と散り落ちて了つたらしく、その花びらも反古の中に交つてゐた。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
此のたびの不思議な其の
大輪
(
たいりん
)
の虹の
台
(
うてな
)
、
紅玉
(
こうぎょく
)
の
蕊
(
しべ
)
に咲いた花にも、俺たちが、何と、手を着けるか。
雛芥子
(
ひなげし
)
が散つて
実
(
み
)
に成るまで、風が誘ふを
視
(
なが
)
めて居るのだ。
紅玉
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
木の下には
雛芥子
(
ひなげし
)
の紅い小さい花がしおらしく咲いている。ここらへ来ると、時どきは人通りがあって、青白い夏服をきた十四、五の少女が並木の下を
俯向
(
うつむ
)
きながら歩いてゆく。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
雛芥子
(
ひなげし
)
の
紅
(
くれない
)
は、美人の屍より開いたと聞く。光堂は、ここに三個の英雄が結んだ
金色
(
こんじき
)
の
果
(
このみ
)
なのである。
七宝の柱
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
煙は雪の振袖をふすべた。炎は
緋鹿子
(
ひがのこ
)
を燃え抜いた。緋の
牡丹
(
ぼたん
)
が崩れるより、
虹
(
にじ
)
が燃えるより美しかった。恋の火の白熱は、
凝
(
こ
)
って
白玉
(
はくぎょく
)
となる、その
膚
(
はだえ
)
を、氷った
雛芥子
(
ひなげし
)
の花に包んだ。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
当夜植木
店
(
だな
)
のお薬師様の縁日に出た
序
(
ついで
)
に、孫が好きだ、と草餅の風呂敷包を首に
背負
(
しょ
)
って、病中ながらかねて
抱主
(
かかえぬし
)
のお孝が好いた、
雛芥子
(
ひなげし
)
の早咲、念入に土鉢ながら育てたのを丁寧に両手に抱いて
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“雛芥子(ヒナゲシ)”の解説
ヒナゲシ(雛芥子、雛罌粟、学名: Papaver rhoeas)は、ヨーロッパ原産のケシ科の一年草。、コクリコ(fr: Coquelicot)、シャーレイポピー(en: Shirley poppy)とも呼ばれる。他のケシ科の植物も含めて単にポピーということもある。フランスやポーランドなどの国花として有名である。
(出典:Wikipedia)
雛
漢検準1級
部首:⾫
18画
芥
漢検準1級
部首:⾋
7画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“雛”で始まる語句
雛
雛妓
雛鳥
雛形
雛罌粟
雛壇
雛鶏
雛様
雛菊
雛段